プールサイドより #043 水平と垂直
poolをどういうふうに展示しようかと考えたとき、
水平と垂直を組み合わせるのが良いような気がした。
どうしてそんな気がしたのか。
ふりかえって分析してみたいと思います。
まず、水平と垂直をまぜる見せ方のポイントは何かと考えてみると、
「一度にすべてを見ることができない」
ことのような気がします。
たとえば床と水平に展示された写真は、遠目からはよく見えません。

Installation view・Photo by Keizo Kioku
左のテキストと右の絵のあいだに水平の写真があるのだけれど、見えない。近づいて、上からのぞき込むことで、やっと見ることが出来ます。

Installation view・Photo by Keizo Kioku
一方で、こうして水平の写真を上からのぞいている時には、壁にかかった垂直方向の絵を見ることは、むずかしい。
だから、見えない部分が、常にある。
すべてを同時に見ることは、できない。
月の光で撮影して太陽の光でプリントしたpoolには、
月の光と日の光、夜の時間と昼の時間の両方が、写っています。
でも、別々にあった光や時間は、本来であれば同時に見ることは難しい。
本来同時には見えないはずのpoolのなかの光や時間を、展覧会という形で現実空間に呼び戻そうとするとき、水平の写真と垂直の写真を組み合わせることで、両者を同時に見ることが出来ない状態をつくりだす。
そうすることで、同時に無いはずのものが重なってあるpoolの時空とは真逆の、いわばpoolを反転させたような、そういう展示空間があらわれてくるのではないか。
その反転した空間のなかで、poolを見る人は、水平と垂直の、ふたつの異なる視点のあいだを、行ったり来たりします。
それは月と日、夜と昼を行き来することで形づくられたpoolの生成過程での振る舞いと、どこか似ているようにも感じられます。
poolがpoolとして形になる以前の動きと、
poolになったpoolを見る人の動きが、連動している。
poolの内部と外部が、複数の異なる光や時間や場所が、
poolの表面を境に、呼応する。
水平と垂直の直感のなかみは、
こんなようなことだった、
かもしれません。
ということで、
水平垂直ミックスの方向で、
具体的な展示計画に入っていきます。
