長岡の花火と、ドビュッシーが見たパリの夜空
テレビを何気なく点けたら、長岡の花火大会が生中継されていた。
一般的な5号玉は直径150メートルで、東京タワーの中にすっぽり収まる大きさだそうだ。
対する長岡の花火は、なんと30号玉(三尺玉)。
スカイツリーほどの高さまで上がり、直径は600メートルにもなるという。
そんな大輪の華を咲かせられるのも、周りに高い建物のない開放的なロケーションだからこそなのだろう。
プログラムに並ぶ演目の題名も、とても魅力的だった。
* 米俵の心
* 人が想い描く未来、その先へ
* 心ひとつに
* 未来へ〜平和を願って
* ふるさとの四季
* 長岡から世界へ、希望の花束
* 全ての命にありがとう
など、どれも趣があって、見つめているだけで胸が温かくなる。
花火の音って、どうしてこんなにも素敵なのだろう。
テレビ越しでも、ちゃんと心地よく響いてくる。
中でも印象的だったのが、
花火界のレジェンドと呼ばれる方が手がけた
「天地人花火」
世界初となる「5重芯」の技術や、
二つの花火を絶妙に重ねる打ち上げ方、音楽との鮮やかなコラボレーション……
その彩り豊かな光の芸術にすっかり魅了されてしまった。
テレビでこれだけ感動するのだから、現地で観たら体全体でその響きを感じ取れるのだろうなと思う。
そして、花火を見ながらふと思い出したのが、ドビュッシーの『花火』だった。
ドビュッシーは一体、どこで花火を観たのだろう。
気になって少し調べてみると、
フランス革命記念日(パリ祭)の花火を描いたという説が有力らしい。
この曲は、盛大に華々しく終わるわけではない。
花火が消えたあと、
夜空に煙だけが漂い、
遠くからかすかに国歌が聞こえ、
人々が余韻のなか帰路につく……
そんな景色が音で描かれている。
彼が音に託したのは、まさに「光の変化」そのもの、色彩そのものだなと感じる。
* 夜空に一筋の火が上がる
* パッと光が散る
* 光が消える
* 煙が漂う
* また次の光が生まれる
一瞬の煌めきが、目に見えるように浮かび上がってくるようだ。
テレビ越しでも、これほど楽しめた夏の夜。
いつか、実際に観に行きたいなと願う。
クロード・ドビュッシー:前奏曲集 第2集 L. 123:第12曲《花火》(ライブ)
クリスティアン・ツィマーマン
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