誰よりも早く。6月・7月の東京・神奈川のニューオープン注目店15軒
今回は6月から7月にかけての、東京のニューオープン情報をお届けします。話題の店がまたまたたくさん出来ていますのでいますので、順にご紹介していきますね。
今もっともホットな仕掛け人の新店——恵比寿「実朴」(7/20)
7月20日、恵比寿西に和食「実朴(みぼく)」がオープンします。奇をてらわず、素材と実直に向き合った丁寧な和食を、日本酒やクラシックなワインとともに気取らず堪能できるお店。7月1日から予約は開始しているようです。
何が注目かというと、手がけているのが今もっともホットな仕掛け人の一人、林亮治さんなんですね。「明寂」「桃仙閣」「一平飯店」、そして「寛心」など、多くの有名店をプロデュースしていて、今、他にもすごいレストランを準備中という噂もあります。
何より嬉しいのが、麻布十番の「寛心」と同様のスタイル。ちなみに寛心は、今発売中の「東京最高のレストラン2026」の巻頭の注目店として取り上げられています。その寛心と同じく、おまかせ3品3,500円というコースがあるんですよ。つまり、こちらを頼んだら、あとは好きなものを好きなだけ楽しんでください、というスタイルなんですね。ちなみに寛心も3品なんですが8,800円ですから、圧倒的に安い。そしてコースも15,000円。これはもう、いかにも恵比寿に合いそうなお店で、どうなるんでしょうか、楽しみです。
台北の行列店が日本初上陸——池袋「梁山泊小籠湯包」(7/31)
7月31日、ヨドバシ池袋の8階レストランフロアに小籠包専門店「梁山泊小籠湯包」がオープンです。台湾・台北で行列を作る名店が、日本に初上陸です。小籠包は注文を受けてから包んで蒸し上げて、その肉汁あふれる小籠湯包が看板メニュー。小籠包のスープの量がすごいらしいんですよ。果たしてこれをこぼさず飲み干せるのだろうか、という不安もありますけど。
ちなみに6月30日にオープンした話題の巨大なヨドバシカメラ、だいぶ楽しいらしいですね。
独立した実力派シェフのイタリアン——八丁堀「TRATTORIA Saida」(7/7)
7月7日、八丁堀にイタリア料理店「TRATTORIA Saida」がオープンします。中央区入船のビル1階で、夫婦二人で営むアットホームな小さなお店だそうです。
こちらは、二子玉川の高島屋にありました「代官山ASOチェレステ」のシェフだった才田光延さんの独立店になります。二子玉のお店は大変評判が良かったんですけれども、高島屋さんの都合で昨年末に閉店に。その後にひらまつグループを退職して準備をなさっていたということです。頑張ってほしいですね。コースのみになります。
「焼き鳥」を名乗る独創イタリアン——豪徳寺「焼き鳥 金兵衛」(6/23)
6月23日、豪徳寺に「焼き鳥 金兵衛」というお店がオープンしています。こちら、焼き鳥と名乗りながら、その実態はイタリアンの技法で焼き鳥・串を楽しむというお店です。
実は気になって、今晩予約してるんですけれども。もともと大分で営まれた方が、東京に進出です。一串ごとにソースを変えて提供するみたいで、ワインに合わせるのがお勧めということ。さらに、パスタも美味しいらしいんです。パスタのつくフルコースが7,000円で、ショートコースが5,000円。もちろんフルコースを予約いたしました。
入門編に最高の日本料理——関内「関内なむら」(7/6)
そして7月6日、来週ですね。横浜の関内に「関内なむら」という日本料理店がオープンします。若いご夫妻でやられていて、オープン前に試食に参加したんですけれども、ご主人の苗村彰俊さんは、神奈川唯一のミシュラン三つ星「幸庵」で修業を積んだ方で、神楽坂の「鮨大矢」にもいらしたそうですね。ちなみに鮨大矢のご主人は英語も堪能というか、海外にいらして、ビバリーヒルズ高校というすごい名前の高校を出ていて、学習院大学を卒業。私の同窓です。
で、奥様の梨乃さんも幸庵で働いていて、彼女はカナダに留学経験があり、英語が大変堪能です。何といっても、コースが16,500円ですからね。もう都内から考えると格安です。
内装も本当に素晴らしいんです。茶室や数寄屋建築で定評がある、有名な藤森工務店さんが手がけていまして——昨年「東京最高のレストラン2026」の注目店として取り上げている、鮨の「日本橋川口」さんもそうですね。その藤森工務店さんと2年ほどかけて話し合いを重ねた上で作られているので、隅々まで工夫が凝らされています。カウンターはもちろん、天井を見ても、壁を見ても、トイレに行っても、「こんなことしてるんだ」みたいなね。ぜひお店の方といろいろ会話してみてください。
お二人とも日本酒が大好きで、有名銘柄のペアリングがあったり、食材も神奈川のものにこだわっています。値段も含めて、日本料理の入門編というか、「日本料理を知ってみたいな」という方にとてもお勧めしたいお店です。気持ちの良いご夫妻と、空間と、料理とお酒があります。
ちなみにタイトルの画像はこちらの炊き込みご飯で、佐島のタコ、横浜のトウモロコシ、鎌倉のバジル、湘南のはるみ米というザ・神奈川な構成です。

YAOYAグループ、初の焼肉——「焼肉 Marcy 渋谷本店」(7/3)
続いて7月3日、YAOYAグループが——こちら4月に恵比寿に焼鳥の「EBISU YAOYA」を出したばかりなんですけれども——今度は渋谷に「焼肉 Marcy 渋谷本店」をオープンしています。おそらく焼肉業態は初めてなんじゃないですかね。とろけるサーロインなんていうメニューがありました。焼鳥の関係で、銘柄鶏の砂肝、せせり、モモといったものもあるみたいです。シャウエッセンなんかも書いてありました。このグループなので、創作料理も含めて楽しく飲み食いできる形になっているのでしょう。また人気が出るんじゃないでしょうか。
おにぎり天どんという新業態——お茶の水「おにどん」(7/7)
ちょっと気になっているのが、7月7日にお茶の水にオープンする「おにどん」という店です。こちら、「てんや」を展開するロイヤルグループの新業態で、おにぎり天どん専門店だそうです。エキュートエディション御茶ノ水内。おそらくてんやのメニューを生かしたオリジナルを出すんでしょうけれども、揚げたて・握りたてを提供、と書いてありました。揚げたての天ぷらを握ったら熱そうですよね。大丈夫なのかな。
どこもかしこも、おにぎりブームなので、どう特徴を出すかというところだと思うんですけれども、そんな中で戦うべく「おにぎり天どん」というものを開発したんでしょうね。お近くの方は、行ってみたら面白いんじゃないでしょうか。
レストラン好きが注目——虎ノ門「La Tradition」(6/27)
フレンチ好き、レストラン好きの中で注目を集めているのが、6月27日に虎ノ門にオープンした「ラ・トラディション」。こちらは、数々の名シェフを輩出した銀座レカンの8代目料理長だった栗田雄平さんの新店になります。
そして、タイユバン・ロブション——今のジョエル・ロブション、恵比寿のですね——その初代総支配人だった下野隆祥さんが監修で就任しています。ランチが13,200円と16,500円で、ディナーが22,000円。もちろん安くないんですけれども、このメンツの割にはすごく高いわけではないな、と。クラシカルフレンチをシェフの感性で再構築したメニューということなんですけれども、気になっております。
仲卸がつくるおむすび——渋谷「五代目 堺周」(6/13)
今ハマっているのが、6月13日に渋谷スクランブルスクエアの地下2階にオープンしました「五代目 堺周」というおむすび屋さんです。堺周というのは明治22年の創業でして。魚市場って、今は豊洲で、その前は築地。でもさらに前には日本橋にあったんです。その日本橋時代から続く老舗の仲卸、堺周商店さんがおむすびを手がけています。
すごく珍しい無添加の明太子のおむすびがあったり、無着色炙りたらこの発酵バターおにぎり、本マグロの濃天ステーキわさび醤油漬けなんていうのもあります。いかにも仲卸だからこそできるおにぎりを作ってるなと。ボリュームもすごくて、ぎっしり入ってるんですよ。美味しくてリピートしています。

老舗ステーキ、移転リニューアル——新橋「SUGITA Wagyu artisan」(6/12)
こちらは来週行く予定なんですけれども、6月12日に新橋にステーキ店「SUGITA Wagyu artisan」がオープンしています。これは1961年創業の老舗「レストラン スギタ」が移転して、新しく生まれ変わっています。10席だけのお店です。
黒毛和牛を扱う高級店として知られているんですけれども、今回は8,000円の洋食コースとか、16,500円のテイスティングコースというのも始められています。昼にはカレーもやっているみたいなんですけれども、やっぱり夜にこそ本領を発揮する店だと思うので、僕は16,500円のテイスティングコースを予約しています。行った方によると、ビーフシチューなんかも箸でも切れると絶賛されていました。大変楽しみです。
日本酒の新体験——神泉「無境 Sake & Beyond」(6/4)
とても良かったのが、6月4日に神泉にオープンした「無境 Sake & Beyond」。元「ナリサワ」のヘッドソムリエで、「鮨m」でも有名な木村好伸さん——今、日本を代表するソムリエの一人だと思うんですけれども——その木村さんが店主兼ソムリエを務めていて、「日本酒の表現をもっと広げたい」という思いで作ったお店です。
シェフは松澤俊介さんで、ピエール・ガニェール東京などで修業して、「ティエリー マルクス サロン」でシェフを務めた方です。ですから、去年オープンして「東京最高のレストラン2026」の注目店にも選ばれた、小伝馬町「シュヴァル」の小泉敦子さんの後輩にあたる方ですよね。
これはもう、ぜひペアリングコースにしていただきたいと思うほどで、料理も豊かな発想があって、そこに共鳴するように日本酒が「こんなことできるんだ」という仕掛けをたくさん見せてくれていて。日本酒好きでも体験したことのないようなマリアージュが楽しめると思います。例えば、新政No.6をあえてマイナス9度で管理して、その旨味の段階を追っていくとか。日本酒を使ったオリジナルカクテルもすごくて、真澄のスパークリングに富士山麓の樅(もみ)の香りをスプレーしたり、日本酒と抹茶とエルダーフラワーを合わせたりとか。香りと味で感覚を楽しむものがたくさんあって、メニューを見ているだけでも楽しい、「なんだろうこれ」みたいな。まずはコースのペアリングをぜひ推奨したいんですけれども、一杯飲みに行くことも可能ですので、訪れてみてはいかがでしょうか。

松屋銀座の中に、高級牛丼の松屋——銀座「松屋PREMIUM」(6/10)
単純に面白そうだと思っているのが、6月10日、松屋銀座にオープンした「松屋PREMIUM」。牛丼の松屋です。要は「松屋の中に松屋ができた」という風にかけているんでしょうけれど、松屋フーズが百貨店初の常設店を開いたという、高級牛めし店ですね。テイクアウトオンリーです。
一番人気が神戸牛の牛めし1,390円、松屋銀座限定のオリジナルブレンド。私も大好きなうまトマハンバーグは、ここでは「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」となっていて、1,681円。卵も違うようです。あと、これも有名な創業ビーフカレーは、牛肉たっぷり版の「創業ビーフRichカレー」1,050円に。そして神戸牛をかけて1,681円、というのもございます。初日は大人気だったみたいですけど、今どうなんでしょうか。やっぱり1回は買ってみてもいいかな、って微妙な値段ですよね。きっとそのうち買うと思います。
予約が取れないスパニッシュ——恵比寿「CHUSTO」(6/18)
そして6月18日、恵比寿にオープンしたスパニッシュバル「CHUSTO(チュスト)」。こちらは8年連続でミシュランのビブグルマンを獲得しています、代官山の「アロセリア・サル・イ・アモール」——いいお店ですね——などを展開している株式会社V&Kの新しいお店です。
良さそうで行こうと思ってるんですけど、なかなか予約が取れなくて。バスク料理なんですけど、炭火焼きのLボーンステーキですとか、パエリア、スペインワインを展開してて、店内も非常にスタイリッシュで、炭火焼き台が迫力があって活気があるお店だと評判です。
結局ね、Lボーンステーキを食べたいなと思うと、3〜4人ぐらいで行かないと、となかなか機会がなかったりするんですけど、よく考えたらスパニッシュバルなので、一人で行っても十分楽しめると思います。
鎌倉に、話題のフレンチ出身者——北鎌倉「心与」(6/1)
最後は、6月1日に北鎌倉に和食の「心与(みよ)」という店がオープンしています。西麻布で大変話題を呼んでいました「氣分」の元シェフ、ユーゴ・ペレ=ガリックスさんの新店です。鎌倉で和食といえば「鎌倉北じま」さんが有名ですけれども、それを超える値段だというお話も聞いておりますが。
シェフは「菊乃井」や「エスキス」で修業していた方でして、店舗は築100年の古民家。店名の文字は菊乃井の村田さんが書いているということです。サービスは、氣分で非常にいいサービスをしていた古本ゆきねさんが女将として入って活躍なさっていると。ユーゴさんの料理は非常に評価が高かったので、どうなっていくのか、こちらも注目です。
ということで、6月・7月とまたまた話題店がたくさん出来ていました。気になったところがありましたら、どうぞ皆様行ってみてください。この記事は、ポッドキャスト「オオキアツオの いま行くべき店、死ぬまでに行くべき店」の内容をもとにしています。音声版もぜひお聴きください。
なお、他に食べログマガジンで「大木淳夫の新店アドレス」というコラムを持っていまして、「6月の新店アドレス」も公開されています。紹介しているのはすべて私が実際に訪れたお店です。そちらもご覧ください。
