【絵本】きょうは、おおかみ /心の憂鬱と近くにいる者の向き合い方を優しく描く
この絵本は、桔梗🌸日々のあれこれさんから教えていただいた作品。
絵本紹介記事に詳しく書かれていますが、イギリス生まれの小説家キョウ・マクレアの2作目の児童書となったこの絵本は、イギリスの作家ヴァージニア・ウルフ(Virginia WOOLF)へのオマージュとして作られた、姉である画家ヴァネッサ・ベルとの姉妹の絆を描いた作品。
絵を担当したイザベル・アルスノーが描いた絵は、カナダが誇る最高のイラストレーターと書かれているように、とても可愛らしく魅力的。
この絵本を図書館で探すと、やはり”きょうだい”のコーナーにありましたが、柳田邦男氏のレビューには心(精神)の領域を平易で的確に描いた作品とあり興味をもちました。
(桔梗🌸さん、ありがとうございます)
あるひ、いもうとの バージニアは めがさめると、
おおかみみたいに むしゃくしゃしてた。
おおかみみたいに ぐるるる、がるるる。
おおかみみたいな ことをする。
妹の心の憂鬱(=おおかみきぶん)が少しでも晴れるようにと、姉バネッサは妹を想う心とその想像力でアイディアを思いつきます。
イザベル・アルスノー/絵
小島明子/訳
きじとら出版(2015年)
オマージュとして作られたとのことで、ヴァージニア・ウルフについて調べてみました。
家族の死から若い頃神経衰弱になり長い間うつ病を患いつつ、作家となり夫と版元を立ち上げるも59才で自死。夫に宛てた彼女の美しい文章(遺書)も公開されていました。調べれば調べるほど苦しくなる彼女の生涯。
絵本では精神が不安定なことを”おおかみきぶん”としたり、画家である実姉のことや夫と出会ったブルームズベリー(ロンドンにある芸術家が集まり移り住んだ地区)のワードも効果的に使って、子どもにもわかりやすく心が病む状態や接し方を伝えるとても深い絵本であることが分かりました。
明るい気持ちになれること
(気分を引き上げること)
姉のバネッサはおおかみになってしまう妹に、何が気分を引き上げるかたずねます。
「この空を 飛んでいけたら いいかもね」
悲しい気持ちにならない所へ行けたら…と答えるバージニアに、絵の得意なバネッサが想像力を使い妹の為にしたことは…。
ブルームズって、きれいにさいた はなのこと。
ベリーは、あまい きのみ、くさのみ。
絵本で、可愛い素敵なブルームズベリーを!
おおかみきぶんを引き上げるもの、
私のブルームズベリーにあるものも考えてみよう^^
実際に、目の前で苦しんでいる人を理解するのも寄り添うことも容易なことではないのだろうと想像しますが、「何かしてあげたい、何かできることは?」の根底あるその人を大切に思う「愛してるよ」って気持ちは、目の前にいる人の心に響くのだろうと思います。
