吹奏楽の新たな可能性:「聴く」から「演奏する」へのシフトが生み出すビジネスチャンス
なぜ、吹奏楽の演奏会は満席にならないのか?
プロの吹奏楽団や演奏家が日々高い技術で演奏を届けているにも関わらず、ホールの客席がなかなか埋まらないのは、多くの関係者が感じている課題です。
特にJ-POPやクラシックと比較して、吹奏楽は一般層に「気軽に楽しめる音楽」としてまだ広く浸透していません。
現状、演奏会の観客は、奏者の関係者や吹奏楽経験者が中心で、一般の人には敷居が高いのです。
つまり、「聴く音楽」としての吹奏楽市場は、まだ限られたパイの中にあります。
しかし、「演奏したい人」は想像以上に多い!
その一方で、「楽器を演奏してみたい」「もう一度、楽器を手に取りたい」と考えている人は、年齢層を問わず数多く存在します。
学生時代に吹奏楽に青春を捧げた人
社会人になって新しい趣味を探している人
定年を迎え、音楽を始めたい人
仲間を作りたい人
楽器は高価なものもありますが、一度手に入れれば、誰もが音楽の世界に飛び込めます。スポーツのように体力的な衰えが障壁になりにくいのも、音楽の大きな魅力です。
そして何よりも、音楽は演奏すること自体が本当に楽しいのです。
音が出たときの感動
仲間と音を合わせる一体感
練習の先に待つ達成感
感情を込めて表現する喜び
練習後の仲間との談笑や交流
「演奏する喜び」は、まさに青天井の楽しさの可能性を秘めており、この市場は大きく拡大する潜在力を持っています。
音楽の「視聴体験」よりも「演奏体験」の方が満足度が圧倒的に高いのです。
「演奏体験」を支える、新しい吹奏楽ビジネス
プロとして演奏活動だけで生計を立てることは容易ではありません。しかし、音楽を心から楽しみたいと願う人たちを「支える側」として活躍する道は、これから大きく広がっていくでしょう。
例えば、これまでの個人レッスンは技術指導が中心でした。しかし、今後はよりパーソナルなサポートが求められるのではないでしょうか?
「人生において、どう音楽や演奏を楽しんでいくか?」
「どのような楽団に入れば、より充実した音楽ライフを送れるか?」
「自分の個性を音楽で表現するにはどうすればよいか?」
といった相談から、楽団内での人間関係の悩み相談まで、生徒の音楽人生全体を視野に入れたアマチュア音楽家の総合的なプロデュースやコンサルティングも、指導者の役割と考えても良いと思います。
従来の技術指導に加え、生徒一人ひとりの音楽人生に寄り添い、音楽を長く、深く楽しむための伴走者としての役割が、今後の指導者には必要になると思います。
また、今後は部活動の地域移行なども進むため、市民吹奏楽団の運営は大きなビジネスチャンスとなるはずです。それに伴い、楽団運営のノウハウを持たない方々に向けて、運営者向けのセミナー、教材、コンサルティングといったニーズも生まると思います。
「聴く音楽」から、「演奏体験」へ
音楽は聴くだけでも素晴らしいものです。
しかし、自分で演奏することで、その楽しみは格段に深まります。
吹奏楽の未来は、「演奏する側」に立つ人たちがどれだけ楽しめるかにかかっています。そして、その人たちを情熱的にサポートする仕組みづくりこそが、これからの大きなビジネスチャンスなのです。
よりたくさんの人が音楽を楽しめる未来を願っています。
