学園潜入捜査編|エピソード蔦 Vol.1 ~とある事件を追う タブロイド紙記者・蔦(Tsuta)の登場~
彼女の名前は、蔦(ツタ)
タブロイド紙の記者である。
とある学園の汚職事件—
その事件の真相に迫るため、学園に潜入している。

ここまで、いくつかの情報は手に入れた。
匿名の情報提供、内部書類のコピー、寄付金の流れ、理事長の不自然な海外出張など。
だが、決定的に裏付けるものが無い…
イマイチ確信に繋がらない。
「まさか背後に、とんでもないのが絡んでいたりして…」
蔦は小さく笑う。

話は少し変わるが、
学園に潜入してから1カ月ほど経った頃、
なんか不思議と波長が合う子に蔦は出会った。
「楽しい…この子と話していると、とにかく楽しくて時間を忘れてしまう」
蔦はそう感じていた。

倫と言う名前の子なのだが…
明らかにこの学園の生徒っぽくないところ、
本人が周囲にはバレていないと思っているところが、また面白い。
倫と色々と話しているうちに蔦が聞き出したのが、
どうやらこの子は、学園内で起きている不可解な現象を調査しているらしい。
自発的に調査しているのか、
誰かに依頼されているのか、
そこまでは聞き出せなかったが…
まあ誰かに依頼されているのであれば、普通はそこまで話さないだろう。
そしてもう一人、倫の友人?
梛という子だ。

この子からは何も聞き出すことができなかった。
梛の印象…とにかく地頭が良い子。
悪い子ではなさそうだが…
なんだか、倫と違って少し波長が合わない…
本人から聞く話によると、梛はクラヴマガやジークンドーを修得しているらしい…見た目に反して武闘派だ。
いずれにしても、倫と違って余計なことは喋らない感じだ。

しかしまあ、倫といると少し調子が狂うのは確かだ…
そんなことを思っていた時、
蔦のもとに1通のメールが届いた。
件名:匿名情報
背後にはvelvetがいる—

背後にはvelvetがいる—
蔦は画面を見つめたまま動かなかった。
velvet。
メディアの人間なら、誰もが知っている名だ。
この学園と、その名が繋がるとは…
これまで全く想定していなかった。
蔦はゆっくりと画面を閉じた。
つづく—
