LINEですれ違い 関係性を見る箱庭療法
チャット時代の弊害 <`~´>
毎日のように使っているLINE。手軽に使える反面、1対1でもグループでも、期待はずれの返答にがっかりしたり、不快になったり、関係性がこじれたりしたことはないでしょうか?
タイミングの問題、量の問題、頻度の問題、読む場所の問題、原因は様々だと思います。
家で読むのと、道端で読むのと、仕事の合間に読むのとでも、温度や重さは変わります。
デジタル時代の多忙と読み飛ばしの傾向も手伝って、図らずも発信者と受信者で認識がずれることもあるでしょう。
そもそも、コミュニケーションはこうあるべきという前提は、人により異なります。
その手軽さゆえに返信がないとモヤっとすることや、場合によってはそのままお怒りモードになっていくこともあるのではないでしょうか。
特に日本人は他者にどう思われているかを気にするため、そんなことを考えただけで疲れてしまいます。つまり、正解のないものに振り回されるということです。
仕事とプライベート "(-""-)"
さらに仕事にLINEやチャットアプリを使っている場合もあるでしょう。それにより使いやすさが、使いづらさに変わってしまうこともあります。
あなたがもし「どこまで気を遣えばいいのかわからない」と感じているなら、もうすでに煩わしいと感じている証拠かもしれません。
伝え方と相手の読み方の問題 (ΦωΦ)
いくら絵文字や一昔前の⤴⤵を使っても、お互いの状況や受け手の心の状態次第でどう響くかは変わります。「これ本心?」と疑いだすときりがない。
コミュニケーションにおいて、相手の気持ちをコントロールできないというのは当然ですが、対面や音声通話ならその場で調整したり、回避できる誤解もあると思います。
言葉とは (・・?
人は自分の心の中にあることを伝えるために言葉を使いますが、言葉はとても便利な反面、トラブルを招く道具にもなり得ます。つい、本心ではないことを伝えたり、そもそも人は自分の心をよくわかっていない場合もあります。
相手を知る、自分を知る箱庭
私は箕面にある小さな瞑茶茶房 千露利(めいちゃさぼう ちろり)で箱庭セッションをやっています。
実はこの5月で少し自分の身の回りの整理をつけたいということもあり、この箱庭セッションはやめるつもりでいました。
その理由は、冒頭のLINEの話とも関係があります。
一緒にやっている茶房の店主である友人と、LINEでのコミュニケーションがぎくしゃくしていると感じ始めていました。30年来の友人ということもあり、甘えもあったと思います。さらに、私自身も仕事やその他のことに気力を失っているタイミングでもありました。今思えば、彼女も体調を崩したり疲労困憊だったのだと思います。
河合隼雄先生も言っていますが、心理分析家やセラピストだからと言って悩みがないということは決してありません。人が生きていく限り、課題はつきものであり、そういう時こそ自分を見つめる機会だと私は思います。葛藤のないところに成長はないのです。
そこで、最後のお客様のセッションのあと、私たち2人もそれぞれ箱庭を置いてみることにしました。
実はユング派の先生のもとで実習としてやることはあるのですが、セラピスト不在で自分の道具でやるのは今回が初めてでした。
おもちゃの数は充分にあるのですが、果たして自分が置きたいと思うものがあるのか、お店の小ぶりの砂箱でどれくらい表現できるのかと考えていました。
通常の箱庭セラピーは、セラピストの立ち合いのもと、安全な場づくりをし、進めていきます。でも、今回は茶房店主の友人とそれぞれ順番にやることにしました。
出来上がった箱庭がこちらです。お互いに自分の箱庭の説明をしながら、感想を伝え合いました。

箱庭①
飛行機好きの彼女ですが、私が気になったのは、箱庭全体の色でした。過労もあり、病み上がりだったことが影響しているのか、とても青白いと感じました。或いはふっと空気の中に消えてしまいそうな軽やかさと儚さ、脆さ。見ようによっては心配と言う意味で、少し怖かった。砂の色も私の砂箱よりは白い方を選んでいました。
先頭の飛行機に乗っているという彼女自身は、飛びながら次第にユニコーンに変身して大空を駈けて行くようにも見えます。彼女の表現は「風」なのです。
ですが、風のような捉えどころのない動きの中、いかりのように地上に留めているのがパンダであり、赤いいちごだと思いました。玉座に座る王?はむしろ上空の世界にいるように見えます。
情報社会に疲れているのか、もう少しスローダウンして本来の彼女自身のペースを取り戻したいのか。一方で軽やかにも進みたい。
もし、このイチゴが無ければ、本当に血の気がないように見えていたと思いますが、確かにその赤い色に生命感を感じることができ安心しました。
向かう先の赤い王冠にも、長い努力が報われることを求めていると感じます。(※内容は本人の許可を得て投稿しています。また、箱庭療法は本来意味を断定したり、そもそも解釈をするものでもありません)

箱庭②
一方で、私が最初に選んだおもちゃはライオンキングのイボイノシシ・プンバァ。箱庭をやるときはいつも、今日はコレだと思うものがあります。この日はとにかく「大地」、そしてネイティブアメリカンのような音楽、炎を囲むような動きや渦を表現したくなりました。全体的に茶色いものを選び、太陽にはレモンを使いました。左手前の扉の向こうには「死」または「祖先」を思わせる墓場があります。
スピリチュアルケアを学んでいる私にとって「死」はある意味大切な原点でもあります。前回投稿した愛犬の死後気づいたことですが、私にとって「死」のある場所は、家族との深く長い繋がりを感じることができる場所なのです。
プンバァは右回りでなく、左回りし、その原点へと私を戻そうとしているようでもあります。
そして「ハクナマタタ」と実際に言いながら、友人に説明を聞いてもらいました。
コミュニケーションの基礎は信頼
性格や占星術は箱庭とは関係ありませんが、偶然にも彼女は「風」の星座で私は「土」の星座です。今回の結果を見たとき、一番に感じたことは、これほどまでに2人は違うのかということでした。LINEで行き違った状況がこの箱庭で、可視化され、腑に落ちたのです。
人は理解できないからどうしていいかわからないと感じることはあっても、それは違いを受け容れられないということではありません。人の心は、それほど狭くはできていないと私は思っています。
そして一番大切な発見は、私にとって、立ち会う人がセラピストでなくても信頼できる人であれば箱庭はできるのだということでした。
道具が充分だろうかといった心配など全く問題ではなく、「いいのができた。思った通りのができた。出し切った」と満足して私は彼女に言いました。「思った通りって、前もって考えているの?」と聞かれましたが、おそらく「無意識が知っていた通り表現できた」と言った方がいいかもしれません。無意識は意識よりも賢いのです。
メッセージとしての箱庭
何度か彼女と箱庭をやったことはありますが、お互いがそれぞれへのメッセージのような箱庭を置いたことはありませんでした。どのように読み取るかということもありますが、それでも2人が、このタイミングで自分らしさや現在地を表現したことは、共時的だと感じます。
私自身も、生きることに対する気力を失っているとかなり感じていただけに、「ハクナマタタ」のような人生を楽観視する姿勢や「火」を表現したいと感じたことも驚きでした。まだ私にも燃やしたい火が残っているのだと知りました。しかもこの火のおもちゃは、前のセッションのお客様が火事を表現したときに、私が偶然見つけて勧めたおもちゃでもありました。
箱庭の働き
箱庭療法は箱庭を媒体として自分を表現していくことに意味があります。アートのような作品を作ることを目的とはしていません。ただ思い思いにおもちゃを置いていくだけです。
そして、出来上がった箱庭が、セラピストにありのまま受け容れられた、理解されたと感じることでその人が落ち着いていくのです。
こういった体験は言語やチャットではできない交流です。だからこそ、子供や言語化が苦手な人、日本人に向いているといわれています。
ですが、今回コミュニケーションが決して苦手ではないと自負している大人2人(*_*; にとっても、いい発見になり、交通整理になったと言えます。
これが、先に述べた私たち(の意識)は必ずしも自分の心を知っているわけではないということです。
箱庭を使って、自分を知ることは非常に刺激が少ない安全なやり方で、徐々に理解が進みます。1年後に意味がわかることもあります。
そして、この出来事をきっかけに、私も箱庭のセッションを続けることにしたのでした。

千露利では、このように2人でそれぞれの箱庭を作ることも、2人で1つの箱庭を作ることもできます。その後、お菓子と日本茶でリラックスして話すことが非日常の体験や、自分を発見することに繋がります。
少し遠いところへ足を運ぶことも、箱庭療法では大切にしています。
ときにはLINEとは少し違ったコミュニケーションが、関係性を深めたり再評価するきっかけを作ってくれるかもしれません。
そして最後に、あまり親しくないグループLINEでの伝え方のヒントを1つ。「事実を言って感情を言わない」が鉄則です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
瞑茶茶房 千露利
大阪府箕面市桜井2-10-5 阪急桜井市場
阪急電車桜井駅徒歩5分
090-3483-0283
不定休
箱庭セッションはご予約制
1名様 7,700円
ペア 13,000円
セッション後に日本茶とセレクトされたお菓子のプレートが付きます。
