FDA Traditional 510(k) eSTARの作成 - Reprocessing, Sterility, and Shelf-Lifeセクション
米国クラスII医療機器の申請(Traditional 510(k))について、今回は「Reprocessing, Sterility, and Shelf-Life」セクションの記載すべき内容を説明します。なおReprocessing(使用施設で行う再処理:洗浄・消毒・滅菌など)とSterility(出荷時に滅菌済みとして表示する機器)の2つのセクションについて書いていますが、例えば「滅菌」は、ReprocessingとSterilityで意味が異なる(規格・ガイダンスが違う)ことにこ注意下さい。
なお、eSTARを使った米国クラスII医療機器の申請(Traditional 510(k))は下記マガジンにまとめています。特に Biocompatibility 項については、記載例や私が実際に経験した照会例などを含む、実務でより役立って時短になる有料記事も掲載しています。宜しければご参照ください。
Reprocessing(再処理)

Device descriptionセクションで、"a reusable single patient/multi-patinet use device(s)"にチェックをした場合は、ReprocessingがeSTARフォーム上に出てきます。設問は主に、「この情報はIFUのどこに記載されてる?」です。そのため、再処理用取説の内容とFDAガイダンスを理解しておかないと回答は埋められないのでご注意下さい。例えば、設問の中には 「thoroughly cleanと書いてある取説とページ番号は?」というのがあります。内腔チャネルをフラッシングする工程がある場合は、この “thoroughly clean” にはフラッシング液量などの記載も含まれるようです。
Microbicidal Process:

洗浄パートの後は、申請デバイスが滅菌/高水準消毒/液体化学滅菌/中・低水準消毒のどれに該当するか(もしくは洗浄のみか)を選択し、洗浄パートと同様に設問へ回答します。ここも、要求事項がどこに記載されているかを回答していく内容になってます。
Sterility(無菌性)

この無菌性に関するセクションは、"Is the device or a component packaged as sterile?"という質問にYESと答えていると出てきます。再処理プロセスでの滅菌とは違うことに注意して下さい。
eSTARフォームに記載されているとおり、510(k)では滅菌バリデーションがFDA認定の規格・基準に従っている限りは、無菌性の試験報告書を添付する必要はありません。従った規格と無菌性保証水準(SAL)を記載・選択してください。なおFDA認定の規格・基準で無い場合は、滅菌バリデーションプロトコルの添付が必要になります。
ちなみに、SALは多くの医療機器で10^-6 を用います。機器が健常な皮膚のみに接触する場合は 10^-3 を選べます。
Non-Pyrogen部分:

「non-pyrogen(無発熱性)」が要求される、または「non-pyrogen」を表示したい場合は、FDAガイダンスに基づき追加情報を提出する必要があります。具体的には「LAL and Rapid Pyrogen Test」または「Other」を選択し、要求情報を記載した文書を添付します。参考までに、本記事の最後にFDAガイダンスに記載の要求事項をコピペ(機械翻訳)しておきます。結構、重くて面倒くさい内容です。
包装に関する概要については、記載例をご参考下さい。今更ですが、蒸気滅菌で例を書いてます。
Guidance and Special Controls Adherence:
機器タイプにSpecial Controls(特別管理)がある場合、その内容と対応を記載した添付書類+ページ番号を回答して下さい。Special Controlは、CFRまたは機器特有のFDAガイダンスがあれば、そこに記載されています。
Shelf life(使用期限):

機器の使用期限(Shelf life)の期間を選択し、包装バリデーションの概要を記載して下さい。概要は記載例を参考頂ければと思います。
最後に非発熱性への評価が必要な場合に、ガイダンスに記載された申請時に記載すべき情報のリストを下記に書いておきます。
それでは本日も貴重なお時間ありがとうございました。
(非発熱性が必要な場合の追加情報)
機器でnon-pyrogenが必要な場合、FDAは申請において以下の情報を提示することを推奨しています。詳細はFDAガイダンス “Submission and Review of Sterility Information in Premarket Notification (510(k)) Submissions for Devices Labeled as Sterile”を参照してください。
1. 機器が発熱性物質(pyrogen)限度の規格を満たすと判断した方法の説明(例:細菌性エンドトキシン試験(BET)。Limulus amebocyte lysate(LAL)試験とも呼ばれる)。
2. エンドトキシン試験を全バッチで実施することを確認する文言、または全バッチで実施しない場合には、FDAガイダンス “Pyrogen and Endotoxins Testing: Questions and Answers”(https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/pyrogen-and-endotoxins-testing-questions-and-answers)で推奨されている、工程内試験および/または最終製品出荷判定におけるサンプリング計画に関する情報。
3. 選択した試験限度(testing limit)の特定。
4. 選択したエンドトキシン限度を支持する説明(FDAガイダンスには推奨エンドトキシン限度が示されており、限度は機器タイプにより異なります)。
