「発光する玉子焼にぎり寿司から分離した発光細菌の検討」板屋 民子、他

個人的に仕事では使う機会はなさそうだけれど(←個人的にというのが非常に重要)、個人の興味として気になった論文や報文を一人で輪講する。
完成させようとするといつまでも終わらない気がするので、勢いである程度まで書いたら公開する。その後気が向いたときに加筆修正する形とする。

書誌情報

板屋 民子, 飯島 正雄, 斉藤 貢一, 正木 宏幸, 青木 敦子, 斎藤 章暢, 安藤 佳代子, 徳丸 雅一, 坂東 正明、「発光する玉子焼にぎり寿司から分離した発光細菌の検討」、食品と微生物、8巻、4号 p203-212、(1992)

概要・本論文選択の動機

スーパーの苦情品として暗所で発光する玉子焼きが持ち込まれたという報告から、玉子焼き発光の原因を細菌学的検査によって同定し、他寿司種における発光の可能性についての議論をまとめたものである。

著者の一人が母方の祖父と同姓同名(正しくは異体字を使用しているが)であったため内容を開いたところ、実生活とも関わりの深い特異な現象に興味を持った。

全体の構成

緒言
材料および方法
結果
考察
要約
以下謝辞等

主要な結果について

・件の玉子焼き寿司から発光細菌の培地による分離に成功
 塩化ナトリウム・卵黄添加SPC寒天培地に10~25℃で分離培養によって10^6~10^7/gの菌量で分離可能
 ・デスオキシコレート培地、CVT培地、無添加SPC寒天では分離不可
 ・35℃ではいずれの培地でも分離不可
・各種分析により細菌種は好塩性発光細菌P.phosphoreumと同定
 アルギニン代謝産物(アグマチン)の確認、PHB蓄積の検出、D-グルコースからの酸・少量ガスの生産より同定
 ・ナトリウム要求性の細菌であり、塩化ナトリウムの塩素も栄養源とする
  ナトリウム塩を他元素を含む塩化物に置き換えても増殖可能
 ・室温でテーブルに放置した際に菌が増殖裂いた可能性が高い。
 ・本菌による腐敗作用は軽微である。
 ・人体に対する病原性(ヒスタミン産生=食中毒のリスクなど)も弱い。
  ・ただし、生理的に気持ち悪いので販売時は注意を払う必要がある。
・玉子焼きの他、イカ、エビ、ちくわで発光の再現に成功
 細菌を塗抹し10~25℃で暗所で保温することで発光
 マグロ上では菌は増殖するものの発光せず
 コノシロ酢漬けは菌増殖なし⇒酢酸によるpH低下が増殖を妨げたか
 発光の機序は細菌密度に単純比例しない
 発育に必要な塩類と、ルシフェラーゼ等細菌内の発光要因と食物表面の複雑な相互作用によって決まる

新たな知見・分析手法・専門用語など

執筆中

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