2月1日といえば・・・ 中学入試とプロ野球キャンプインと
2月1日といえば、首都圏の中学入試の日。凍える寒さの中、6年生の子どもたちが保護者に付き添われて受験する学校へと歩く姿や、緊張した面持ちで電車に乗っている親子の姿を目にする方も多いのではないでしょうか。
近年は入試の形態が多様になり、受験が必ずしも学校に入るために通らなければならない関門ではなくなったようです。私自身、受験にはあまりいい思い出がなく、回避できるものなら回避したい行事だと思っていました。
KIKUルームは地域柄、周辺にいくつもの中学、高校、大学があり、各学校の入試日には受験生の姿を目にすることがあります。受験票を手に校門へ向かう受験生はキリッとしたいい表情をしていて、見ていて清々しくなります。
試験の結果以前に、受験をするまでこぎつけることも決して簡単なことではないでしょう。傍観者的に過ぎるかもしれませんが、入試は受けること自体が一つの成果であり、人生の中で得難い経験だという視点もあって良いと思います。受験生になると決めた自分、今日までの紆余曲折を乗り越え試験会場に向かえること、そして周囲から「受験生」と呼ばれることに誇りを持って、胸を張って本番に挑んでほしいと思っています。
話は変わりまして、2月1日といえば、プロ野球12球団のキャンプインの日でもあります。今年のペナントレースはどうなるのか、今年はどんな選手が活躍するのか、ワクワクする季節でもあります。
昨年は、阪神タイガースが史上最速の9月7日にリーグ優勝を決めました。佐藤輝明選手がホームランを打った晩に、空に満月を眺め、甲子園の景色を思い浮かべながらジョギングをしていた時の満ち足りた気分は最高でした。1本のホームランで誰かを幸せな気持ちにできる仕事、その舞台裏での血の滲むような厳しいトレーニング、調子の波やファンの叱咤激励(心ないヤジ)にも折れない心、それらは私などの考えの及ばない世界であろうと思います。
そんな選手たちのプレースタイル、投球術や打撃理論、コンディションの作り方などは十人十色です。選手たちの野球に対する考え方、試合を見る視点、チームメイトやコーチ、監督との関係性、移籍やトレード、引退の決断など、メディアに溢れる情報から、選手の人生やパフォーマンスの舞台裏に思いを馳せるのも長年の私の楽しみの一つです。
昨年のタイガースは、各部門で抜群の成績を収めた選手、キャリアハイの記録でシーズンを終えた選手も多く、ヒーローに事欠かないチームでした。ところがこのチームの指揮をとっていた藤川監督の試合後のコメントというのは、実に淡々としていつもほとんど同じでした。それというのも、その試合での選手個人の活躍、良いプレー、悪いプレーに焦点を当てないからです。あくまでもチームは全体として戦っている、一つ一つのプレーは一個人ですることではなくて、流れの中で起きている、と繰り返していました。例えば監督インタビューで、打点を挙げたりホームランを打った選手の活躍に関するコメントを求められても、その選手を褒めたり、彼のパフォーマンスが勝利に結びついたとは言いません。試合の中でミスが出た時の談話でも、エラーした選手のことを問題にしたり、個人を断罪するのではなく、やはりチーム全体に問題があったという趣旨のコメントが印象的です。
もう一つ、藤川監督が口癖のように繰り返していたのは、「選手が健康な状態で試合に出られることが何より大事」ということでした。そのために、試合の中で選手を早めに交代させたり、スタメンの選手を休養させたり、1軍と2軍の入れ替えを積極的に行うなどの采配が随所に見られました。ひと昔前は、誰もが一目見たいと思うスター選手は全試合に出場するのが当然で、怪我や成績不振が生じた時にスタメンや一軍登録を外すというのが普通のことでしたので、これまでの常識とは一線を画す藤川監督のチーム運営に、戸惑いや物議を醸したこともありました。約半年間で143試合を戦う長期戦で勝ち星を重ねるために、選手とチームのコンディションを重視するブレない戦術だったと思います。
チームと選手の関係、個人のコンディションとパフォーマンスの関係はパラレル(アイソモルフィック)なものであると考えられるでしょう。藤川監督が、個人ではなくチーム、パフォーマンスではなくコンディションに目を光らせ、個人やパフォーマンス、時には勝敗にすら関心がないかのように振る舞っていたのは、興味深いことでした。
12球団の監督はそれぞれに個性があり、選手個人への対し方、チームの作り方にも独自の考え方があって、たいへんおもしろいです。今年もプロ野球を色々な観点で楽しみ、喜怒哀楽をバンバン出して応援したいと思います。
団子坂こころのカウンセリングルーム-KIKU-カウンセラー
臨床心理士 髙橋あすか
文京区千駄木にある心理相談室です。
「こころ」にまつわるお悩みやお困りごとがありましたらどうぞお気軽にご相談ください。
https://dango-kokoro.com
