極偏映画語り ~洒落て洒落て洒落て洒落て洒落る! 洒落ることがすべて~第3回 スティング
結論から先に言う。
この映画はとにかく、洒落た映画だ。
洒落てるといっても、別にきらびやかなファッションが登場するわけでもないし、気障なセリフがポンポン飛び出すこともない。
が、抜群に洒落ている。
ストーリーは例によってどうでもいい。一言で言えば、ギャングの親玉相手のコンゲームだが、そんなことは些末なことだ。こんなことを言うのは俺だけかもしれないが、だがやはり、そうとしか言いようがない。
死人が二人出る。死体が出てこない死人はもうひとりいる。が、どれからも死の匂いがたちこめない。
しつこい刑事にロバート・レッドフォードが追いかけられる。何だか楽しそうで、刑事も憎めない。
親玉がハメられる。手口は鮮やかだ。一歩間違えれば殺されるような場面でも、安心して観ていられる。洒落たコーティングがされているからだ。

この映画には、ウェットさが微塵もない。ひたすらドライに決めていて、どこか冷めた視点で描かれる。それがたまらなく洒落ている。
音楽がそれに拍車をかけている。軽やかで洒落たナンバーが、合間合間にはさまれて、生々しさも泥臭さも、血生臭さも覆ってしまう。
いつだって、少し野暮ったいアメリカ映画が、懸命に洒落ようとキメた映画なのだ。
だから、ストーリーはあちこち抜けている。
ラストのどんでん返しも、冷静に考えれば騙されない。
が、そんなことはどうでもいいのだ。
だって、洒落てるのだもの。
ニューマンもレッドフォードも、彼らの仲間たちも、敵役たちも、みんなみんな、洒落ているんだ。洒落てることこそ正義だ。洒落者バンザイ!
以上、語り終わり。
また次回
