引き算の防災③
引き算の防災③
100億円の庁舎より、壊れても止まらない行政
災害対策というと、
「もっと頑丈な建物を」 「もっと大きな防災拠点を」 「最新の設備を」
と、どうしても「足し算」になりやすい。
もちろん、庁舎の耐震化や防災設備は必要だ。
しかし、そこで一つ考えたい。
「その建物が使えなくなったら、行政はどうなるのか?」
巨大な防災拠点を一つ造る。
そこに人員を集める。 データを集める。 通信を集める。 意思決定機能を集める。
平時には、とても効率がいい。
ところが災害時には、その「効率」が弱点になる。
建物が被災する。 電源が落ちる。 通信が途絶える。 道路が寸断される。
すると、
一つの障害が、行政全体の障害になる。
これが「インフラ一極集中の罠」だ。
だから必要なのは、
「壊れない巨大な箱」
だけではない。
「一つの箱が壊れても、行政が動き続ける仕組み」
である。
データは分散する。
電源も分散する。
通信も複線化する。
指揮系統も一つに依存しない。
代替拠点を用意する。
職員が別の場所から業務を継続できるようにする。
そして、どうしても必要な建物だけを建てる。
これが「引き算の防災」だ。
防災とは、
「最強の一個をつくること」
ではない。
「一個を失っても、全体が死なないこと」
なのかもしれない。
100億円の庁舎を建てることが悪いのではない。
問うべきなのは、
「100億円をかけた建物が失われたとき、それでも行政は動くのか?」
ということだ。
巨大な箱を守る防災から、
巨大な箱がなくても機能する防災へ。
足し算ではなく、引き算。
集中ではなく、分散。
「壊れない」を目指すだけではなく、
「壊れても止まらない」
を設計する。
それが、災害大国・日本に必要な防災のOSなのではないだろうか。
#防災 #減災 #引き算の防災 #災害対策 #地震対策 #インフラ #行政 #自治体 #防災拠点 #分散化 #レジリエンス #危機管理 #日本の防災 #防災DX #デジタル防災
