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「歌がうまい」と「伝わる歌」は、同じじゃない

昨日、「歌の表現」をテーマにした無料体験会を開催しました。

ありがたいことに13名の方が参加してくださいました。

本当は30分の予定だったのですが、一人ひとりの質問に答えていたら、気づけば1時間を超えてしまって。

その体験会のあと、参加してくださった方から、とても嬉しい感想をいただきました。

その中に、こんな言葉がありました。

「音程など『間違えちゃいけない』という意識が、良くも悪くも染み付いてしまい、『何を伝えたいか』が後回しになってしまった気がします。」

これを読んで、昨日この講座をやってよかったな、とつくづく思いました。
これはまさに私が伝えたかったこと。

間違えないことが、歌の目的になっていないか。

音程を外さないで歌えるか。

リズムにちゃんとのれているか。

歌詞を間違えないで言えるか。

もちろん、どれも大切ですし
それをずっと気をつけていれば
そこに意識が向いてしまうのは当然です。

私もレッスンでは確かに細かくお伝えしています。

でも、それを全部守ることが「歌う目的」になってしまったら、私は少し違うな、と感じるのです。

だから私は生徒さんに、

「ステージに立ったら、レッスンで私が言ったことは全部忘れて下さい」

と言います。

練習では徹底的にやる。

でも本番では忘れる。

忘れてもできるところまで身体に入れることが、練習だからです。

そしてステージに立ったら、

「音程を外さないように」

ではなく、

「私はこの歌で何を伝えたいんだろう?」

そこに意識を向けてほしいのです。

歌には、その人が考えていることが出る。

私は長年たくさんの方の歌を聴いてきましたが、歌って、本当にその人の意識が出るものだと思っています。

「この歌詞を伝えたい」

と思っていれば、自然と言葉を大切にする。

「このグルーヴの気持ちよさを伝えたい」

と思っていれば、リズムへの意識が強くなる。

反対に、

「歌詞を間違えないかな」

と思っていれば、その不安も歌に乗る。

「上手に歌わなくちゃ」

という意識が強ければ、それも歌に乗ります。

「どうだ私の歌は上手いだろう?」

そこが全面に出ている歌もあります。


「歌がうまい」と「伝わる」は別のこと

感想の中に、もう一つ印象に残った言葉がありました。

「若い方々の『歌うま』具合に、びっくりして、ときに凹んでしまうこともあります。歌がうまいことと、伝わることは、別のことなので、どちらもひっくるめて表現していきたいと思いました。」

本当にそうだと思います。

もちろん、歌唱技術はあった方がいい。

でも私は、

技術は「伝えるための道具」

だと思っています。

ビブラートもそう。

声の強弱もそう。

語尾を強く切ることも、優しく置くことも、まっすぐ伸ばすことも。

「こうすれば上手く聞こえるから」使うのではなく、

自分が伝えたいものを届けるために使う。

そのために、たくさんの技術の引き出しを持っておく。

それが「表現」なのだと思います。

時には子どもに本を読み聞かせるように。

昨日の講座では、

「歌詞を伝えるときは、子どもに本を読み聞かせるように」

という話もしました。

もし桃太郎を最初から最後まで同じ調子で棒読みしたら、小さな子どもはきっと途中で飽きて、別の遊びを始めてしまいます。

「それで?」

「次はどうなるの?」

と思わせるから、物語を聞いてくれる。

歌も同じです。

メロディーはあるけれど、その中には物語があります。

だから、

「次の言葉を聴きたい」と思ってもらえるように歌う。

そんな意識を持つだけでも、歌はずいぶん変わります。

「上手に歌う」から、「伝わる歌」へ

昨日は無料体験会だったので、表現のほんの入口しかお話しできませんでした。

歌には、

ビブラートを使うのか、使わないのか。

語尾をまっすぐ伸ばすのか。

強く切るのか。

優しく置くのか。

息を残すのか。

言葉のどこを強くするのか。

どこに間を作るのか。

まだまだたくさんの表現方法があります。

でも、その前にあるのはいつも、

「私は何を伝えたいのか」

です。

8月28日(金)21:00からのグループレッスン「歌の表現講座」では、ここからさらに具体的に、実際に声を出しながら表現の引き出しを増やしていきます。

昨日の無料体験会にご参加いただいた方は、一般8,000円のところ5,000円でご参加いただけます。

歌を「間違えずに歌う」だけではなく、

自分の歌で、何かを伝えられる人になりたい。

そんな方と一緒に学べたら嬉しいです。

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