「SDGsを超える」ということ
──目標の先にある、生活そのものの話
SDGsを超える。
この言葉は、少し強く聞こえるかもしれません。
「SDGs以上のことをする」
「SDGsはもう古い」
そんな意味に受け取られることもあります。
しかし、だれモビが言う
**「SDGsを超える」**とは、そういう話ではありません。
それは、
SDGsが必要なくなる状態をつくること
ただ、それだけの話です。
SDGsは「必要だから生まれた」
まず、この前提を大切にしたいと思います。
SDGsは、
誰かの思いつきで作られたものではありません。
貧困がある
健康格差がある
不平等がある
環境が壊れている
現実に問題があったから、生まれた。
つまりSDGsとは、
「社会がうまく回っていない箇所を示すチェックリスト」
のようなものです。
だから本来、
SDGsが必要だということ自体が、
社会のどこかが詰まっている証拠でもあります。
目標が必要な社会は、まだ未完成だ
考えてみてください。
もし、
誰もが無理なく移動でき
外に出ることが自然で
人と関わり
経済が回り
街が壊れず続いていたら
そこに、
「貧困をなくそう」
「健康を守ろう」
と書いたポスターは必要でしょうか。
おそらく、必要ありません。
目標が掲げられる社会は、まだ完成していない社会です。
目標が不要な社会こそ、完成に近い社会です。
だれモビが目指しているのは、後者です。
SDGsは「ゴール」ではなく「通過点」
多くのプロジェクトは、
SDGsをゴールに置きます。
SDGsに貢献しています
この目標を達成しました
評価されました
しかし、だれモビでは
SDGsをゴールに置いたことは一度もありません。
なぜなら、
ゴールにした瞬間、思考が止まるからです。
「達成した」と言えた瞬間、
人は次の問いをやめてしまう。
本当に続くか
誰かに無理がかかっていないか
生活として成立しているか
だれモビは、
問いが止まらない構造を作りたかった。
だからSDGsは、
越えるべき壁でも、守るべき看板でもなく、
通過点として扱っています。
「超える」とは、否定ではない
ここで、ひとつ大事なことを。
だれモビは、
SDGsを否定していません。
むしろ、
SDGsが示した方向性は正しいと思っています。
ただ、
正しい方向を指す看板を、目的地だと勘違いしない
それだけです。
看板は、
「ここじゃないよ」
「その先だよ」
と教えてくれる存在。
目的地は、
人が暮らしている場所です。
だれモビが越えたのは「目標思考」
だれモビがSDGsを超えたとすれば、
それは17項目を超えたのではありません。
「目標を立てないと動けない思考」
を超えたのです。
数値を作るために動く
評価されるために動く
採択されるために整える
この思考は、
一見合理的で、真面目で、正しそうに見えます。
しかしその裏で、
生活が後回しになることがあります。
だれモビは、
評価より先に、生活を置きました。
移動を成立させると、社会は勝手に整い始める
だれモビが扱っているテーマは、
とても地味です。
移動。
けれど、移動は
すべての行為の前提です。
働く
学ぶ
会う
買う
休む
どれも、移動できなければ始まりません。
だから、
移動が成立すると、
他の問題が一気にほどけ始めます。
これは理想論ではありません。
構造の話です。
SDGsを超えるとは「言語を超える」こと
SDGsは、言語です。
世界共通で使える、とても便利な言語。
しかし同時に、
生活の言語ではありません。
生活の中で交わされる言葉は、もっと単純です。
行けてよかった
楽だった
助かった
また来たい
だれモビが目指しているのは、
SDGsの言葉で説明される社会ではなく、
こうした言葉が自然に出てくる社会です。
それが結果として
SDGsに重なるなら、それでいい。
「超える」とは、静かになること
本当に社会が整ってくると、
人は語らなくなります。
正しさを主張しない
理念を掲げない
説明を求められない
ただ、使われる。
ただ、続く。
だれモビが理想としている未来は、
とても静かなものです。
「すごいですね」と言われない。
「意識高いですね」とも言われない。
「あって当たり前」になること。
SDGsを超えた先にあるのは「戻る」という感覚
面白いことに、
SDGsを超えようとすると、
人は前に進んでいる気がします。
でも実際には、
人間の感覚に戻っているだけなのかもしれません。
無理をしない
助け合う
近くで暮らす
行ける範囲で生きる
これは新しい未来ではなく、
かつて当たり前だった感覚です。
だれモビは、
未来を作っているつもりはありません。
戻れる未来を、もう一度成立させているだけです。
最後に
「SDGsを超える」ということ。
それは、
より高尚な理念を掲げることではありません。
より派手な活動をすることでもありません。
理念がいらなくなるほど、生活が整っている状態をつくること。
だれモビは、
その地点を目指しています。
もし、いつか
「だれモビって、何のプロジェクトですか?」
と聞かれなくなったら。
それは、
このプロジェクトが
本当にSDGsを超えた瞬間なのだと思います。
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