見出し画像

「GENBA Playbook(IPO編)」 第5章:上場審査の実践 - 書類作成とヒアリング対策

割引あり

数年にわたるIPO準備という航海は、いよいよクライマックスを迎えます。東京証券取引所による「上場審査」。それは、これまで私たちが築き上げてきた船の性能、航海計画の妥当性、そして船長である経営陣の覚悟、そのすべてが問われる最終試験です。

作家の視点で語るならば、ここは物語の第三幕。主人公が、これまで培ってきた力と知恵のすべてを懸けて、最大の試練に立ち向かう場面です。この試練は、分厚い申請書類という「筆記試験」と、審査担当者との対話である「口述試験」の二部構成になっています。そして公認会計士として断言できるのは、この試験に「一夜漬け」や「その場しのぎ」は通用しないということです。すべての問いは、過去の行動や数字の裏付けを求められ、すべての答えは、企業全体の一貫した物語として語られなければなりません。

本章では、この最終試験を突破し、栄光の上場の鐘を鳴らすために、申請書類という名の脚本をいかに磨き上げ、ヒアリングという名の舞台でいかに説得力のある演技をするか、その実践的な方法論を解き明かします。

5-1. 上場申請のプロセス

上場審査は、ある日突然始まるわけではありません。取引所との間で、定められた手順に則った厳格なコミュニケーションを通じて進行します。このプロセスを理解することは、審査というゲームのルールを把握する上で不可欠です。

上場申請エントリーから事前確認、申請まで

ここから先は

6,060字

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?