GRⅢxと歩く、イスタンブール|初めてのチップ
2日目の朝、ホテルの朝食会場へ
最上階のテラス席を陣取り、
朝のイスタンブールを見下ろしながら
あたかも現地人のようにチャイをすする
ふと、景色にふけっていると、
屋根をつたって横の柵から猫が現れた
ーー10階にも!?
思わず二度見したが、
猫はそんなことおかまいなしといった顔で、
朝ごはんをねだってきた
この日はしっかり観光日
アヤソフィア、ブルーモスク、地下宮殿etc
定番スポットを巡る


中に入ると、その荘厳さに息を呑んだ
ガイドブックの写真より、
はるかに美しく、迫力があった


写真では到底収まりきらないスケール感
タイルがトルコらしく美しい

地下宮殿もかなり並んだ
奥には「目が合えば石にされる」という
メデューサの石像が鎮座する
とんち?
観光中に驚いたのは、
日本語が話せる人がとにかく多いこと
「親日国家」とは聞いていたけれど、ここまでとは
そのぶん、日本語で話しかけてくる怪しい人も多い
トルコ石を買いたいと言ったら、
それっぽい店を教えてくれた

友人は龍角散みたいなトルコ石の指輪を買っていた
本人は気に入っていたけど、
荷物検査で引っかかりそうな存在感だった
ちなみにトルコ石が本物か偽物か見極めるには、
割ると判別できるらしい
ーーつまり、確かめる方法はない
おやつにサバラップを食べた
トルコではサバが幅を利かせているらしい
サバサンドが有名だがあえてのラップに挑戦
正直めちゃくちゃ美味しかった
行列も納得の味だった

夜はキョフテを味わった
キョフテはトルコ版のミートボールのようなものだ
そのスパイスの香りとジューシーさは
日本のそれとはまったく違い、
口の中でじんわりと広がる
豊かな味わいが印象的だった
今回の旅でトップレベルにおいしかった

そして2軒目
「ピデ」というトルコ風のピザと
ライオンの涙とも呼ばれる「ラク」という
度数も高めのお酒に挑戦した

事件はここで起きた
隣に座った白人の観光客夫婦が注文したのは
「テスティケバブ」と呼ばれる壺に入ったケバブ
味もさることながら、
人気の理由は仕上げのパフォーマンスだ
店員が壺を抱えて現れ、火の上に置き
火花がパチパチと飛び散り、
熱気とともに場内が一気に盛り上がる
やがて店内にノリノリの音楽が流れ出し、
店員たちは次々に踊りだした
僕も思わず手元にあったおしぼりを回していると
店員の1人に目をつけられ、
パフォーマンスに強制参加

されるがままの滑稽な僕を見て
友人はケラケラとスマホを向けながらビールを飲む
さぞ美味しかっただろう
ダンスは火が消えるまで続き、5分以上続いた
あろうことか、途中、ソロパートがあった
たまったもんじゃない
ようやく料理が完成し店員から解放され
席に戻るとなぜかそこには、20トルコリラ
なんと隣の白人夫婦からのチップだった
日本円にすると80円
ーー安すぎんだろコラ
ってのは、ぐっと飲み込み
引き攣った笑顔で真摯に感謝の言葉を伝えた
イギギギ
でもまあ正直なところ楽しかったので
今回は良しとしよう
イスタンブールの2日目は、
偶然と好奇心に導かれた一日だった
歴史の重みに圧倒され、
見知らぬ誰かの親切に戸惑いながらも、
気づけば異国のレストランで踊っていた

