星砂を思い出した日|初恋のはなし
もう3時間目の授業が始まっている。
その時、後ろの扉から小さな声がした。
「誰か、習字道具貸して」
隣のクラスの関岡――セッキーだ。
だいたい2時間目の後には、20分間の長い休み時間があったのに。
習字の準備もせず、ドッジボールでマウント取りまくって、
今頃借りに来るのかよ……。
教室の中に、そんな空気が流れた。
さらにセッキーは、ものの扱いが雑だ。
貸した習字道具が無事に返ってくるか、はなはだ疑わしい。
みんな授業に集中するふりをして、頑なに振り向こうとしなかった。
その時。
男子からの人気No.1、アイちゃんが、ビシッと立ち上がった。
何も言わずにロッカーから、自分のピンクの習字セットを取り出し、
セッキーに手渡したのだ。
セッキーの顔が真っ赤に染まる瞬間を、
私はバッチリ目撃した。
何事もなかったかのように授業が終わり、
セッキーは、
精一杯きれいに使ったであろう習字道具を、
アイちゃんに返した。
「あ、ありがとう」
私を含めた全員が確信していた。
「セッキー、アイちゃんのこと好きになったな」
♢
クラス中が甘酸っぱい空気に包まれた、
そんな「初恋」の記憶。
このエピソードを思い出したのは、
昨日のゆらり🌹🫧 🫶💕さんの記事に「星砂」が出てきたからだ。
そういえば中学校の時、
好きだった男子から星砂をもらったっけ。
卒業前に、
「沖縄行ったから」
と手渡された、綺麗な星の形の砂。
あの時は、とても嬉しかった。
その後、小学校の教師になり、
高学年を担任するようになると、
セッキーとアイちゃんのことも、
自分の初恋のことも、
わりと教室で子どもたちに話していた。
5年生くらいになると、
男子と女子の間には微妙な距離ができる。
とくに男子は、
好きな女の子ほど無視したり、からかったりしてしまうものだ。
だから私は、
折々に「初恋」の話なんかも引き合いに出しながら、
「天空の城ラピュタ」のパズーのように、優しくしてね。
と伝えていた。
繊細なお年頃の彼らにとって、
素直になるのは少し勇気がいるかもしれないけれど。
友だちは鏡。
性別に関係なく、素直に関われば、
きっと素直に返ってくる。
そうすれば、学校行事も修学旅行も、
もっとずっと楽しくなるはず。
♢
ゆらり🌹🫧 🫶💕さんの記事の中の、
透明な画像を見ていたら、
あの頃の教室の光景と、
大切な気持ちがよみがえってきた。
この企画で👇一週間、
手厚く手厚くサポートしていただきました👇
マガジンにもたくさんの記事を追加していただきました😂
ゆらり🌹🫧 🫶💕さん、たくさんの素敵をありがとうございます✨✨
そして読んでくださった皆さま、
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ありがとうございます🍀🌺
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