【文化財紹介】大正時代に弁護士さんが建てたビル ~大江ビルヂング~
【2025年1月1日/大阪歴史倶楽部】
皆さま。あけましておめでとうございます。
大阪歴史倶楽部です。今月は大阪市北区にあります、大正時代にとある1人の弁護士さんが建てたと伝えられている大きなビルをご紹介いたします。
大江ビルヂング
今回ご紹介する大江ビルヂングは、1921(大正10)年に建てられました。大阪で最初に建てられた全館貸室形態のオフィスビルだとされています。
この大江ビルヂングは、おもに多数の弁護士さんの法律事務所の入居を見込んで開業しました。
開業当初は地下に食堂、理髪店、貸金庫など、2階には売店や写真現像のための暗室など、3~5階には貸事務所、そして1階中央部の吹き抜けのホールにはビリヤード台やバーカウンターなどを設け、ホテルのような豪華な充実したサービスを提供していたと伝わっています。
外観の写真
以下は大江ビルヂングの外観の写真です(2024年12月 大阪歴史倶楽部 撮影)。






建物の特徴
大江ビルヂングは、鉄筋コンクリート造り地上5階、地下1階建てです。一見石造りのように見えますが、鉄筋コンクリート造りです。
大正時代の当時としてはたいへん大きなビルであったと思われます。建物は南東角部分に正面玄関を設け、全体的にはシンプルなスタイルですが、外壁には他に例がないような独特の(和洋折衷のような)様々な意匠が施されています。
また、とても印象的な玄関の巨大な吊り庇は、重厚なブロンズ製とのことです。
大江ビルヂングへの行き方
大江ビルヂングへは、大阪メトロ御堂筋線または京阪電車の「淀屋橋」駅1号出口から北東へ約400m(徒歩約5分)、大阪メトロ堺筋線または京阪電車の「北浜」駅26号出口からは北西へ約800m(徒歩約10分)です。
【文化財データ】
大江ビルヂング
大阪市北区西天満2丁目8-1
1921(大正10)年 竣工
設計:葛野壮一郎
鉄筋コンクリート造、地上5階、地下1階建
写真:2024年12月 大阪歴史倶楽部 撮影
おわりに
今回ご紹介いたしました大江ビルヂングは、建てられてから100年以上が経過していますが現在も弁護士さんの法律事務所が多数入居されているテナントオフィスビルとして現役で使われています。
しかしこのビルの建築の経緯などについての資料は非常に乏しく、分からないことが多いのが現状です。
このビルは大阪控訴院(現在の大阪地方・高等裁判所)から西へ徒歩3分ほどのところにあり、その立地を活かして大江という名の弁護士さんが建てたビルだと一部では伝えられています。
この大江弁護士については、大阪歴史倶楽部が3年ほど前から機会をみて少しずつ調べて参ったのですが、いまだ詳しいことはよく分かっていません。
もしかしたら「大江ビルヂング」という名称は、弁護士さんの名前ではなくて、すぐ近くにある(堂島川に架かる)大江橋の名に由来している可能性もあるのではないかと思います。

なお、大江ビルヂングの建物は基本的に関係者以外立入禁止で、建物内部の写真撮影は厳禁となっています(玄関内部に守衛所があり守衛さんが常駐しておられます)。
ですからこの建物を見学したり写真や動画などを撮影されるときには、建物の敷地外からお願いいたします。そして大江ビルヂングの関係者の人たちや周辺の方々に不快感を与えたりご迷惑にならないよう充分なご配慮をお願いいたします。
また、許可なくビルの内部やビルの敷地内、近隣の他の人の敷地内には入ったりしないようお願いいたします。
今回は大江ビルヂングの守衛さんの許可を得て、ビルの外観の写真をたくさん撮影させていただきました。末筆ながらここに記して感謝の意を表します。ありがとうございました。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
【参考にした資料】
◎高岡伸一 他『大大阪モダン建築』青幻社 2007年
(『大阪歴史倶楽部』第4巻 第1号 通巻32号 2025年1月1日)
©2025 大阪歴史倶楽部 (Osaka Historical Club)
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※次号は2025年2月1日に投稿する予定です。
《次号予告》
【文化財紹介】
(内容未定)
いつものように近代の文化財をご紹介させていただきたいと考えています。
