2LDK
今でこそ自家用車を乗り回しているくろうちゃんだが、一人旅を始めた時はそんな贅沢品を持っているわけもなかった。
じゃあどうするか。公共交通機関である。
くろうちゃんの実家はとある私鉄の沿線にある。この沿線というのはそのまんまの意味で、線路の真隣である。小さい時はたとえいい子の真似事をして9時に布団に入ったところで、終電までひっきりなしに行き来する電車の音で目が覚めていた。しかし慣れというのは恐ろしいもので(1日ぶりの表現)、小学校に入る頃には電車が通過したのも気づかないほどだった。ちなみにそれは実家を離れて幾年経った今でも変わりない。げに慣れとは恐ろしいものである。
閑話休題
その影響もあってか、一人で電車に乗って出かけることは時たまあった。隣駅ではあったが祖父母の家に行ったり、友人の家に行くために地下鉄に揺られたり。10歳ほどにしては大冒険であった。
時は飛んで専門学校の学生時代。くろうちゃんにはネ友が各地にいた。せっかく一人暮らしで時間を自由に使えるようになったのだ。ありがたく無駄遣いしようではないかと飛び乗ったのは高速バス。新潟から名古屋までの夜行に幾度も揺られていた。くろうちゃん自慢のでかいおけつが2つに割れるかと思う目に会いながら、安いし寝てる間に移動できるしと言い聞かせて移動をしていた。思うとこれがフッ軽くろうちゃんを形作ったのだろう。
その強靭なおけつを手に入れたくろうちゃんは、あれよあれよと車に乗り、近場を片っ端から走り回り、知らない道に迷いに行き、ガス欠と戦いながら家になだれ込むように帰ってくる。この足は一体いつ止まるのだろうか。否、止まってなるものか。
