「いつまでゲームやってるの!」は逆効果。切り替えのための「予告」と正しい「強制終了」の仕方
「宿題やるって言ったのに、
ずっとスマホ見てるじゃない!」
「いつまでゲームやってるの!
やる気あるの!?」
毎日毎日、
終わりのないゲームやYouTubeとの攻防戦。
何度言っても画面から目を離さない我が子に、
イライラも限界・・・。
幸い我が家は、
あまりゲームに夢中になるタイプではありませんでしたが、
現在運営している事業所では
親御さんの悩みの上位を占めます。
「このままじゃ、ゲーム依存症になっちゃう…」
「自分で時間を守れる子になってほしいのに…」
その親心、痛いほど分かります。
でも、彼ら(特にADHD・ASDタイプ)に、
「やる気あるの?」と問い詰めたり、
「自分でやめなさい!」と突き放したりするのは、
百害あって一利なしのNG対応です。
今日は、元教員であり、
福祉現場で日々子どもたちと向き合っている
私が実践する、
「ゲーム・スマホからのスムーズな切り替え術」を
翻訳します。
育児書のきれいごとは捨てて、
今日から使える仕組みの話ですので、
ぜひ最後までお付き合いください。
1. 「やる気あるの?」が全く無意味な理由
「やる気あるの?」と怒鳴られたとき、
ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つ子の
頭の中はどうなっていると思いますか?
客観的に言うと、
彼らに「(今すぐ宿題を始める)やる気」はありません 。
正確には、
「やらなきゃいけないことは分かっているし、
やる意思もある。
でも、目の前の楽しいこと(ゲーム)から
意識を引き剥がして、
面倒なこと(宿題)へ切り替えるための
『脳のエンジン(勢い)』がどうしてもかからない」
という状態なのです 。
自分でエンジンをつけたり、
ブレーキをかけたりするのが
極端に苦手なのが、ADHDの特性です。
そんな状態の時に、
「やる気あるの?」と精神論で責められるとどうなるか。
「やろうと思ってるのにできない自分」を責めて
自己肯定感が下がったり、
怒られるのを回避するために
「やるやる!」と
その場しのぎの嘘をついたりするようになります 。
結果的に、
「やる気あるの?」という言葉は、
子どもを動かすどころか、
余計に動けなくさせることになってしまうのです。
2. パニックを防ぐ「予測可能性(予告)」の技術
では、どうやってゲームをやめさせればいいのか。
まず絶対にやってはいけないのが、
「時間だからやめなさい!」と
いきなり取り上げることです。
特にASD(自閉スペクトラム症)傾向のある子にとって、
事前の予告なしに
自分の世界(集中していること)を
強制終了させられるのは、
強烈なパニックの引き金になります。
彼らに必要なのは、「予測可能性(見通し)」です 。
「あと5分ね」という言葉の約束は、
時間の感覚が掴みにくい彼らにはあまり効果がありません。
そこで活躍するのが、
タイマーや砂時計です 。
「この砂時計の砂が全部下に落ちたら
(タイマーが鳴ったら)、
ゲームはおしまいね」 。
このように「終わるタイミング」を
目で見える形(視覚的)にしておくことで、
「あ、もうすぐ終わるんだな」と心の準備ができ、
切り替えのハードルがグッと下がります 。
想像以上に視覚化は重要です。
タイムタイマーなどのツールもありますが、
特に砂時計は現場での実践で、かなりの効果を感じています。
3. 【重要】親が「強制終了」を手伝っていい
砂時計で予告をしても、
やっぱり自分ではゲーム機を置けない。
そんなとき、多くの親は
「自分でやめる約束でしょ! 自分で消しなさい!」と
突き放してしまいます。
でも、考えてみてください。
大人でさえ、SNSの無限スクロールを
自力でやめるのは至難の業です。
脳のブレーキ機能が発達途中の彼らが、
自力でゲームという
最強のドーパミン発生装置を断ち切るのは、
私たちが想像する以上にハードルが高いのです。
だから、「親が強制終了を手伝ってあげる」のが大正解です。
〇 だんパパ流・声かけ:
「やらなきゃいけないのは分かってるんだよね。
でも、なかなかやめられないよね。
じゃあ、お父さんが手伝うから、
一旦ゲーム消してもいい?」
「自分でコントロールできないなら、
他の人に助けを求めて止めてもらう」 。
実は、この「人に頼る(SOSを出す)練習」を
小さいうちにさせておくことの方が、
「無理やり自分でやめさせる」ことよりも、
将来の自立に向けて圧倒的に役立ちます 。
【最後に】コントロールできなくて当たり前
「自分で時間を守れるようになってほしい」という
親の願いは痛いほどわかります。
でも、それができないからこそ
「障害(特性)」と呼ばれ、
子ども自身も苦しんでいるのです。
「気合い」や「やる気」で
なんとかさせようとするのは、もう終わりにしましょう。
「やる気あるの?」と責めない。
砂時計やタイマーで
「終わりのルール」を視覚化する。自力でやめられない時は、
「手伝うよ」と親が強制終了のボタンを押す。
子どもを責めるのではなく、
この「システム(仕組み)」で解決すこと、
親が「手伝っていいんだ」と肩の力を抜くことで、
毎日の不毛なバトルは驚くほど減っていきますよ。
今日から、スマホやゲームの横に、
タイマーか砂時計をそっと置いてみてくださいね。
