【Legal Opsの基礎】CLOC Academy Level 100 参加レポート:CLOC Core 12」とは?(前半パート)
こんにちは。ロースクールに留学しながら、3歳の息子と二人で暮らしているじゅぴたです👩🎓
先日、念願だった 「CLOC Academy Level 100: Foundations of Legal Operations」 に参加してきました✨
場所は、私の住むロサンゼルスから車で約6時間のサンノゼ🚗
アメリカに留学を決めた理由のひとつが、このCLOCのイベントに参加することだったので、どうしても行きたかったのです。
夫を日本から呼び寄せ、息子も一緒にサンノゼまでドライブしてもらい、長年の夢をついに叶えることができました😊
法務部門の進化を牽引する「Legal Operations」とは?🚀
「CLOC Academy Level 100: Foundations of Legal Operations」 は、Legal Operations(リーガルオペレーションズ)の基礎を学ぶ、実践的なプログラムです。
そもそも CLOC(Corporate Legal Operations Consortium) は、リーガルオペレーションズの発展を目的とした国際的なコミュニティであり、世界中の法務・ビジネスプロフェッショナルが参加しています。
Legal Operations(リーガルオペレーションズ) とは、法務部門の「運営(Operations)」に焦点をあて、業務プロセスの改善、テクノロジー活用、ナレッジ共有、データ分析などを通じて、法務をより生産的で戦略的な組織に変えていく取り組みのことです 。
CLOCではこの考え方を体系化し、Legal Operationsを構成する12の領域を整理した 「CLOC Core 12」 というフレームワークを提唱しています 。今回の Level 100 では、この12のコアをテーマに、各社の具体的な取り組みやチームの運営方法を学びました。
イベント概要:サンノゼでの学びと交流🗣️
今回の CLOC Academy Level 100 は、Legal Opsの経験が3年未満の方を対象とした基礎講座として開催されました 。
講師は、Dorothy Cullen さん(Salesforce)、Jessica Lewis さん(Lime)、Amanda Hashfield さん(元 Intel Corporation)の3名が務め 、それぞれが自社や過去の経験をもとに、CLOC Core 12を軸に実践例や考え方を共有してくださいました。講師陣のプレゼンは、Legal Opsに求められる「コミュニケーション力」を体現しているように非常にわかりやすいものでした。
また、会場にはリーガルオペレーションズ部門で働く多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まり、休憩時間にはコーヒーやランチをいただきながら、初対面でも緊張することなく活発に交流することができました☕🤝 。

Legal Opsは法務を照らす光ってことかな!?
講師との交流:Salesforceに学ぶ、CLOC Core 12に基づく組織設計💡
休憩時間に、講師のひとりである Salesforce の Dorothy さんとお話しする機会がありました。その中で印象的だったのが、Salesforce が約7年前に Legal Ops の組織を立ち上げ、現在は CLOC Core12 に基づいて、ナレッジマネジメントチームなど専門分野ごとにチームを分けて運用しているという話です。CLOC のフレームワークを単なる理論としてではなく、実際のチーム構成や運営に落とし込んでいる点が本当にすごいと感じました。Legal Ops が「法務の効率化」だけではなく、組織の戦略的な力になる仕組みとして機能しているのが印象的でした。
学びの共有:CLOC Core 12 (Legal Opsを構成する12の戦略領域)と感想🎯
今回のセッションでは、「CLOC Core 12」の各領域におけるアプローチや工夫を実例を交えて学びました。Legal Ops が企業の中でいかに多面的で重要な機能であるかを改めて実感しました。
Core12の前提知識について知りたい方は、こちらの記事や書籍をご覧ください。
本日は、5つのコアについて、特に印象に残った点を共有いたします。エッセンスのみですが、学びのお裾分けです。
残りの7つのコアは・・・すみません、力が尽きてまだ書けていませんmm
また次回に!
1. Organizational Optimization & Health(組織の最適化と健全性)
Organizational Optimization & Healthは、適切な人材に適切な業務を任せる、「理想のチームづくり」の土台です。
学んだこと
健全で効率的な法務チームをつくるためには、以下の要素が不可欠です。Legal Opsは、これらの要素を単なる理念で終わらせず、組織に「組み込み、根付かせる(Enable and Embed)」役割を担います。
役割の明確さ(Role Clarity):誰が何をするのか、責任範囲を明確にすること。
成長(Growth):キャリア開発やスキルアップの機会を提供すること。
フィードバック(Feedback):建設的な意見交換とインプットを定期的に行うこと。
承認(Recognition):チームメンバーの貢献を正当に評価し、認めること。
信頼(Trust):心理的安全性が確保された、オープンなコミュニケーションの土台となるもの。
すぐに着手できる具体的な行動の例として、セントラルリポジトリの作成(Create a Central Repository)や業務の可視化などがあります。
セントラルリポジトリ:聞きなれない単語ですが、要は社内Wikipediaみたいなもので、主要な情報(テンプレート、SOP、ガイドラインなど)を集約するハブを設けようということです。
成功だけでなく、学習を促すリスクを取った試みも称賛することで、信頼を構築します。
じゅぴたの感想:人は挑戦したい生き物!
特に印象的だったのが、Legal Opsって単にシステムを入れるとかじゃなくて、「今いるウチのメンバーをどう成長させるか?」に注力する、ということでした。ポテンシャル高い人を見つけて、「ちょっと難しいけど、これやってみて!」と通常の業務を超えて少しチャレンジングなプロジェクトを提供する。人間って、単純作業や簡単な作業ばかりしていると不思議とつまらなくなるものですよね。インハウスの友人が「今の会社は、ホワイトだし、ちょっと難しい仕事もできるから」と転職しない理由を教えてくれたことがあります。組織長は部下にチャレンジングな業務を与えているか、求職者の方は新しい職場にその機会があるのか、ぜひご自身に問いかけてみてくださいませ。
成功だけじゃなく、「学習を促すリスクを取った試み」も褒めるって、本当にすごいカルチャーだと思います。リスクを避けてばかりじゃビジネスは進まないって頭ではわかってても、「問題が起きたら法務のせい」になるのが現実だし、良いリスクテイクの「さじ加減」って、本当に難しい。だからこそ、「このラインまではOK」「なるほど、こうやってリスクを取るのか!」というプロセスをチームでオープンに学べる文化って、組織が進化していくには絶対に必要だと強く実感しました!
2. Project & Program Management(プロジェクト/プログラム管理)
Legal Opsの役割は、単なる日常業務の運用に留まりません 。Legal Opsは変革、戦略、リーダーシップ、そして変化を伴う活動そのもの ! だから、戦略的な変革をリードする には、プロマネ能力が絶対に不可欠なんです 。
学んだこと
プロジェクト管理の基礎は、以下の4つの要素をビジョンと目標(Vision and Goal)を中心にバランスよく管理することです 。
スコープ(Scope):プロジェクトの境界(何を含み、何を含まないか) 。
スケジュール(Schedule):プロジェクトの期間と期限 。
予算(Budget):プロジェクトに必要な資金とリソース 。
リスク(Risk):プロジェクトの成功を妨げる可能性のある要因 。
限られたリソースの中で、どのプロジェクトから着手すべきかを決定するために、インパクト(Impact)と労力(Effort)を軸にした「アクション・プライオリティ・マトリックス」が役に立ちます 。
じゅぴたの感想:法務とビジネスの”翻訳者”
このセクションで印象的だったのは、Legal Opsがプロジェクトの中心に立ち、法務とビジネスの「翻訳者」になることが重要という点です。多くの日本企業では、法務部門がLegal Opsも兼任しているからこそ、個々の法務パーソンがこの部門の壁を超える翻訳能力を発揮することがすごく重要! Project & Program Managementの考え方は、法務が戦略的なビジネスパートナーとして真価を発揮するための取り組みなんです!
3. Information Governance(情報ガバナンス)
Information Governance(情報ガバナンス)は、企業情報を管理する包括的なアプローチです。Legal Opsがリスク管理の土台を築く、超重要な領域なんです。
学んだこと
情報ガバナンスは、単なるデータ管理にとどまらず、企業が持つあらゆる形式の情報を対象とします 。
構造化データ:記録(Records)、スプレッドシート(Spreadsheets)など 。
非構造化データ:電子メール(Email)、文書(Documents)、ビデオ(Video)、画像(Images)、物理的な紙の記録(Physical paper records)など 。
Legal Opsは、この情報管理体制を築くための設計と実行を担います 。
具体的な役割:ポリシー作成 、企業が保有する情報資産の特定 、IT・セキュリティ・プライバシーなどの部門との連携 、監査の仕組みづくり など。
最近では、AIガバナンスの問題 、ビッグデータの問題 、グローバルな情報規制(GDPRやプライバシー規制など)に対応することが急務となっています 。
じゅぴたの感想:Legal Opsの役割って広い・・・
情報ガバナンスって聞くと、やっぱりIT部門やセキュリティ部門のイメージが強いですよね。でも、Legal Opsの役割として、彼らとの連携はもちろん、規制理解のために社内外の弁護士(専門家)との連携も必要になるわけです。多くのステークホルダーと連携しながら、適切な情報管理体制を築いていくことこそがLegal Opsの役割なんだと痛感しました。
「何をLegal Opsと呼ぶか」はさておき、広く法務機能に求められる役割って本当に広い! その主導権を握るには、幅広い知識とコミュニケーション能力が不可欠ですね。
4. Knowledge Management(ナレッジマネジメント)
組織全体の法務能力(Legal IQ)を高める基盤となる機能です 。KMと略されることが多いので、ここでもKMと略して説明します。
学んだこと
知識には、容易に文書化できる「表面的な知識」と、経験や知恵に裏打ちされた「深い知識」があり、KMは両方を扱う必要があります。
深い知識を定着させるには、知識共有が認識され、報奨される文化が必要で、インセンティブがなければ、深い知識は個人のノウハウとして眠ってしまいます。
最初の一歩として、現在のツールとワークフローをマッピングし、知識が共有されない原因(サイロ化など)を特定することから始めましょう 。
じゅぴたの感想:KMは「心理戦」
講義を聞きながら、KMって、「個人のノウハウ」を「チームの資産」に変える、まさに心理戦だなぁなんて思っておりました。正直、知識を文書化する側からすれば、「だって、これって自分一人で回せる仕事だし…」ってなりますよね 。自分の時間を割いて、誰かのためにマニュアルを作るなんて、ぶっちゃけ自分のタメにならないのが本音です。チーム愛が試される、手間のかかる作業なわけです。だからこそ、CLOCは「頑張れ!」で終わらせず、知識共有を個人の善意に頼るのではなく、組織の文化やプロセスとして「仕組み化」しようとしているんです。LegalOpsは、この個人技をチームの力へと昇華させるための、変革の担い手なのです!
5. Service Delivery Models(業務提供モデル)
Service Delivery Modelsは、法務サポートを「誰が」「どのように」提供するかを設計する、戦略的な機能です。Legal Opsが法務リソースを最大限に活用するための、設計図のようなものですね。
学んだこと
モデル設計の最初の一歩は、現状把握と目標設定です。
サービスの把握:「どんなサービスを提供しているのか?」
クライアントの把握:「そのサービスを誰に提供しているのか?」
リソース配置の最適化:「そのサービスを最も効率的かつ効果的に提供するために、どこにリソースを配置すべきか?」
最も重要な原則は、「適切なリソース(Right Resource)に、適切な業務(Right Work)を割り当てる」という Right Sourcing(ライトソーシング) です。
窓口設計も重要です。窓口に持ち込まれた作業を効率的に振り分けるとともに、セルフサービスで解決できる業務を切り分けることが鍵となります。
じゅぴたの感想:法務機能ってサービス?
法務機能を「サービス」として位置付ける考え方は、日本企業にはまだ馴染みが薄いかもしれません。私も、CLOCが法務部門に依頼する他部門を「クライアント」と呼ぶのには、当初違和感がありました。当初は、「同じ釜の飯を食べている仲間でしょ?」とか、「究極的なクライアントは株主では?」といった疑問も浮かびましたが、ここでいう「サービス」や「クライアント」は、そういう哲学的な議論ではないと理解しています。
この「Service Delivery Models」の議論の主眼は、「法務部門が、効率的かつクオリティの高いアウトプットを提供できるモデル設計」を徹底的に考えようという点に置かれています。つまり、「サービス」とは、法務部門のプロセスの質と効率を高めるための、実務的な概念と捉えるのが一番しっくりきました。
🔥 おまけエピソード:私の発音、やっぱり日本人?
今日はここまでにしたいと思います。最後に、イベント中のどうでもいいけど個人的に面白かった小話を一つ。
CLOCの参加者の中に、見た目では全然わからない日本人のハーフの方がいらっしゃったんです。私は普通に英語で挨拶したところ、なんと日本語で「初めまして」と返されて、本当に驚きました‼️
理由を聞くと、セミナー中に、私はたくさん質問をさせていただいたのですが、「その発音を聞いて、もしかして日本人かな?と思った」とのこと。
「え、なにそれ、やっぱり私の発音って日本人っぽいんだ…恥ずかしいな」と思いました(笑)😃💦
Legal Opsのセッションでコミュニケーションの重要性が強調されていましたが、まさか自分の英語の発音からアイデンティティを見抜かれるとは!思わぬ形で、文化の壁を越えたユニークな交流ができたのは、大きな収穫でした。

なんとEmojiが紹介されていましたー!!
次回もぜひお楽しみに!👋
