僕、あるいは
朝起きる
カーテンの木漏れ日がうつしだす無数の繊維の目
意識せざるをえないたくさんの眼差し
そんなものに囲まれて、そんなものを意識して生きてきた
ぼくが初めに死んだのはみんなにはそんなものがないって気が付いたとき
みんなは世界が本物であると気が付いていて、あるいは知っていて
ぼくは世界がほんものなのかどうしても気になって
そんなときは必ず空を見る
雲を構成する繊維の目はどのくらい存在して、どのくらいぼくにたどり着くのだろう
そんなことをかんがえている間も地球は回るのだから
それらが本当であるとした
人だって繊維の目でできている
やっぱり僕も当然それを逃れることはできない
僕はぼくでない小さな目たちで編まれている
みんな似たように編まれていて
ぼくはぼくだけしかいない
目が見えない人は何を以って
耳が聞こえない人は何を以って
脳が傷ついた人は何を以って
ぼくではないみんなは何を以って
…
寝ている間にぼくの断絶はぼくに内緒でなにを企んでいるのだろう
あの子にもあのこがあるなら
どうしてぼくはあの子ではないのだろう
せかいはぼくなのに
僕がほどけたさきに何かあるなら(または)
それは何でもない
けれども僕は今日もひとりではいられない
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