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【読書記録】『空飛ぶ馬』

またまたハマってしまいそう。
[円紫さんと私]シリーズ。

北村薫さん。空飛ぶ馬。

去年noteでその名を知り、
フォローしてるnoterさんたちが記事にするたびに
いつか読もう!とリストに入れていて、やっと読めた一冊。

(私のことかな?僕のことかな?と思ってくださったnoterさん方、良い本をご紹介下さりありがとうございます)

『空飛ぶ馬』

北村 薫/著者
東京創元社(1989.3月初版)

私の無知は鮎川哲也氏からはじまります(苦笑)

十三の謎が、推理小説界の重鎮・鮎川哲也氏の監修の元に刊行された新鋭作家達(13冊目は公募らしいけど、誰だったんだろう?)の推理小説ということで、本書はその6冊目なのだと、知りました。
私でもその名を存じ上げている有栖川有栖さんや宮部みゆきさんも既刊作品としてあげられていました。(未読ですが・・・)

北村薫さんは、当時覆面作家として匿名で作品を発表されていたんですね。

鮎川哲也氏は本書のあとがきともいえる解説で、編集長に揺さぶりをかけても性別を明かさず、「熱烈な賛辞を呈したのは、薫女史が女性であると信じたがために他ならない。」と書かれているのがおもしろい。本当は男であると分かっていて称賛しているのだろうけれど^^



[円紫さんと私]という名がついているのは、
主人公の女子大生の私(が主に話を持ってくる)、噺家・春桜亭円紫師匠が謎を解いていくシリーズだから。

私、落語も無知なもので、本書でみる専門用語も演目もさっぱり。
知識があればなと思いながら有難くググりつつ、ハマるのも納得するくらいとても良かった。

テレフォンカード・インスタントカメラ・マニュアル車など現在との時代を感じさせるもののその時代背景も懐かしく、オードリー・ヘップバーンを想像させる主人公と円紫師匠の人柄とその推理が面白くもかっこよくもあり、その他の登場人物たちもそれぞれにいい味があって、著者の志向・作風なのでしょうか(本書しか読んでないけど笑)読後感がふわりと心温まるものであったことが大きい。それが少し悲しい謎であっても。

「子どもの前にはこれからの、驚くべきこと、学ぶべきこと、歌う歌、歩く道、飲む水、吸う空気、ものもののものが待っています。この子のお母さんは、それを決して取り上げなかった。それだけでも僕はこの子の運を信じてあげていいような気がします。」

『空飛ぶ馬』より
「胡桃の中の鳥」円紫さんの言葉


短編が5つ。

  • 織部の霊(円紫さんとの出会い)

  • 砂糖合戦(<アド・リブ>での三人の魔女)

  • 胡桃の中の鳥(東北の旅での母娘)

  • 赤頭巾(森長さんの嘘)

  • 空飛ぶ馬(クリスマス会での帽子)


どの話も死者は出ないのです。
落語家の推理力で、日常にある謎が解かれていく。

なんでだろ?あれ?、変だな~と思いつつも
見過ごしてしまう蔑ろにする些細なこと。

それって本当はたくさんあるんだなぁ~と思った。
知らないままがいい場合もあるのだろうけれど、
その理由を明らかにすることで、
また深い見方、違った見方が出来るのなら、
私は知らないままより、
知っている方がいいなぁと思う。




殺人ないのって、小説にするの難しくないのかなぁ?

その前に読んだミステリーが、
実際に起こった事件から着想を得て著者が描いた、事件の謎解き(真相は分からないものの)を作品としたもので、現在の社会現象や人間心理も含まれエンタメと思えない感覚があり、これもある意味凄いなぁと思いましたが、本書のような小さな日常の謎を見つけ拾い上げ推理小説としていくのって、なかなか凄いことなのではないのでしょうか。


とにかくシリーズは5冊あるそうで。
またまた楽しみが増えました^^

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