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ただ生きていただけ


ちょっと前に体調を崩して、お休みしていました。
最初は花粉症の症状が悪化したのかなーと思っていたのですが、まさかの新型コロナ。……えっ?

微熱と喉の痛みがしばらく続いていて。
症状を悪化させたくないし何もやる気が起こらないしで、療養期間中はほとんど寝て過ごしました。

だから何もしていなかったです。
ごはんを食べて最低限の家事をして、少しnoteを見たり本を読んだりしたくらいで。
なんというか、ただ生きていただけ。

およそ生産的とは言えない時間を過ごしたわけなんですが、不思議と満たされている自分がいました。

どうしてでしょうね。
何も頑張っていないし、仕事だって休んでしまったのに。



もしかして……今までが頑張り過ぎだったんでしょうか。

“いつもやっていることだからできて当たり前”
“もっと頑張らないと、もっと有益なことをしないと、もっと、もっと、もっと”

半ば無意識にそう考えていて、自分では全く頑張っているつもりはなかったけれど。
もう十分頑張っていたのかもしれません。

そしてたぶん、疲れ切っていたんです。
何もしたくない、生きるのやめたい──そんな薄ぼんやりとした希死念慮が、頭の中に居座ってしまうほどに。

だから、やりたくないことをやらないで、ひたすら休むことができて、満ち足りた気持ちになったんだと思います。



過去に新型コロナに罹ったときは、えも言われぬ不安や休んでいることへの罪悪感でいっぱいでした。

でも今回は、ずっと穏やかな気持ちでいられました。
いつものぐるぐる思考は消え去って、ものすごく久しぶりに生きる喜びも感じられて。

ただ生きているだけでよかった
何もしなくても、何もできなくても。

レースカーテン越しに淡い陽射しが差しこむ窓際の、ふかふかした温かい布団の中で微睡みながら。
ふと、そんなことを悟りました。



発症してから6日目、療養期間は終了して体調もすっかり元通り。

お昼に、数日間控えていたコーヒーを淹れました。

お湯を注いでいるときからとても良い香りが広がって、思わず頬も緩みます。

いそいそと席に着いて、深呼吸をひとつ。

いつもよりゆっくりと口に含んで、丁寧に味わったそのコーヒーは。

とても濃くて、苦くて──思わず、ため息がこぼれました。

ただ生きていただけなのに。
感動してしまうほど、おいしかったんです。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます☕
ちょっと謎な終わり方~でした。