【確定した未来】2040年、大学進学者が「13万人」消滅する。デスゲームを生き残るための唯一のマーケティング戦略
大学業界の片隅で、未来の生存戦略を描く営業マンだ。
大学の入試広報やマーケティングに携わっていると、必ずと言っていいほど「少子化」の話題になる。
「18歳人口が減っているから大変ですよね」
「でも、大学への進学率が上がれば、なんとかなるんじゃないですか?」
そんな希望的観測を耳にすることがある。
しかし、現場の最前線で日々データと向き合っている私からすると、その認識は甘すぎると言わざるを得ない。
残酷な事実を一つお伝えしよう。
◆ 誰も直視したがらない「確定した未来」
「2040年に大学を受験する18歳は、2022年に生まれた子供たちである」
2022年の出生数は約77万人で【すでに確定】している。これからどれだけ画期的な少子化対策が行われようと、タイムマシンがない限り、2040年の受験生の数は1人も増えない。
現在約110万人いる18歳人口は、2030年頃までは約100万人でなんとか踏みとどまる。しかし、2035年に「100万人の壁」が完全に崩壊し、その後は釣瓶落としのように急落する。
2040年には**「約82万人」**になることが分かっている。これは予測ではなく、確定した「死のロードマップ」なのだ。
◆ 「進学率がカバーしてくれる」という幻想
「人口が減っても、大学に行く人の割合(進学率)が増えれば大丈夫なのでは?」
そう思いたい気持ちも分かる。しかし、日本の大学進学率は現在約60%前後で**「完全に頭打ち」**になっている。
残り40%の高校生は、経済的な事情や、専門学校(美容・調理など)への進学、あるいは就職を明確に選択している層だ。すでに「行きたい人は誰でも行ける(全入時代)」に突入している今、ここから進学率が70%、80%と劇的に上がる余地はない。文部科学省も「進学率は今後横ばい」という前提で推計を出している。
では、「18歳人口の激減」×「進学率の頭打ち」の掛け算が何を意味するのか。
現在の大学進学者数は約63万人。
それが2040年には、約50万人になる。
つまり、**市場から【13万人の進学者が蒸発する】**のだ。
13万人という数字は、定員5,000人規模の中堅大学が「26校まるごと消滅する」のと同じインパクトである。小規模校に換算すれば、数百校が消し飛ぶ計算になる。
現在でも私立大学の半数以上が定員割れを起こしている中、これから始まるのは**「減りゆく50万人のパイを奪い合う、血みどろの椅子取りゲーム」**なのである。
◆ 「とりあえず文系」が通用しなくなる、国策というゲームチェンジ
さらに、大学を追い詰める要因がもう一つある。それが**「国策(理系・デジタルシフト)」**だ。
国は今、日本の国際競争力を維持するために、理系学生の割合を現在の35%から「50%」へ引き上げようとしている。莫大な補助金が「情報系」「データサイエンス系」の学部新設・改組へと流れ込んでいる。
つまり、「とりあえず有名な文系大学に入っておけば安心」という従来の価値観から、国も、企業も、そして高校生自身も脱却し始めているのだ。
特に「女子大」や「純文系」の大学は、このトレンドに取り残されれば、2031年頃には深刻な淘汰の波に飲み込まれると言われている。
今のZ世代(高校生)は、非常にシビアだ。
漠然としたブランド(見栄)よりも、**「就職に強いか」「AI時代に生き残るための武器(国家資格やデータサイエンスのスキル)が手に入るか」といった【実利(タイパ・コスパ)】**を求めている。
◆ 生き残る大学の条件と、マーケティングの役割
では、この絶望的な状況下で、大学はどう生き残ればいいのか?
答えはシンプルだ。
大学のアイデンティティ(存在意義)を、現代の高校生が求める「実利・キャリア」に結びつくように再定義(リブランディング)することだ。
• 「家政婦の延長」と思われがちな大学が、実は心理やメディアのプロを育てる**【実学の要塞】**であることを強烈にアピールする。
• のどかな地方キャンパスでの学びをあえて**「修行」**と名付け、国家試験に強い環境であることを逆手に取る。
• 伝統的な文系女子大が、**「文系×データサイエンス」**という新たな武器で就職率99%を叩き出している事実を伝える。
こうした「大学の本当の価値」を、ただパンフレットに載せて待っているだけでは誰も気づいてくれない。だからこそ、我々のようなデジタルマーケティングの力が必要なのだ。
◆ 結論:「温度を高めてから」接触せよ
これからの大学広報は、「とりあえずバナー広告をばら撒いて資料請求を集める(点)」だけでは通用しない。
動画やSNS、記事コンテンツを駆使して、高校生のスマホのど真ん中に**「この大学に行けば、自分の人生はどう良くなるのか」**というストーリーを突きつける。そして、十分に温度感を高め、熱狂させた上で、オープンキャンパスや出願へと伴走する(線)。
「接触してから温度感を高める時代」から、**「温度感を高めた上で接触させる時代」**へ。
13万人が蒸発する確定した未来の中で、ただ悲観するのではなく、大学が持つ素晴らしい「教育」という資産を、正しく、そして力強く世の中に届ける。それこそが、これからの教育マーケティングの使命だと私は信じている。
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