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なぜデザフェスの商品が「蝶の体験」である必要があったのか


デザフェスで、名刺とかフライヤーを沢山貰って、帰宅してから「この出展者だれだっけ……」と戦慄する定番の流れ。

イベントの醍醐味なのかもしれないが、
私が出展者である以上、
「名刺を貰ったはいいけど、この人どんな人だっけ?」ってなるのがすげぇ嫌だった。


名刺を渡して自己紹介した気になるんじゃなくて、
ちゃんと会話したり、経験を通して
私という存在を来た人に焼き付けたかった。
(これだけ聞くとただのメンヘラ過ぎる)

だから、あえて名刺は作らなかったし、
なんなら物も売らなかった────。

これは、初めてのデザフェスにおいて挑戦的な出展をし、大赤字を叩き出したにも関わらず、希望を持った女の戯言である。



2026年5月23,24日

デザインフェスタvol.63に『人類蝶化計画』というテーマを引っ提げ出展した。

内容はというと、
タフティングでデカい蝶の作り、
お客さんに背負ってもらう〝蝶体験〟を売るというものだ。


──ちょうどデザフェスの出場が決まった時期頃、


皮肉にも私は
「物作りは大好きだけど、物作りだけをしていて幸福感を得られるほど単純な人間ではない」
ということに薄々気付いていた。

その中で、
「私はどうしてクリエイティブをしているのか」
「私が物作りをして届けたいものとは何なんだ」
ということを深く掘り下げて考えていくうちに、

私のお客様にして欲しいことは「物の消費」だけではないな、ということに気付いた。


もちろん、物作りが一番自分のやりたいこと/出来ることである以上、購入という形を取って頂く必要はある。
デザフェス以外の機会で、購入して頂いたお客様には当然感謝の気持ちでいっぱいだ。


しかしながら、私が主催でもなく、
私を求めてくる訳でもない人がたっっっくさんいるこのお祭り会場で、
私1人が物の販売をしない実験をする価値は大いにあるだろうと考えたのだ。




一方で、どうしてもやってみたいことに
「蝶をたくさん作って標本のように飾りたい」
ということもあった。しかもデカいのを。
図鑑がそのまま飛び出したような展示ができたらどれだけ最高にファビュラスだろう…………

そこで、デザフェス当日は
「タフティングで人間サイズデカい蝶の作り、
お客さんに背負ってもらう〝蝶体験〟を売る」
という前代未聞の出展内容となった。

ただの興味で辿り着いたのではない、
むしろこれ以外の出展内容が思いつかないほど
私の中で考えに考えまくって筋を通した結果だ。


理由は大きく3つ。



①タフティングとはそもそも敷物を作る技法。
そのタフティングでの制作を売りにしているのにも関わらず、処女作が出来た途端から「踏みたくない、敷きたくない」と本気で思っている。


②制作したものに愛着が湧きすぎて、一度制作したものを一度の販売で終わらせるのが惜しいと思ってしまう。
(販売するものは最初から割り切って制作している
↑〝雑になる〟ということではない)

愛情込めて制作したものが、販売の枠に囚われず繰り返し価値を生み出す実験をしてみたかった。


③冒頭にも述べた「物ではなく経験を通して私という存在を来た人に焼き付けたかった」から。

あたかも自己顕示欲丸出しのようなこの文章、

もちろん2割は自己顕示欲ではあるが、
あとの8割は
〘インスタントな非日常の提供〙と
〘自分の殻を打ち破ることの提案〙だ。


「大人なのに羽根をまとう」なんて、
恥ずかしいに決まってんだよ。(私以外←)

でもちょっと待って?
昔は羽根に憧れたりしたじゃない。
じゃあ、いつならできる?どこならできる?
─ 子どもの頃ならできた気がする。
─ ディズニーランドならカチューシャ付けられる。


…つまり「自分の殻を打ち破る」方法の一つに
「童心に帰ること」があるのではないか
と私は考えたのだ。

そして、ちょっとした勇気が日常を非日常にし得るということにも気付いてほしい。

これはDangerousbabyのポリシー
「私たちは大人じゃない、うっかり大きくなった赤ちゃんだ。」
にも通じている。





手っ取り早く童心に帰るには
「子どもの頃に憧れたことを大人の自分でやってみること」
という自分ながらの最適解を導き出した。


今回の「蝶体験」は、まさにそこにダイレクトにアプローチした内容である。


とはいえ、
あまりにも前例がないこの出展内容。
そして、抵抗があって当たり前なこの体験。

正直、売上はゼロも覚悟していた。



2日間を通して得た大きな感想としては
「興味を持つ人と持たない人がはっきりと分かれたな」ということ、

そして「興味を持ってくれた人はもれなくおもろい(気が合う)」ということ。

賛否両論とまではいかなかったものの、
ストロング展示スタイルは
むしろ見る人をふるいにかけ、

余計な接客の労力を使わずに済むと同時に
興味を持ってくれる人と真摯に向き合うことができる画期的な役割を果たしてくれたのであった。


………唯一ちゃんと浴びた“否”の言葉といえば、
デザフェス開場10分でパネルを見るや否や
「体験だけで1,000円!?高えな!!」と声高らかに文句を言って過ぎ去ったクソジジイくらい。

特別にタダで体験させてあげれば喜んでくれたかな、ジジィ割で。





言わずもがな、出展料やパネルレンタル料、交通費や材料費を考えたら大〜~赤字ではあった。


でもそれ以上に
一人でも私の思想や試みに共感してくれた人が居たこと。
そして、勇気を持って実践してくれた人が居たこと。

この2点が、私にとって何よりも大切な宝になった。


この、あまりにもニッチな人たちに向けて
私はこれからも価値提供をしていきたい。
本気で今はそう思っている。


しかしながら、
名刺がないのは何かと不便だったので、
早く名刺を作らなきゃな〜となったのが
私がこの日を通して大きく変わった心情。


思想や拘りは大事だが、頑固すぎても置いていかれるだけだからほどほどに柔軟に生きていきたいね。



名刺代わりに作ったQRコードラグが大好評すぎて
みんなスマホかざしてた(狙い通り😏)
2日目のオープン時
蝶がリバーシブルのためブースのイメチェンも容易
さすがに情報なさすぎたので壁に色々書いた
最初はまっっさらな黒壁だった
デザフェスの壁の規定厳しくて
持ち込み諦めて大人しく借りた
リース代22,000円
旦那氏が何もかも手伝ってくれた
一人では何もできないのではないだろうか
ブース解体の様子
2日間重さに耐えてくれてありがとう壁!!!
(規定の重さ多分越えてた)


なお、次回のデザフェスは出場しませぬ。
お客さんとして遊びに行けたらいいな〜





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