完璧じゃない旅ほど、忘れられない
先日、岐阜への日帰りバスツアーに参加してきました。
楽しみだったのは「三代牛食べ比べ」。
すき焼きにハンバーグ、鉄板焼きまで並ぶ豪華な内容で、出発前から「今日はたくさん食べるぞ!」と張り切っていました。
若い頃なら間違いなく完食して、さらにデザートまで楽しんでいたはずです。
ところが、実際に食べ始めるとすぐにお腹がいっぱいに。
どれもおいしいのに、思ったほど食べられません。
「あれ?こんなものだったかな」
少し前なら悔しく感じたかもしれませんが、不思議と今は違います。
たくさん食べられなくなったのは年齢のせいかもしれません。
でも、その分ひと口ひと口をゆっくり味わうようになりました。
量より質。
そんな言葉がしっくりくる年代になったのだと思います。
この日のもう一つの目的は伊吹山でした。
ところが、あいにくの雨。
標高が高いこともあって風がものすごく強く、雨も横殴り。
まるで台風の中にいるような天気でした。
バスの窓から外を見ながら、「これは無理だね」と周りの人たちも苦笑い。
お土産を見に行くために外へ出る勇気さえありませんでした。
せっかく来たのに残念。
そう思ったのも事実です。
でも帰りのバスの中で、ふと考えました。
晴れた伊吹山の景色は見られなかったけれど、あの暴風雨の伊吹山も、きっと忘れられない思い出になるなと。
旅行というと、つい「何を見たか」「何を食べたか」に目が向きます。
けれど年齢を重ねると、それ以上に「どんな経験をしたか」が心に残る気がします。
予定通りにいかないこともある。
食べたいだけ食べられないこともある。
でも、それも含めて今の自分。
若い頃のように何でも全力で楽しめるわけではなくなりました。
たくさん食べられなくなったし、無理もできません。
それでも、こうして出かけてみると新しい発見があります。
思い通りにならない日でさえ、あとから振り返るとちゃんと笑い話になっているから不思議です。
晴れの日の絶景もいいけれど、暴風雨の伊吹山を見たことも、きっと私だけの思い出。
50代になって思うのは、「完璧な一日」よりも「忘れられない一日」のほうが心に残るということ。
今回のバスツアーもは、そんな一日になりました。

