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「去年のトレンド予報」が、今年になって商売が拡大する話 ―ディープリッチ黒カレーが再ブレイクの夏―

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カレーのトレンド情報は、いつ・どう仕込まれるのか?― ディープリッチ黒カレーに学ぶ商品企画の逆算術 ―

去年、私たちが提唱した「ディープリッチ黒カレー」。今年はすでに次のトレンドへ移っていたはずが、この夏まさかの再燃。セブン-イレブンの新商品にその名が採用されるまでの経緯から、カレー業界特有の「半年〜1年遅れ」の企画サイクルを読み解きます。
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予言は、いつも少し遅れてやってくる

トレンドというものは、不思議な時間差を持っている。

自分たちが「これから来る」と確信して発信した情報が、世の中に届き、誰かの企画会議を経て、実際に商品として店頭に並ぶまでには、想像以上の時間がかかることがある。半年、あるいは一年。まるで宇宙から届く星の光のように、発信した瞬間と、それが「見える」瞬間の間には、埋めがたいタイムラグが存在するのだ。

私たち弊社カレー総合研究所・カレー大學が、昨年の2025年の3月から5月にかけて、メディアやカレー業界の関係者に向けて精力的に発信し続けたキーワードがある。それが「ディープリッチ黒カレー」だった。

今年、2026年の夏。まさにその言葉が、思いがけない場所から聞こえてきた。テレビCM、YouTubeなどのSNS、そしてコンビニの棚――セブン-イレブンである。

ディープリッチ黒カレーとは何か

まず、この言葉の中身について説明しておきたい。

「黒カレー」と聞くと、多くの人は単に見た目が黒いカレーを想像するかもしれない。イカスミやカラメルソースで着色しただけの、いわば“色だけ黒い”往年の黒カレーだ。

しかし私たちが提唱した「ディープリッジ黒カレー」は、それとは一線を画す。プレミアムな欧風カレーと、インド系のカレー――特にネオカシミールカレーと呼べるような進化系カレー――が融合してできた、クオリティの高い黒カレーを指す言葉である。

その黒さは、着色によるものではない。玉ねぎをじっくり炒めて飴色を超えて黒く仕上げていく工程や、スパイスを深く焙煎する工程など、カレーづくりにおいて本質的に必要な手間を積み重ねた結果として生まれる黒さだ。だからこそ、見た目のインパクトだけでなく、スパイス感と奥行きのある味わいを同時に体現できる。

もう一つのキーワードである「ネオカシミールカレー」は、デリーを中心に広がるカシミールカレーの進化形だ。従来のカシミールカレーが持つ独特の強い個性を残しながらも、辛すぎず食べやすく仕上げ、具材を豊富に取り入れることで、より多くの人に受け入れられる形に進化させたものである。カシミールカレーというジャンルそのものが全国的に広がりを見せる中で生まれた、いわば“時代の要請”とも言えるカレーだ。



今年のトレンドは、もう次のステージへ

面白いのは、私たち自身は、この「ディープリッチ黒カレー」をすでに“去年の話”として区切っている、という点だ。

トレンド研究というのは常に先回りが宿命づけられている。今年、2026年は、私たちは全く別の潮流――「第二世代キーマカレー」の普及に力を注いでいる。詳細はまた別の機会に譲るが、私たちはこのテーマを、全メディア・全カレー業界のビジネス関係者に向けて、今この瞬間も発信し続けている。

つまり私たちの視点では、ディープリッジ黒カレーはすでに「過去に置いてきたトレンド」だった。ところがこの夏、状況は思わぬ形で動いた。



去年の“予言”が、今年の店頭で花開く

この数ヶ月、あるひとつの違和感があった。

去年発信した「ディープリッチ黒カレー」に関するnoteの記事――もう役目を終えたはずのその記事へのアクセスが、なぜか2026年に入ってから急激に伸びていたのだ。何かが起きている。そう感じていた矢先、答えはテレビから聞こえてきた。

セブンイレブン「夏こそスパイス!カレーフェス」

セブン-イレブンが、黒カレーに関するキャンペーン展開を始めていたのである。

その中で中心として販売している商品が、ずばり「ディープリッチブラックカレー」(おにぎり)である。――私たちが2025年に提唱し、発信し続けてきたその名称が、そのままおにぎりの商品名として採用されていた。さらに、デリー発のカシミールカレーをバージョンアップさせた形のお弁当まで登場している。

驚きのネーミングにビックリ!!

去年蒔いた種が、一年越しで店頭に実った瞬間だった。正直なところ、これほど直接的な形でネーミングごと採用されるとは想像していなかった。だからこそ、自分たちの発信が業界に与えた影響力の大きさを、あらためて実感する出来事でもあった。



なぜトレンドは「半年から一年遅れ」で表に出るのか

ここで少し、業界の構造について触れておきたい。この時間差は偶然ではなく、食品業界、とりわけカレー業界特有の商品開発サイクルに根ざした、ある種必然的な現象だからだ。

私たちのようなトレンド研究機関が情報を発信するのは、毎年おおよそ3月から5月にかけて。その情報が世の中に広く知れ渡り、テレビや雑誌、Webメディアで盛んに取り上げられるピークは、カレーそのものの需要期でもある夏――7月から9月にかけて訪れる。

このタイミングで情報に触れたコンビニや外食チェーン、大手メーカーなどの担当者は、そこから商品企画を練り始める。試作、検証、社内稟議、製造ライン確保――こうした工程には当然ながら相応の期間が必要で、企画がまとまるのは早くても翌年の1月から3月頃になる。そこから製造・展開のプロセスを経て、実際に商品が店頭に並ぶのは、結局その年の夏、ということになる。

つまり、2025年7月〜9月にメディアを通じて情報を得た担当者が、半年かけて企画を練り上げ、2026年1月〜3月に商品化が決定し、2026年夏に発売される――これが、今回私たちが目の当たりにした「ディープリッジ黒カレー、二度目の夏」の正体である。

トレンドは一度で終わらない。発信された情報は、業界のサイクルの中で時間をかけて熟成され、思わぬタイミングで再び表舞台に立つことがある。今回のケースは、その典型的な一例と言えるだろう。



一日でも早く「次」を知りたい方へ

もしカレービジネスに関わる方で、「来年何が流行るのか」をできるだけ早く知りたいと考えているなら、知っておいていただきたいことがある。

私たち弊社カレー総合研究所・カレー大學が正式に情報を発信するのは、例年3月頃だ。しかし実際には、その方向性――どんなカレーが来年流行るのか――については、早ければ前年の12月の時点で、内々の調査によってある程度の輪郭が見えている。

「1日でも早く情報を手に入れて、企画の初動を速めたい」という方は、ぜひ遠慮なくご連絡いただきたい。今回のディープリッチ黒カレーのように、半年から一年先の景色を先取りできることは、商品開発において決して小さくないアドバンテージになるはずだ。

なお、競合にあたる企業様や、守秘義務契約を締結いただけない場合には、情報提供をお断りする可能性がある点は、あらかじめご了承いただきたい。

来年の夏、私たちはまた何を「予測」しているのだろうか。その答えが店頭に並ぶのは、きっとまた少し先の話になる。



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