樋口和貞の話
樋口さんが引退を発表しました。
話は少し前から聞いていました。
ただ、周年の大会が終わるまでは、ということでこのタイミングになったようです。
樋口さんらしいとしか言えません。
ちょっと思い出を語りましょうか。
ある時、DDTに大量に練習生が入った時期があります。
10年ちょっと前でしょうか。
その中で
樋口和貞、中津良太、梅田公太、岩崎孝樹
という、明らかに有望な4人が練習生として入ってきました。
ああ、こいつらが将来DDTを背負って立つんだな。
そう思っていました。
ですが、人生は色々あるもので。
自分ひとりの人生でもそうなのに、多くの人の人生が交わり続けることなんてそうそう無いんですよね。
この4人のうち3人はDDTを離れることになりました。
理由は様々です。
そして、DDTに残ったのが樋口さんでした。
私は昔よく「DDTは樋口待ち」だと言っていました。
ひょっとしたら、過去のnote記事でもそれに言及したことがあるかもしれません。
樋口の時代が来たら、DDTは本当の意味で覚醒する。
そう信じていました。
そして時は来て、樋口さんはDDTを背負いました。
ですが、私がイメージしていたシチュエーションとは少し違いました。
DDTが揺らいだ時。
DDTが「強さ」を証明しなければならなかった時。
そこにいたのは樋口和貞でした。
よくDDTは「楽しい部分」がクローズアップされます。
「DDTはふざけている」と思われることが多いです。
最近もそう言われることがあったね。
でも、それは正しいんです。
確かにふざけています。
ただね、私に言わせれば。
人間の強さにも色々あるでしょ?って話なんですよ。
そこはちょくちょく言及してますけども。
世の中を通して、昔よりも表現の幅が広くなった。
プロレスだけじゃないです。
音楽もそうだし、野球もサッカーも全部そうです。
いわゆるコンプライアンス的なもので出口は狭くなってる一面もありますが。
価値観を含めた表現方法だけで言えば、昔よりも選択肢は多くなっています。
その中で、みんなが目指す強さだけを求めても仕方がない。
幅を広げないと、大手には勝てない。
そう思って私は違う強さを求めて戦ってきました。
そんなふざけたDDTに、樋口さんがいる。
これがどれだけ他の強さを表現する時に心の支えになったことか。
私の中で、かつてHARASHIMAさんが担ったものに似ています。
樋口さんがいるから、DDTはふざけられていた。
樋口さんは、DDTを愛しています。
私が運がよかったな、と思う部分に
「DDTで強さを担ってくれる人こそ、ふざけたプロレスに対して敬意を示してくれる」
というのがあります。
それこそHARASHIMAさんもそうでしたし、征夫ちゃんもそうでした。
後輩で言うと、樋口さんも竹下さんもそう。
今で言うと、準ちゃんも真也ちゃんもそうですね。
その全部がDDTなんですよ。
インディ団体としては、特殊なものというかやっぱりふざけたプロレスの方がクローズアップされます。
ですが、DDTは色々な強さが内包されてるんです。
で数年前に、運悪く「DDTに強さは無いんじゃないか?」と思われてしまう事件が起こりました。
DDTにその強さもあることを知る人は知っています。
ですが、DDTをふざけた団体だとしか思っていない人が
「やっぱりね」
と言えてしまうような事態になってしまいました。
その時に樋口さんがDDTの最前線に立ったわけです。
これがどれだけ誇らしく、頼もしかったことか。
DDTに入門して、同期を始めとした多くの別れを経て。
もちろん多くの出会いもありながら。
あの時の明らかに有望な練習生は、「DDTの誇り」という筋を一本立てました。
ここで私は自画自賛します。
「DDTは樋口待ち」
正しかったでしょ?
今、ぶっちゃけDDTは調子が良いです。観客動員的に。
それは色々要因があります。
樋口さんが直接影響を与えているかはわかりません。
でもね。
ここ数年、内的な部分で樋口さんが担っていたものは大きかった。
誇り。強さ。
樋口さんは器用だけど、同時に不器用な人間です。
誰かを動かすのではなく、自分が人一倍動けばいいというタイプ。
寡黙に。ただ黙々と。
なんでだろうなぁ。
私は馬鹿だから、やっぱりいなくなるとわかってから気づく。
ふざけているDDTは、樋口さんに支えられていたんだ。
縁の下の力持ちって言うじゃん。
あれ、樋口さんのことだ。
ここからが今日の記事の本題です。
4月5日、後楽園ホール。
DDTで生まれてDDTで生き抜きDDTを支え、そしてDDTを守った男が引退します。
もしできる事なら。
会場で、直接見届けて欲しいです。
本人はきっとそういうこと言わないから。
この期に及んでも「自分なんかが」みたいなこと言いそうで。
そんなシレっとやめさせるもんかよ。
君はもう、DDTの守護神なんだから。
三国志で言う関羽的な。
なので、もしこれを読んだ人に無理を言ってもいい権利が私にあるならば。
ここで使わせてください。
4月5日、ちょっとだけ無理して会場に来てください。
もう試合はできない樋口さんを、送り出してください。
よろしくお願いいたします。
今日の記事はこんな感じです。
ここからは、私の独り言みたいなもんです。
世の中に向けて書いといてアレですが、ちょっと見られたくない、まであります。
と同時に読んで欲しい気も。
結局は書いときたい気持ちが上回って書いています。
もし気が向くならば。
是非読んでみてください。
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