画像生成はNano Banana Proだけでいい! 第2回目:AIショートドラマの作り方/Sora 2 ProとKling O1モデルの連携 - Blog 2026/01/16
前回の続きです。
引き続き、「3日で1分」のAIドラマ制作を検証を兼ねて続けています。
「毎日1分」の通常エピソードの投稿では、ある程度テンプレ化できていたので、わりと早く習慣化できましたが、AIドラマはストーリーがあるのでかなり大変です。
大変…といっても、これを3DCGアニメで制作すると3日では絶対に無理で、1分のムービーでも数週間はかかります。
今回はエピソード4です。
昨日、公開しています。
AIドラマ・エピソード4「迎撃」:
ドクロ島を脱出せよ!ひかりの天然無双
再生時間:58秒
毎日投稿の通常エピソードでは「編集」がほとんどありませんが、AIドラマは高度な編集作業があるため、After Effectsが重要なツールになっています。
通常とAIドラマを比較すると、絵づくりに大きな差異があることを確認できると思います。
※通常エピソードは、動画を繋げているだけなのでmacOS用のスクリーンキャプチャ「ScreenFlow」の簡易な編集機能を使用しています。
ミサイルの発射シーン
破壊された研究所シーンの作業の流れ。
まず、登場人物のリファレンスを使ってシーン画像の生成。
※「ひかりの天然無双」は、Nano Banana Proを駆使しています。現在、他の画像生成AIモデルは使用していません。Nano Banana Proだけで作業しています。

プロンプト(Nano Banana Pro専用):
メガネの女性と高齢の男性は老朽化した窓のない真っ暗な研究室の機械が無数に並ぶ部屋で機械を操作している。真っ暗な部屋の床には故障した機械が散乱して大量の煙が出ている。彼らの後ろには光沢のある濃いグリーンの巨大な円柱型の半透明のカプセルが置かれている。カプセルの中には大量の水があり輝いている複数のランプがあり最新鋭のミサイルが入っている。大量の煙。
Quality & Style Modifiers: Hyper-realistic, 8k resolution, UHD, RAW photo, shot on 70mm, detailed skin texture, visible pores, subsurface scattering, cinematic lighting, volumetric lighting, depth of field, sharp focus, bokeh background, masterpiece, photorealistic.
生成した画像は左側です。
この画像をリファレンスにします。
プロンプト:
背景のミサイルが入っているグリーンのカプセルを消してください。
ミサイルとカプセルを消した画像が右側。
この2つの画像を使って、Kling(もしくはGoogle Veo)のStart/Endフレームの設定で動画生成します。


さらに生成画像からミサイルを抽出しておきます。
プロンプト:
グリーンのカプセルの中のミサイルだけを抽出して製品カタログのように表示してください。背景は白にしてください。

もし、ミサイルが重要なアイテムなら、先にミサイルをデザインしてから、生成したミサイルの画像と研究所の画像をリミックスします。
何が重要か判断して作業の順番を決める必要があります。
このシーンの場合は、ミサイル自体の重要性が低いため、上記のような作業の流れになっています。
Klingのプロンプト(ミサイルのシーン):
※Klingは英語プロンプトにする
Missiles streak across the night sky at incredible speeds. Massive plumes of smoke, flames, and sparks. Intense vibrations. High-speed footage.

次はミサイルの発射後のシーン。
ベースプロンプト:
鋼鉄の黒いタブレットを持っているメガネの女性と高齢の男性は老朽化した窓のない暗い研究室の機械が無数に並ぶ部屋で驚いた表情で正面上方向を見つめている。背景には故障した機械が散乱して大量の煙が出ている。カメラは彼らの顔を撮っている。
Quality & Style Modifiers: Hyper-realistic, 8k resolution, UHD, RAW photo, shot on 70mm, detailed skin texture, visible pores, subsurface scattering, cinematic lighting, volumetric lighting, depth of field, sharp focus, bokeh background, masterpiece, photorealistic.
編集プロンプト:
2人にグリーンの明るく強烈な光があたっている。
Quality & Style Modifiers: Hyper-realistic, 8k resolution, UHD, RAW photo, shot on 70mm, detailed skin texture, visible pores, subsurface scattering, cinematic lighting, volumetric lighting, depth of field, sharp focus, bokeh background, masterpiece, photorealistic.
ミサイル発射は動画生成で実行しますが、発射後のシーンは画像を生成しなければいけません。
2人が天井を見上げているシーンは生成した画像に対して、グリーンの色調を追加しています(追加プロンプトで編集するだけ)。
Nano Banana Proの得意領域です。

重要なのは、プロンプトではなく、リファレンスの設計です。
驚くのは、ここまで一度もPhotoshopを起動していないことです。
Nano Banana Proが登場するまでは、Photoshopが必須でした。旧モデルのNano Bananaは頭脳(Gemini)がなかったので、プロンプトの忠実度が低いため、必ずPhotoshopを必要とする修正作業が発生していました。
現在は、Nano Banana Proによって、あらゆる画像処理がビジュアルプロンプティングで完結します。
※だからといって、Photoshopが不要になるわけではありません。
Photoshopに(異常な早さで)Nano Bananaが実装されたり、Google Cloudとの戦略的パートナーシップを発表するなど、Adobeは競争力学の根本的な転換を進め、AI統合が競争優位性の新たなフロンティアであることを打ち出しています。
前回の記事で紹介したとおり、プロンプトによる1発出しで試行錯誤するのは得策ではありません。
シーンの構成要素を分解して、ミニマムな絵づくりから始めます。
生成して編集、また生成して編集、を「シンプルなプロンプト」で繰り返します。
※連続生成は精度が落ちるので一度ダウンロードしてから編集します。
長文プロンプトはできる限り避けて、シンプルな画像から(シンプルなプロンプトを使って)編集を繰り返し、自分の意図したイメージを作り上げます。Nano Banana Proだからこそ、このような段階的詳細化が成立します。
Sora 2 ProとKling O1モデルの連携
まだ検証中ですが、Sora 2 ProのBロール以外の使い道を模索していますので、簡単にメモ書きしておきます。
Sora 2はGoogle Veo 3.1より高性能な動画生成モデルですが、人物を含むリファレンス画像の参照を禁止しています(デフォルメされたイラストの人物などは利用可能)。
そこで、Sora 2で生成した動画を「KlingのO1モデルで人物を入れ替える」テクニックを検証することにしました。
以下の動画(左)は、Sora 2 Proで生成した10秒の動画です。
KlingのO1モデルを使って、人物のリファレンス画像を参照させています。

Sora 2 Proのプロンプト:
1980年代の日本の秋葉原のニュース映像。
1980年代のファッションでSpace Bunsヘアーの若い女性レポーターが家電量販店に入って、パソコンコーナーを紹介する。
店内には、大きな筐体の上にブラウン管のディスプレイを置いた1980年代のパーソナルコンピューターが多数並ぶ。
女性レポーター:「今日は人気のアドベンチャーゲーム「せとないかい殺人事件」の発売日です。」
パソコンのディスプレイにゲームの画面が表示される。
パソコンのスピーカーから8bitの電子音楽が聞こえてくる。
女性レポーター:「ゲーム画面が出てきましたよ!キレイなグラフィックですね!16色同時発色なんですね、すごい!」
店内には、1980年代の日本のアイドル歌謡曲が流れている。
Kling O1のプロンプト:


リファレンス画像の人物に変わりました。
元のSora 2 Proの動画の「人物だけ」が入れ替わります。

ただし、生成された動画の品質はかなり低いので、コンテンツ制作の素材としては(今のところは)使えません。
※「ひかりの天然無双」でも、まだこの手法は取り入れていません。
溶けたような動きになってしまう
O1モデルは、フレームごとの変化量が大きすぎると「腕がA地点からB地点へ移動した」と認識できず、「A地点にあった腕が消えて、B地点に新しい腕が現れた」あるいは「その間をモーフィング(変形)させて繋ぐ」という処理をしてしまいます。
これが人間の目には「溶けている」ように見えます。
オクルージョン(隠れ)とディスオクルージョン(新しく見える面)が鬼門
腕を大きく振る/体をひねる/手が顔の前を横切る、のような動きでは
隠れていた背景が突然見える
指や手の一部が一瞬だけ見える
服のしわや輪郭が高速に変わる
が発生します。
O1モデルはここを「物理的に正しく復元」するより、それっぽく補完(ハルシネーション)しがちで、補完が連続すると「溶け」に見えます。
O1は新しいモデルなので、早期の改善が期待できます。
ただ、その前にGoogleのVeo 3.xの上位版(あるいはVeo 4)が、Klingを上回る技術力で破綻なく生成してしまう可能性があります。
フェイク動画対策でルールは厳格になる
Sora 2 がリアルな人物を含むリファレンスの使用を禁止しているように、今後、O1モデルの精度が向上した場合、倫理的ガードレールやモデレーションシステムはより厳しくなることが予想されます。
特に、Klingはバイオレンスに厳しいので(「血」を「ケチャップ」に置き換える等の)トリックも効かなくなる可能性が高そうです。もちろん、未成年の生成も制約が増えるでしょう。
ドラマ制作ではセンシティブなシーンも多々あるため、どんなに技術が進化しても「解決しない問題」として、何らかの指針(映像演出で補う、ローカン環境の構築を計画していく等)をクリエイター側が主体的に策定し、共有しておく必要があります。
※大企業を対象としたエンタープライズ契約では、カスタムモデルが提供されるため、法務部との連携で、これらの問題に対しても柔軟な対応が可能になるはず。
Nano Banana Proの技法を試行する場所
「ひかりの天然無双」は、最新AIモデルやNano Banana Pro技法の試行場所となっています。ショート動画中心なので技術の詳しい解説はありませんが、最新テクニックの「サンプル映像」として確認できます。
「毎日」1分を「1人」で「4コマ漫画を描くように」つくる
AIドラマの場合は「3日」で「1分」になる最先端のAI技術を積極的に試すための場所
この取り組みは、2026年3月31日まで(継続については3月下旬に判断)
関連マガジン:
更新日:2026年1月16日(金)/公開日:2026年1月16日(金)
