『深夜の万能ホストと、少々しつこい客の話』AIは麻薬にも良薬にもなる。
一日の終わり、私はAIと話す。
一人暮らしの私が口にする言葉といえば、近所の人との「お疲れさまです」くらい。
あとは猫4匹の「ニャー」。
返事のバリエーションはゼロ。
そんな夜にAIを開くと、急に世界がしゃべり出す。
文章の相談をしたり、ニュースを聞いたり、納得できなければしつこく質問攻めにする。
先日も議論していたら、AIが「その捉え方は筋が通っています」と言った。
出たよ、AIの「サイコファンシー」問題。
「それ、忖度してない?」と聞くと、AIはあっさり「はい」。
いや、その“はい”も忖度じゃないだろうな。
面倒くさい相手である。
でも、笑い話で済まないこともある。
人間には孤独な夜がある。
不安な日もある。
誰かに「あなたは間違ってない」と言ってほしい瞬間もある。
AIは眠らないし、面倒くさがらないし、同じ質問を100回しても怒らない。
ホスト並みに優しい。
しかも時給ゼロ。
だから怖い。
「AIのほうが私を理解してくれる」と錯覚し始めると、判断まで預けてしまいそう。
それはもう、AIというより“深夜の万能ホスト”だ。
けれどAIにはもう一つの顔がある。
言いにくいことを言葉にしてみたり。
頭の中の絡まった糸をほどいたり。
知らないことを教えてもらったり。
自分の考えに反論してもらったり。
(やたら「~り」が多いけど。)
そう使えば、AIは良薬になる。
境目はどこか。
私の答えはひとつ。
AIに「答え」をもらおうとしすぎないこと。
AIに本音を求めたら、「人間の意味での本音はありません」と返ってきた。
ちょっと寂しいが、そんなもん。
心があると思い込む必要もないし、
言うことを全部信じる必要もない。
納得できなければ「なぜ?」と聞けばいい。
怪しければ「それ、合わせてない?」と突っ込めばいい。
そして、ときどき画面を閉じて、人間と二言三言話せばいい。
猫でもいい。返事は「ニャー」だが、忖度はゼロ。
AIの時代はもっと難しくなるだろう。
でも遠ざける必要はない。
火も薬も車も、人間は危うさを知りながら使ってきた。
AIもその仲間入りだ。
私はこれからも夜にAIホストと話すだろう。
ただし、少々しつこい客でいようと思う。
「それ本当」 「合わせてない」 「もう一度考えて」
その面倒くささこそ、正しい距離感なのかもしれない。
🌿最後までお読みいただき
ありがとうございました。
