迷わない保湿ケアの基本~セラミドとバリア機能で肌を守る方法~
こんにちは、コスメ学長です。

「スキンケアは、まず保湿と紫外線対策から」——コスメの森に集う皆さんにとっては、もはや当たり前の基本。頭にしっかり刻まれているフレーズではないでしょうか。
ご存じの通り、私たちの肌は単なる一枚の膜ではありません。
実際には、性質の異なるいくつもの層(レイヤー)が重なり合った、非常に複雑な構造をしています。それぞれの層には異なる成分や機能があり、役割を分担しながら肌を守っているのです。
ここでぜひ知っていただきたいのが、この複雑な構造の多くが、表皮にあるたった1種類の細胞——「角化細胞(ケラチノサイト)」の形態変化によって作られているという驚きの事実です。
ケラチノサイトは、表皮の一番下にある「基底層」で生まれたあと、いくつもの段階を経て形や性質を変えながら、徐々に皮膚の表面へと押し上げられていきます。そして最終的には「角層細胞(コルネオサイト)」という核を失った“死んだ細胞”へと変化します。このプロセスの中で、角層の精巧なバリア構造が少しずつ築かれていくのです。

私たちが「保湿」と呼ぶスキンケアも、まさにこの最終段階で完成する角層と深く関係しています。死んだ細胞でありながら、角層は肌のうるおいを守る最前線に立ち、その機能を支えているのです。
ということで今回は、角層の保湿バリア機能の要である「セラミド」にフォーカスし、肌のうるおいを守るしくみと、それをどうスキンケアで補うべきかを、わかりやすく解説していきます。
「とにかく潤えばOK」ではない、本当に肌に必要な保湿とは何か。
水分を巡らせる、捕まえる、閉じ込める——そんな多層的な保湿のしくみを、セラミドというキーワードを通して一緒にひも解いていきましょう。
それでは、さっそくはじめましょう。
肌の保湿機能を整理しよう
繰り返しになりますが、「保湿」と一言でいっても、水分を巡らせる、捕まえる、そして閉じ込める――そんなふうに、保湿には実はいくつかのアプローチがあります。実際、私たちの肌の中では、こうした働きが複合的に機能しており、それらの仕組みに着想を得た保湿スキンケアも、多様なかたちで開発・提供されています。
肌本来の保湿機能を担う成分や構造は、大きく「エモリエント」と「ヒューメクタント」の2つに分類できます ¹⁾。そこで今回は、それぞれの特徴と、化粧品によるアプローチを整理した表を改めてご紹介します(※本表は以前作成したものを一部加筆・修正しています)。

水分を閉じ込める「エモリエント」
分類表の左側にあるのが、肌内部や化粧品から与えられた水分を「閉じ込めて」、蒸発を防ぐ役割を果たす「エモリエント」です。
この機能を担う主な構造としては、「皮脂膜」「角層(特に細胞間脂質)」「タイトジャンクション」の3つが挙げられます。

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