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バイアスに陥らない方法



「人は誰でもバイアスを持っています。」

心理学の本を読むと、よく見かける言葉です。

この文章を読むと、「自分も気をつけよう」と思う人もいるでしょう。しかし、実際には「自分だけは大丈夫」と思ってしまうこともまた、人間らしさなのです。

だからこそ、バイアスから完全に自由になることはできません。

では、私たちはどうすれば少しでもバイアスに振り回されずに済むのでしょうか。

私は、二つの方法があると思っています。

バイアスを知る


一つ目は、どのようなバイアスが存在するのかを知ることです。

たとえば、自分の考えに都合のよい情報ばかり集めてしまう「確証バイアス」。

最初に見た数字や情報に引きずられてしまう「アンカリング」。

最近見聞きした出来事を実際以上に起こりやすいと感じる「利用可能性ヒューリスティック」。

こうした名前や特徴を知っているだけでも、「いま自分は影響を受けているかもしれない」と立ち止まることができます。

もちろん、知識だけで完全に防げるわけではありません。

それでも、知らない状態よりは、ずっと良いスタートになります。

地図を持たずに山を歩くよりも、地図を持って歩くほうが迷いにくいのと同じです。

言葉にしてみる


二つ目は、自分の考えを言葉にすることです。

頭の中だけで考えていると、自分では筋が通っているように感じます。

ところが、いざ文章に書いたり、人に説明したりすると、「あれ、この部分は根拠が曖昧だな」と気づくことがあります。

言葉にするという行為は、自分の思考を外から眺める作業でもあるのです。

私は記事を書いていると、何度もこの経験をします。

「これは本当にそう言えるのだろうか。」

「例外はないだろうか。」

「別の立場から見るとどう見えるだろうか。」

こうした問いを繰り返すことで、自分の考えは少しずつ整理され、思い込みも減っていきます。

書くことは、読者のためだけではありません。

書いている本人が、自分自身を見直すための時間でもあるのです。

正しさよりも、自覚を


バイアスは、人間が効率よく考えるための仕組みでもあります。

だから、「バイアスをなくそう」と考える必要はありません。

大切なのは、自分にもバイアスがあることを前提に考えることです。

そのためには、まず知ること。

そして、自分の考えを言葉にすること。

この二つを繰り返していけば、完璧ではなくても、思考は少しずつ柔軟になっていきます。

バイアスに陥らない方法とは、バイアスを消すことではありません。

自分の思考を観察し続ける習慣を持つこと。

それこそが、バイアスとうまく付き合うための、最も現実的な方法なのだと思います。