根本を見極める指導者になる
首が緊張するのは、目のせいかもしれない
ストレートネックに対して、固くなった筋肉を緩めて、弱化した筋肉を活性化させる。顎を引いて後頭部を押し当てる感覚を覚えさせる。こういったアプローチがよく紹介されています。
言わんとすることはわかります。筋肉の状態を見て介入するという方向性は理解できる。
ただ、そこに水平という基準がなければ、感覚を書き換えても何を正解として書き換えているのかが定まらない。形だけのアプローチになって、またすぐに元に戻る、という繰り返しになります。
「やった感」が出るアプローチほど、根本を見ていない
筋肉を緩める、筋肉を鍛える——これは指導者にとっても受けた側にとっても「やった感」が出ます。だからついついそこを求めてしまう。
でも筋肉ばかりに目がいっていると、本当に根本にあるものに気づかないまま進んでしまいます。
私が思う根本は、目と首の関係です。
「上位交差性症候群」という言葉が示すように、ストレートネックは首まわりの筋バランスの崩れとして説明されます。でもなぜそのバランスが崩れるのか、そこへの言及がほとんどありません。
目の動きに制限がかかれば、首に緊張が走ります。これは当たり前の話です。視覚情報を素早く取り込もうとする身体の反応として、首が固まる。首が問題なのではなく、目の動きを制限している頭の位置が問題なのです。
顔の位置が、首を変える
水平を感知しやすくするための顔の位置というものがあります。カンペル平面と呼ばれる、耳の穴から鼻の下を結ぶラインが水平になる状態です。
この位置に顔が置かれると、目が水平方向に動く際の制限がなくなります。視覚情報を素早く感知できるようになるので運動パフォーマンスも上がる。そして目の制限が取れることで、首の不必要な緊張も抜けていきます。
「顎を引いて後頭部を後ろに」という誘導が機能する場面もあるかもしれません。ただ、それが水平という基準に基づいていなければ、感覚を修正しているのではなく、新しいエラーを上書きしているだけになる可能性があります。
本当に改善したいなら、筋肉の前に、頭の位置と水平の関係を見ることが先だと私は思っています。
