魔法使いウィズ作者、楠本裕樹氏・ゲーム版ガルフォースも担当
誰にも忘れられない特別の一本があると思います。今回は僕にとって忘れじのゲームの作者に、38年の時を経てたどり着いたというお話です。

追加記事 この投稿の半年後、楠本氏と関係のあるという方から「お亡くなりになった」という書き込みを頂きました。(ただし正確な情報なのかは解りません、その点はご了解ください)
あまりの衝撃にどうしても悲しみを抑えられません。もし楠本裕樹氏をお知りになっていた方がネット検索でこの投稿に辿り着いたのなら、楠本氏の偉大なる足跡を知って頂けたらと切に思います。そして、もしよろしければ情報の拡散をお願いいたします🙇
2025年9月1日 サイボーグMSX

サイボーグMSXのおすすめマークほい!
グラフィック ★★★★
ゲームシステム ★★★★
操作性 ★★★★
BGM ★★★★
想い出度 ★★★★★
豆知識🥰最強の敵はロケットパンチ
❶魔法使いウィズ創作秘話

魔法使いウィズは僕が初めてお小遣いを貯めて買ったゲームです。1986年前期は魔城伝説やイーガー皇帝の逆襲などコナミのMSX名作が次々と発売されていました。しかしMSXの友人達が皆こぞって購入していたので、どうせ貸して貰えると踏んでいたのです。テクザーやキャッスルなども名作でしたが、ファミコン版を友達の家でプレイしていたので、どうしてもMSXのオリジナルタイトルが欲しかったのでした。
そんな訳でソニーのショールームで散々に遊び倒した後「これならいける!」と購入を決定。丁度MSXゲームの転換点であるメガロム第一弾グラディウスが発売される少し前の光景です。


ウィズはの原作はセイブ開発のアーケード版でした。僕も後にプレイしましたが全然別のゲームと言う印象です。AC版は基本的に一本道の横スクロールアクションで、美しい背景や多数のキャラクタ、そして可愛い演出を楽しむゲームです。
しかしMSX1ではとても再現できない内容でした。しかしMSX版はその制約を逆手に取り、地上・地下迷宮・天空と全く違うゲームが展開されていきます。


またお姫様を救うというストーリーが設定され、ようやく天空の城に辿り着いてご対面になると思ったら・・・とんでもないどんでん返しが待っていたりします。このように少ない32KBの中に魔法と冒険が詰まったMSX1の古典的名作です。

しかしこの時期はMSXにも多くの名作が発売され、雑誌での情報は多くありません。開発もソニーなのかセイブ開発なのか謎のままでした。しかし2024年になってゲーム雑誌Beepのコラムで貴重な情報を発見したのです。魔法使いウィズを作った人、楠本裕樹さんの文字を見つけた時は心が躍りました。


早速楠本裕樹さんについて検索してみると、模型丼さんという模型関連のHPに楠本さん御自身のコメントがありました。当時ソニーでゲーム制作をされていたとのことで、これまた名作のMSX及びファミコンディスクシステム版『ガルフォース』も制作されていたそうです。パソコン少年にはログイン誌で有名な横山宏先生や伝説的なメカニックデザイナー柿沼秀樹さんなども登場して読みごたえのある内容です。
2026年1月14日追記 fc2サービス終了に伴い、ページがが読めない状況になってしまいました。貴重な資料が歴史に埋もれてしまうのはどうしても忍びないため、Internet Archiveの画像を転載します。HP主の模型丼さんとは残念ながら連絡が取れなかったので、もし問題があるようならコメント欄でお知らせください、すぐに消去いたします🙇












半年前のダーウィン4078に影響を受けたと思われる多彩な機体変化が特徴で非常に完成度の高い作品。サウンドがアニメ版のアレンジなのが秀逸です。


僕は全然模型には詳しくないのですが、楠本さんは10代の頃からモデラーとして活躍されていたのだそうです。その後ソニーでMSXのゲーム制作を担当。2002年当時はおもちゃの企画や原型師、ゲームデザイナーなど多方面に活動されていたとのこと。
MSX版ガルフォースや魔法使いウィズは非常に独創的なゲームで、それがMSXの非力さを補っていたように感じていました。楠本裕樹さんのマルチな才能がその根底にあると知れたのは感激です。

追加記事。ログイン1986年 10月号に楠本さんの記事を見つけました。お茶目な楠本さんの写真がありますね。今回はプログラムオリンピックのゲームを担当。「フニクリ・フニクラ」という開発途中でお蔵入りになったゲームのようです。カワイイ女の子がお菓子を食べながら登山するという、美しい色彩が楠本さんらしい作品です。是非発売して欲しかったなあ。


美大出身で、モデラーで、ゲームプログラマーって憧れてしまいます。
追加記事。レトロパソコンゲームの名著『パソコンゲーム80年代記』にも登場。MSXFAN編集長の北根紀子氏のコメントも。

僕も齢50を過ぎて、多くの偉大な作品によって自分が創られていったことを自覚するようになりました。それらの創作物の歴史を辿ることは、自分の源流を探索する旅路でもあります。これからもこうして思わぬ場所から見つけ出した宝物を、皆さんと共有出来たらと思うのでした。
追加記事 楠本氏のモデラー時代
前述した通り僕は全然模型には詳しくないのですが、徳間書店の模型情報誌・ホビーボーイで楠本氏の作品を発見しました。
オリジナル設定のSFメカモデルをフルスクラッチで制作し、そのゲームをもパソコンで制作するという斬新な企画です。模型作成ととプログラムを同時に行える人材は、当時は楠本氏ぐらいだったのではないでしょうか。その他にも同雑誌で『ゼビウス』のジオラマを作成されたりもしたそうです。
ノルトカリス求職中さん、ぜくうさん、惡魔城シンさん情報感謝です🙇



さらにこの雑誌で連載されていた☆よしみる先生漫画「亜空転騒フィクサリア」の登場メカ原案も楠本氏が担当しています。当時大学生だったとのことですが、本当にマルチな才能をお持ちだったのですね。


これらの詳細な内容は、ノルトカリス求職中さん、惡魔城シンさんのXでのスレッドに詳しいです。お二人とも情報感謝です。
https://t.co/U4dnJbMQVG ちなみに作者の楠本氏はホビージャパン82年11月号でスペースジョッキーとノストロモ号宇宙服(1/35フィギュア改造)の作例をされた方。 pic.twitter.com/cXRJWzUqSi
— ノルトカリス求職中 (@Nolt_kalise) July 17, 2025

正直楠本裕樹氏の情報は、2025年現在ネット上でも多くありません。しかしプラモ、ゲーム、アニメと最もホビーが熱かった時代、それぞれの分野を股にかけて非凡な才能を発揮した楠本氏は、紛れもなく天才クリエイターでありました。僕はその偉大な足跡を、僅かながらでもこうして残しておきたいと願わずにはいられません。もしこの投稿を見て頂いた方、楠本氏のご冥福をお祈りして頂ければ幸いです。
❷ウィズよもやま話・黒魔導士のパクリ?


僕はウィズのアイコンをネット黎明期の1998年から使用しているのですが、いろんな人から「くろまどうしのパクリか?」と聞かれます。最近では
🤷♀️「あんたのアイコン、これのパクリでしょ?」
と嫁がファイナルファンタジーのTシャツを御揃いで買ってくる始末。

ファイナルファンタジー FC版1987年12月18日発売
魔法使いウィズ MSX版1986年5月21日発売
そっちがパクッとんじゃあああ!🤬

因みにEDではウィズ君の正面のショットが拝めるんですが、こっちはもっとFFの黒魔導士に似ていますよ🤣
❸MSX版魔法使いウィズの海外版の情報




❹追加記事・学研の伝説的MSX漫画マイコンボーイ文太

学研が扱っていたこともあって学習的内容も豊富でした。






ちなみに2面のお姫様はワニで、三周クリアで本物のお姫様 に会えるんです。

❺雑誌資料のまとめ&今から遊びたい人のために。
魔法使いウィズMSX版を遊びたいという方への情報。
現在では中古ROMか1993年8-9月号のMSXFAN付録FD版のどちらかになります。FD版はデーターを刷りだせば簡単にエミュで遊べるのでお勧めです。AC版ウィズはアケアカシリーズで手軽に遊べるのでこちらもお勧め。
1993年8-9月号のMSXFAN記事。MSXFANらしい解りやすいまとめです。




MSXマガジン1986年6月号 この号で購入を決意した思い出の記事です。1986年5月21日発売の情報が。


マイコンBASIC 1986年7月号 ベーマガの名物ライター断空我さんが担当。


ログイン1986年 06月号


ログイン1986年 8月号 楠本さんが取材協力。



Beep 1986年7月号


MSX総選挙・ゲーム編3でも魔法使いウィズをレビューしました。リンクから直接飛べますよ。
