園児大脱走!アゲハ幼稚園
昼ご飯を食べた母が、さて、3匹のアオムシ園児たちはどうなったかな、とサンルームに置いたレモンの木を見に行った。
「いない!」
なんと、さっきまでレモンの木にいたはずの3匹のアオムシがどこにもいない。
段ボールの裏やテーブルの裏を覗いたが、先にサナギになった園児たちしかいない。
踏みつけたら大変なので、母は抜き足差し足で歩きながら、物干し竿や壁を見て歩いた。
そのうち、それぞれサンルームの隅のほうによちよち向かっているアオムシ園児たちを見つけた。
「いたかー!」
母はほっとして一匹ずつ葉っぱの上に乗せて虫かごに戻した。
脱走中の3匹のアオムシ園児たちを無事に保護することができた。

まだフンをして葉っぱもたべているようだから、サナギになるのはもう少し先かな

黒いラインがはっきりしているので、どんなアゲハになるのか楽しみ

この枝でサナギになるかな
今回のことでまた新しいことがわかった。
サナギになる時は、生まれた場所や育った場所からできるだけ離れた場所に行こうとするのだ。
玄関にあるレモンの木にいたアオムシ3匹を、いよいよ保護しようとしたとき、2匹しか見つけることができなかったことを思い出した。
どこに行ったんだろうと不思議に思っていた。
今日の脱走劇でわかった。
サナギになるためにレモンの木からできるだけ遠いところに歩いていったのだ。
そういえば、レモンの木や山椒の木にくっついたサナギを見たことがない。
みんな、さあ、羽化する場所を決めるぞ、というときは、できるだけ遠くに、バラバラの場所を探すようにプログラムされているようだ。
生き延びる可能性を少しでも増やすために。
アゲハ園児たちを観察していると、生き物の健気さと真っすぐさにグッとくる。
小さいのに、どのアオムシもはっきりとした意思を持って行動している。
多様性は生き延びるための戦略。
小さな足でよちよちと、頑張って遠くまで歩いたね。
明日には、脱走したアオムシ園児たちもみんな前蛹になっているだろう。
もうモリモリ葉っぱを食べたり、角を出して怒ったり、スヤスヤ眠っている姿を見られなくなっちゃうのは少し寂しい。
でも脱走の心配はなくなるから、ちょっと安心だね。
