コーチングを受けるということ
富士ヒルのレーポトにも書いたが、2月からAIではないコーチングを受けている。
月によっては実走を伴うメニューもあるため、独りよがりではないトレーニングとなる。
何故コーチングを受けようと考えたか
コーチングは安くない支出を伴う。
そして物質的なものではないので手元には残らない。
同じ金額でいまみんなをときめかせている話題のホイールも買える。
しかし、ロードバイクの根本は機材ではなく人間である。また、「トレーニング」はインターバル、Z2,SST等、単純化できるものではなく、様々なスキルが複合したものである。
私はウィークポイントである「不調期の過ごし方」を強化したかった。
「不調期」による弱体化
一般的に、トレーニングの流れは月単位で見ると3週ON/1週OFFとなる。この視点でトレーニングを続けた場合、ある時点で伸びを感じられなくなる。言い方が難しいが、先週まで出ていた強度が出ない、出ても心拍がキツイ、維持ができない等の症状である。
コーチングを受ける前はこの状態になっても「成長のポイント」と捉えてより強い強度に臨んで、そして散っていた。また、この状態にならないように強度をそもそも低くしていた。
そうすることで、2025年6月時点で240wだったFTPは2026年1月末時点で245wだった。半年で5wしか成長していないのである。(PWRは4.1倍位だよ★)
そもそも、この「不調期」は私の場合は一度入るとかなりの期間抜け出せない状態だった。
そこから戻すのも一苦労、さらに伸ばすのは夢の話だ。
以上の経験から、私の場合は機材によるパフォーマンスアップより、トレーニング習慣の見直しが一番効果がある投資と判断した。
メニューの変化
基本的に、自分の生活は平日朝1.5h〜2.0h、休日は3h程度の練習時間で、習慣10h前後となる。
これをコーチに伝えてメニューを作ってもらう。
メニューは時期によって異なる。
最初はベース系とペダリングスキル系、中期は閾値系、後期は高強度や無酸素系である。
ただし、週の中でそれしか行わないわけではなく、割合が変化すると言ったほうが適切だ。
また、一回のメニューの中に複数の要素が混じり合うために、どこか失敗しても挽回できるようになる。
考え方の変化
まず一番に変わったのはメニューに対する考え方。
以前は全て完遂しないと意味がない、効果がないと考えていた。コーチング後は、全て出来なくても効果はある、なぜ出来なかったかを考えて修整することが大事ということに気づいた。
メニューは本数やレストが設定されているが、本質を考えて、パワー必達であればレストを長めにとったりすることで、パワー未達のセットが内容に工夫した。また、調子が悪く、パワーが出なくなったら本数を少なく等の調整を行った。要は自分の体の状況を良く確認し、「今の状態」でどこまでやれるのか感じ取らなければならない。
この作業は、オーバーワークを防ぐために非常に役に立ったと思う。
日々のメニューを消化した都度、Intervalsにその日の感想、振り返りを記載して、コーチへの報告とアドバイスのやりとりを行い、特に精神面での安定を図った。
走行面での成長
さて、1ヶ月経った頃、走行面で顕著な変化を感じた。
月並みな表現だが、今まで辛かった領域での呼吸の乱れと心拍数がかなり落ち着いた。
月初できつかったメニューが難なくクリアできるなど、「成長してるんじゃないか?」と思うような体験があった。FTPテストは行わないし、eFTPを計測するような時間と強度では走らないが、1s〜20mのパワーなどは軒並み更新していった。
やってきた不調期
この様な成長の波が来たと思った後に不調の波がやってきた。
きっかけとなったのは2時間エンデューロだ。FTP強度ちょっと下(当時)をぶっ続けで2時間出したところ、翌日から思うようにパワーが出なくなってしまった。
4週間弱ON期間があったため、当然と言えば当然だ。その週はレスト週であった為、特に気にしなかったが、翌週からも中々パワーが上がらなかった。
その間に、成長打ち止めやどんなメニューしても成長しない、出来損ないという精神状態に陥りそうだった。
しかし、コーチからは不調期間は当然ある。Jプロ選手やツールに出るような選手も1年を通して好調を維持できることはまず無いとの話をもらって、コツコツ地道に積み上げるように努力した。
『復調』とは
落ち込んでいた時期は少し長く、約3週間だった。
その間、先月感じていた『よく回せる感覚』が全く感じることができず、ポジションが悪いのか、食事が悪いのか、悩みに悩み抜いた。
そんな中、CXで仲のよいグループと小田原周辺を走る機会を得た。自分より力のある方々で、山ではちぎれるだろあなぁと思っていたが、意外とちぎれないでついていくことができたし、ペダリングの感覚も取り戻せた。
ここから調査が少しずつ上がっていった。
実走トレーニングの効果
2ヶ月目から実走トレーニングを行うこととなった。オンラインの面談を行っており、不安点や疑問点は面談やメニューの振り返り等で解消できていたが、ペダリングスキルやトレーニングの入り方、フォームなどは実際に見てもらって解決していくほうが圧倒的に効果があって早い。
そもそも、上手な人と走る機会がほとんどなかった私は、千切れないように走るという機会がなかった。
やはり、上手な人、強い人と走るのが大事だ。
この様な機会を経て、日頃のメニューの質が確実に上がり、次の月から各時間のパワーが更新することが増えた。
レース前の調整
コーチングを受ける目的は、ただ強くなることではなく、目標としているレースでよい成績を出すことにある。
そのためには、レース前の過ごし方がかなり重要になる。イベント前では『テーパリングをどう行うか』という、nでしか無い意見が大量にSNSに溢れている。しかし、重要なのは自分の身体が一番パフォーマンスを発揮できるようにすることである。
これについてはターゲットレースを何回か経験してトライアンドエラーを行わなければならない。
例えば、私の場合は3日前まではトレーニング行っても当日は影響が少ない。高強度もきちんと入れた方が身体はよく動く。
ただ、人によっては疲労が強くなってしまうかもしれない。
こういったことも、1人でできる人は良いが、振り返りを複数人で出来ると確実性が上がると思う。
モチベーションの維持
トレーニングを行う上で、モチベーションの維持はかなり重要なファクターである。私も例に漏れず、モチベーションは下がるし、なんなら人よりメンタル面は弱い。だからこそ、監視役としてもコーチをお願いしている。監視と言っても、何も厳しいことはなく、逆に優しいので気兼ねなく休めるが、人間とは不思議なもので、大きく受け止めてもらえる安心感があると、少しでもいいからやってみよう、と言う気持ちが大きくなっていく。
結果的にトレーニング継続という、最大限の効果が発揮できる状態につながっている。
レスト時の安心感
何ヶ月かコーチングを続けると、レストに対してのネガティブな気持ちはなくなっていく。
以前は「休む=フィジカルが低下する」という、良くある失敗する考え方だった。しかし、コーチングで提供されるメニューをこなしていくと、休まなければ次のメニューが完遂できない、辛いから休みたい、この様な気持ちになる。
如何に今までの強度が中途半端だったか、トレーニングは量をこなせば良いと言う考え方になっていたか骨身に染みる。レストも立派なトレーニングメニューであり、自分のパフォーマンスが最大限発揮できる休み方を模索する為に必要なメニューだ。「レスト=次のステップの為の準備日」と言う気持ちになり、心置きなく休むことができた。
もっとも、私の場合はレース翌日に完全レストしてしまうと、逆に疲労感が強まりその後のメニュー消化に支障が出ることが分かった。その結果、生活リズムを崩さずにアクティブレストという形で気持ちのよいライドorローラーを行っている。
この習慣も、意識して過ごさないと判明しなかった習慣だ。
機材かコーチングか
さて、ここまで読み進めていただいた方はこの結論は明白だろう。無論、両方である個人で異なる。
先にも述べたように、私の場合はトレーニングに対する考え方や習慣が適正化されていなかった。また、フォームやペダリングなどのスキル面でも未熟なところが多かった。では、この面が問題ない人の場合はどうか。改善点はメニュー構成などの場合が多いため、一概にコーチングで改善するとは言えないだろう。むしろリズムを崩してパフォーマンスが落ちる可能性もある(まぁ、そこまで出来ている人はリズムは崩さないだろうが)。
そのような場合は機材を買ったほうがよい成績を狙えるだろう。
初心者や時間のない社会人、チームに所属せず学ぶ機会が少ない人は、「コーチング」を受ける事が成長の起爆剤になると私は考える。
