夫のおしゃれ帽が、近所のおっちゃん役にハマりすぎた
どうも、台所すずめです。
先日、夫が職場から、劇の台本らしきセリフとト書きの書かれたA4用紙を持って帰ってきました。
リビングのテーブルに置かれていたので聞いてみると、地域住民向けの講習会で、職場仲間と寸劇を披露するそうです。
夫は、地域包括支援センターで相談員をしています。
地域住民に向けて、認知症や介護予防、権利擁護などについて伝える講習会も、仕事の一つです。
とはいえ、テーマはどうしても堅くなりがちです。
地域の人に楽しみながら学んでもらうには、なにかしら工夫が必要なようで、今回は寸劇を交えて分かりやすく伝えることになったそうです。
私の職場のケアマネさんによると、こうした地域活動はコロナ禍を境に一度途絶え、最近になって少しずつ復活しているとのこと。
今回の夫の寸劇も、その流れの一つなのかもしれません。
さて、今回の夫の役は、地域に暮らす年配の男性。
関西弁でいえば、「近所のおっちゃん」です。
最近はAIに頼めば、そういった台本もあっという間に作ってくれるので助かる、と夫は言います。
でも、それだけでは何かが足りない気がしました。
そこで妻は、半分おふざけ、半分専門職の顔で尋ねました。
「役作りはできているのか」と。
私も普段は施設勤務ですが、ごくたまに、地域住民の方へ運動やリハビリについてお話しする機会があります。
地域で暮らす高齢者の雰囲気には、多少なりとも触れたことがあります。
まあ、地域の方との関わりについては、夫の方がよほど専門なのですが。
実のところは、ちょっと絡んでみただけです。
ところが意外にも、夫は妻のおふざけに半ば真剣に耳を傾けました。
夫「しまったな。そのあたりはAIに聞いてなかったわ。ちょっと聞いてくれる?」
嬉々としてスマホを取り出す私。
さっそく、「近所のおっちゃん」の役作りについて、AIに尋ねてみました。
出てきた回答は、「そこまで教えてくれるの!?」と思うほど具体的でした。
服装や着こなし、しぐさ、話し方、口癖まで、情報量は盛りだくさん。
なんでAIは、そんなことまで知っているのでしょうか。
とにかく、AIが示した服装の選び方や着こなし、しぐさや話し方のコツを、夫に伝えました。
おもしろかったのは、提案された服装が、ほとんどそのまま夫の普段着と同じだったことです。
変えたことといえば、ズボンをいつもより少し高い位置まで上げて、ベルトでしっかり締めることくらいでしょうか。
この人も、着実におじさんとしての道を歩み始めているんだな……。
妻としては、少し複雑な気持ちです。
そして極めつけは、小物類。
首にかけたタオル、野球帽、小銭の入ったポーチなどが挙げられていました。
しかし、野球帽やそれらしいポーチは、残念ながら家にはありません。
夫は、首タオル一本で勝負することになりました。
はたして、うまくいくのでしょうか。
夫の帰りが、少し楽しみになってきました。
夕方、帰宅した夫に、さっそく尋ねました。
今日の寸劇の反響はどうだったのか、と。
夫は笑いながら、職場仲間から役作りをとても褒められたことを教えてくれました。
「ハンチング帽がすごくよかった」
「それっぽかった」
と言われたそうです。
結局、夫は野球帽の代わりに、家にあったハンチング帽を持っていったらしいのです。
探偵や映画監督がよくかぶっている、あれです。
そして、そのハンチング帽こそが、今回の「近所のおっちゃん」感を生み出した一番の功労者だったとのこと。
ただし、夫の表情には、少しだけ複雑なものが浮かんでいました。
ハンチング帽は、彼の持っているアイテムのなかでは、明確に「おしゃれ」に属するものだったからです。
本人にとってはおしゃれ帽だったのに、周囲から見れば、見事な「地域のおっちゃん帽」だったらしい。
夫は照れくさそうに笑っていましたが、その表情には、ほんの少しだけ納得のいかなさも混じっていました。
寸劇は、大成功だったようです。
ただし今後、そのハンチング帽を本人が純粋な「おしゃれアイテム」としてかぶれるかどうかは、少し分かりません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
またよろしければ、のぞきに来てくださいね😊
