日々の気づき0006・ピラティスとマインドフルな歩行
4月初旬に家の階段を踏み外し、右足の甲を骨折、その後1か月以上、ギプスと松葉づえの生活が続いた。
骨折から3か月半がたった今は、外を歩く時に杖は使っているが、だいぶ自然な歩行に近い歩きが出来るようになった。
しかしこの10日ほど気になることがある。歩いているとき逆に左足がよく躓き、前につんのめることが多くなったのだ。平坦な道でよくある。たぶん歩くスピードが骨折前にほぼ戻ったのに、足が充分に上がらないからだろう。まだ転ぶまでには至っていないが。
それで左足の上げ下げに注意して歩かなくてはと思いつつ、すぐ注意を忘れて他のことを考えていてまた躓くということがよくあった。足にずっと注意を向けているのは難しい。しかしそこはヴィパッサナー瞑想に取り組んだ経験を活かし、歩行時は足の動きにマインドフルネスを保つ(サティを続ける)ことを決心した。逆にこれがサティのよい訓練になると思い直したのだ。ヴィパッサナー瞑想でも歩行瞑想は重要な位置を占めている。
今は、ミギ、ヒダリと足の動きへのラベリングを中心にサティを心掛けている。もちろん足へのサティを忘れて他のことを考えてしまうこともある。その時はその思考に気づき、サティをした上で、また足の動きに注意を戻すのだ。
ところで私は最近ピラティスのセッションを受けるようになった。といってもまだ2回セッションを受けただけだから、何も知らない初心者もいいところだ。セッションに行くと、セッションの前後に歩く姿を動画に撮影され、歩く姿勢やクセのチェックを受ける。それだけ歩行が大切だということだろう。
ピラティスにとって歩行は、日常動作の中でピラティス原則を活かし、体幹の安定・姿勢改善・効率的な身体の使い方を体現する重要な実践の場なのだという。歩行は単なる移動ではなく、「全身の統合された動き」の最も重要な実践の一つと考えられ、「歩き方はその人の身体の使い方全体を映し出す」と捉えられている。だとすれば私は日々の歩行の中でピラティスの訓練ができるわけだ。
ヴィパッサナー瞑想では「歩く瞑想」が重要な要素の一つだが、ピラティスでもまた、歩行は「動く瞑想」だと捉えている。コアの安定、脊柱の伸び、呼吸の調和がそろうことで、歩行は単なる運動から身体と心の統合的な表現へと変わるというのだ。
ピラティスで、歩くとき一番重要視されるのは「頭が天井から引っ張られているように歩く」ということ。要点は、* 首を伸ばす、* 胸を軽く開く、* 腰を反らせない、* 背骨を自然なS字に保つということだという。
さらに、多くのピラティス指導者は次のように指導しているという。これなら分かりやすい。
* 頭は空へ伸びる
* 首を長く
* 肩を下げる
* 肋骨を締める
* お腹を軽く引き込む
* 骨盤を安定させる
* 股関節から脚を動かす
* 足裏全体で床を感じる
* 指先まで力を伝える
* 呼吸を止めない
現在私は、躓きを防ぐという理由もあって足の動きにサティを続ける訓練をしているが、「足裏全体で床を感じる」 「指先まで力を伝える」というのは、さらに注意対象を絞れて効果的だろう。そこに注意を集中しつつ歩き、時に頭は空へ伸びる、 首を長く、 肩を下げるなどピラティスが重視するポイントへのチェック、マインドフルネスを保ちながら、日々の歩行を行おう。
初心者中の初心者である私にとって、マインドフルな歩行の訓練から入ることがピラティスの理解と探求へのよい足がかりになるかもしれない。もちろん同時に歩行の質は、ピラティス経験の深まりと共に限りなく向上していくものなのだろう。
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