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Microsoft Teamsのトランシーバーで使えるイヤホンマイクを探してみた

ここ数ヶ月、以前書いたMicrosoft Teamsのトランシーバー機能(Walkie Talkie)についての記事が、アクセス数の上位にずっと入っています。

Teamsのトランシーバー機能に興味を持つ人が増えているのかもしれません。

そんな中、宿泊業のお客様からMicrosoft Teamsのトランシーバーアプリを業務で活用できないか、という相談をいただきました。

ホテルの中では、フロント、清掃、設備、レストランなど、離れた場所にいるスタッフ同士がすぐに連絡を取りたい場面がたくさんあります。

専用の無線機を新たに用意するのではなく、スマートフォンとMicrosoft Teamsでそれができるのであれば、活用できる場面は多そうです。

そこで具体的な運用方法を考えていたのですが、はたと困ったことがありました。

イヤホンマイク、何を使えばいいんだろう?

まずTeamsのトランシーバーとは

Microsoft Teamsには「トランシーバー」という機能があります。

画面に表示されているボタンを押している間だけ自分の声を送信し、離すと受信側に戻る仕組みです。

この操作をPTT、Push To Talkと呼びます。

一般的な無線機の「送信ボタンを押しながら喋る」のと同じです。

スマートフォンだけでも利用できますが、実際の業務では少々使いにくい場面があります。

喋るたびにスマートフォンを取り出して、画面を見ながらPTTボタンを押さなければならないからです。

ホテルのスタッフであれば、荷物を運んでいたり、清掃をしていたり、お客様への対応中だったりします。

できればスマートフォンを触らず、イヤホンマイク側のボタンだけで送信したいところです。

また、スマートフォンのスピーカーから相手の声を流してしまうと、周囲にも会話内容が聞こえてしまいます。

その意味でもイヤホンマイクは欲しくなります。

普通のイヤホンマイクのボタンはPTTになるのか

一般的なイヤホンマイクには、再生や通話操作などに使うボタンが付いているものがあります。

これを見れば、

「このボタンをPTTとして使えるのでは?」

と思います。

ところが、これがそう簡単ではありません。

MicrosoftではAndroid端末についてイヤホンマイクなどのボタンをトランシーバー操作に利用できる旨を案内しています。

ただ、私もいくつかのAndroid端末と一般的なイヤホンマイクの組み合わせを試していますが、現時点ではイヤホンマイクのボタンをPTTとして利用することに成功した例がありません。

イヤホンから相手の声を聞くことはできますし、マイクとしても使えます。

問題はボタンです。

Microsoftが対応を案内している以上、動作する条件や組み合わせはあるはずなので、ここについては引き続きいろいろ試してみようと思っています。

ただし現時点では、

「Androidなら普通のイヤホンマイクを買えばPTTとして使える」

と期待して機材を揃えるのは、あまりお勧めできません。

iPhoneについても、一般的なイヤホンマイクのボタンをPTTとして簡単に利用できるものとは考えない方がよさそうです。

確実にPTTを使うなら専用品

では、確実にPTTボタンを使いたい場合はどうするのか。

MicrosoftではTeamsのトランシーバー機能に対応する機器をいくつか案内しています。

その中で、日本国内でも比較的入手しやすいのが、

Jabra Perform 45

というBluetoothイヤホンマイクです。

この製品はTeamsだけでなく、他のトランシーバーアプリでも対応機器としてよく名前が挙がります。

本体にPTT用のボタンが付いていて、そのボタンを押している間だけ送信できます。

私の実機検証でも、Perform 45のPTTボタンを使ったTeamsでの通信には成功しました。

これならスマートフォンを取り出さなくても、耳に装着したヘッドセットのボタンだけで会話できます。

使い勝手としては、かなり普通のトランシーバーに近くなります。

Perform 45にも少し癖がある

ただし、Perform 45であれば接続するだけですぐ使える、というわけでもありませんでした。

実機検証では、Bluetoothのペアリング自体は正常に完了しているにもかかわらず、Teams側でPTTデバイスとして認識されない状態が、かなり高い再現性で発生しています。

幸い、認識しているかどうかはTeamsの画面を見るとすぐに分かります。

通常はトランシーバー画面にマイクのボタンが表示されています。

Perform 45がPTTデバイスとして正しく認識されると、このマイクの絵がヘッドセットの絵に変わります。

Bluetoothでは接続されているのにマイクの絵のままであれば、音声デバイスとしては接続されていても、PTTデバイスとしては認識されていません。

今回試している環境では、Perform 45の電源を何度か入れ直すことで認識されることが多く、いったん認識してしまえばPTT通信そのものは正常に動作しています。

「Bluetooth接続できている」ことと、「TeamsがPTTデバイスとして認識している」ことは別、と考えた方がよさそうです。

このあたりは、実際に導入するスマートフォンとの組み合わせで事前に確認しておいた方が安心です。

そして少々高い

もうひとつの問題は価格です。

Jabra Perform 45は、実売価格で15,000円前後します。

一人分であればそれほど大きな金額ではないかもしれませんが、ホテルなどでスタッフ10人、20人と配布することを考えると、決して小さな費用ではありません。

Microsoftが案内している他の対応製品もありますが、日本国内では通常販売されていないものが多いようで、入手性まで考えるとなかなか選択肢がありません。

その意味でも、現在のところPerform 45が現実的な候補になっています。

トランシーバーを使う全員にTeamsライセンスは必要?

実際の業務導入を考えると、もうひとつ気になるのがライセンスです。

スタッフ全員分のTeamsライセンスが必要なのであれば、人数の多い現場ではランニングコストも無視できません。

Teamsのトランシーバーを利用するには、まずTeams上にトランシーバーで使用するチームを用意する必要があります。

そのため、少なくともチームを作成・管理する側にはTeamsを利用できるライセンスが必要と考えた方がよさそうです。

一方、自社内でテストしたところ、Teamsライセンスを持っていないゲストユーザーをそのチームに招待し、そのゲストユーザーからトランシーバーを使って通信できることを確認しました。

つまり、今回の検証環境では、

トランシーバーを使うスタッフ全員分のTeamsライセンスが必要、というわけではありませんでした。

管理する側はMicrosoft 365を利用しているものの、現場スタッフ全員には個別のMicrosoft 365ライセンスを割り当てていないような環境では、これは導入を考えるうえでかなり大きなポイントになりそうです。

ただし、このゲスト利用についてはMicrosoftの仕様として断定するのではなく、現時点で自社環境において実際に動作を確認できた結果として紹介しておきます。

以前よりiPhoneでの動作は安定してきた

以前Teamsのトランシーバーについて書いた時には、iPhoneでアプリをバックグラウンドにしたり、端末をスリープさせたりすると、その後の復帰が不安定になることを書きました。

ところが最近あらためて試してみると、この点はかなり改善されているようです。

現在の環境では、iPhoneをスリープ状態にしていても、トランシーバーの通信が入ると復帰して利用できることを確認しています。

Teamsアプリ側の改善なのか、iOS側の変更なのかまでは切り分けていませんが、少なくとも以前の記事を書いた時よりも、実用性は上がっていると感じます。

一方で、イヤホンマイク側のボタンをPTTとして使えるかどうかは別の話です。

スマートフォン単体でのトランシーバー動作は改善してきましたが、実際の現場で使いやすくするための周辺機器選びには、まだ少し難しさがあります。

現時点での結論

いろいろ試した現時点での結論は、かなりシンプルです。

一般的なイヤホンマイクについては、まずは相手の声を聞く、自分の声を伝えるためのものとして考える。

イヤホンマイク側のボタンまでPTTとして使えることを期待するのであれば、実際のスマートフォンとの組み合わせで動作確認が必要です。

そして、

確実にPTTボタンを使いたいのであれば、現状ではJabra Perform 45が現実的な選択肢。

ただしPerform 45でも、Teams側でPTTデバイスとして認識されないことがあります。

その場合は画面上のマイクアイコンがヘッドセットの絵に変わっているかを確認し、認識されていなければヘッドセットの電源を入れ直すなどの対処が必要になります。

また、自社内の検証ではTeamsライセンスを持たないゲストユーザーでもトランシーバー通信ができました。

Teamsのトランシーバーは、既存のMicrosoft 365環境とスマートフォンを活用できるという意味では面白い仕組みです。

一方で、

「Teamsでトランシーバーが使える」

というところから、

「実際の現場でストレスなく使える」

ところまで持っていこうとすると、イヤホンマイクや端末との組み合わせなど、確認しなければならないことがいくつかあります。

公式に対応していることと、現場で何も考えずに使えることの間には、やはり少し距離があります。

一般的なイヤホンマイクでPTTを使える組み合わせについては、まだ試してみたいものがあります。

うまく動作する組み合わせが見つかったら、また続きを書いてみようと思います。


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