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【短歌五十首】ごめんコーラがよかったよね

今年公表済みの短歌をいくつか抜粋しまとめました。



読み切れるはずない数の積読を鞄に詰めてバスに飛び乗り


積読が増えてくたびにまた一歩君の世界に近づく気がして


寝られない夜はラジオをそっとつけ夢で会うのを期待している


意地悪な人の割り箸が永遠に変な感じで割れますように


アイス出し食べんとす吾を布団へとひっぱっていく低気圧たち


偏頭痛売りつけていく低気圧転売できたら金持ちなのに


偏頭痛きみも同じと聞きましたただそれだけで悪くないかも


暗闇で刺す目薬は地図の上宝を探すハンターのよう


白黒の猫が窓へとダイブするガラスに阻まれ逃げゆく小鳥


猫の毛が舞って空気に溶けるよう心の澱(おり)も舞って溶けゆく


階段の1番上で寝転べばいつか猫が来るはずなんです


スウェットに爪立て登る猫押さえ「私のおやつだから。って、あぁ!!」


躊躇する大縄跳びを思い出すエスカレーターに乗せる右足


二割引き「いくらになるの?」コロッケよまあとりあえず安いし買うか


じゃがいもの角がぼやけて気配消すカレーを牛耳る影の主役へ


とりあえずビールと言える友と会い息つく暇なくアルコール浴び


唐揚げをパズルのように胃に入れて冷たい床に寝そべる幸せ


あと1枚もう1枚と食べ進め神隠しのごとくポテチは消えて


午前2時ぐるると唸る腹の夢カップ麺からプロポーズされ


赤リップ濃いめに塗った午後8時街のネオンが瞳に映って


汗をかきお風呂に入り汗をかきドライヤーでトドメを刺され


轟音で文句言えどもかき消され後ろの髪は今日も乾かぬ


コンビニの明かりにつられヤンキーのように居座る幼いカブト


午後3時涼しくなれと鳴く風鈴散歩行くにはちょっぴり早くて


靴底に挟まる石を取り除き長い旅路に思いを馳せる


スプーンで掬って口へ入れたなら眉間に皺を生みそうな雲


草むらの向こうでじっと見つめられ「いつ出てくるの?」問われるミョウガ


さるすべりほんとに猿は滑るのか待てど暮らせど実演はなく


学舎の窓から撫でるぬるい風大人の世界にどこか憧れ


ぼこぼこの心の穴を埋めたのは画面の先の文字たちでした


教師から借りた昔を懐かしみ自分で買ったサラダ記念日


空いた穴埋めるように本を読み埋まったのかは分からないまま


コンタクト買い替えるほど読み漁るあなたと同じ本読みたくて


少しでも君が短歌を詠めるよう「いいね」を少し強めに押して


恋文にするかどうかはあなた次第ベッドの上で書き込む5文字


恋文のつもりは全くないけれど恋文といえば恋文かもね


チューハイを一気飲みして好きだよと愛を呟くことしか無理で


恋をしたあなたのうたは眩しくてぐっと私は陰に隠れて


親指のネイルにハートのラメ乗せて想いよ届けと「いいね」を押した


「我ながら分かりやすい」と言う君のいいね欄見て笑ってたのに


他者の文引用してるnote読み君の文が好きだと気づく


文体の変化に気づき読む手止め私一人が過去に残され


携帯の文字は誰でも同じはずなのになぜだか君のはキレイで


体調が悪いと聞いて口走る私があなただったらいいのに


駅弁を選ぶ君の真剣さなんだかとても逞しく見え


君が言う「麦茶と牛乳合わせるとコーヒー牛乳」そんなわけ


約束をしていないのになんとなくただそれだけで君には会えて


副流煙だったらいいのにキンモクセイそしたらずっとあなたのそばに


伝えたい想いが喉に絡み合いずーんと重く鉄球となり


火傷して冷やす氷に謝罪する「ごめんコーラがよかったよね」

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