3章 少子化が社会にもたらす変化と課題3.4小さな子どもを「他人事」として捉える現代社会の問題点
3.4 小さな子どもを「他人事」として捉える現代社会の問題点
「他人の子どもに関わるな。」
こんな空気が、現代社会には漂っている。
かつては、近所のおじさんやおばさんが、
「コラ!そんなことしちゃダメだ!」と叱り、
「いい子だね、偉いね」と褒めてくれた。
まるで地域全体が子どもを育てていたような時代だった。
しかし今ではどうだろう?
✅ 電車やカフェで子どもが少し騒ぐと、すぐに迷惑扱いされる
✅ 公園で遊ぶ子どもが減り、「静かな公園」が当たり前になっている
✅ 他人の子どもに声をかけると、不審者扱いされることもある
現代社会では、子どもが「社会の一員」ではなく、「親の責任」として切り離され、まるで“他人事”のように扱われる風潮が強まっている。
1. 子どもが「迷惑な存在」とされる社会
「昔は、子どもは地域の宝だった。」
そんな話をすると、「ノスタルジーだ」と言われるかもしれない。
でも、実際に子どもを取り巻く環境は大きく変わった。
✅ 子どもが公共の場で泣くと、「親のしつけがなっていない」と批判される
✅ 子どもの声が「騒音」としてクレームの対象になる
✅ マンションの掲示板には「子どもを走らせないように」との注意書きが並ぶ
まるで、**「子どもは家から出すな」**と言わんばかりの状況だ。
では、子どもたちはどこで遊べばいいのか?
「ゲームばっかりしないで、外で遊んできなさい!」
そう言われて公園に行ってみたら、そこにあったのは…
「サッカー禁止」
「野球禁止」
「大声で騒ぐの禁止」
仕方なく、ゲーム機を持って、公園に集まり、静かにゲームをする子どもたち。
…これで「健全な遊び」ができるのだろうか?
さらに、マンションの中では「子ども同士の声かけ禁止」とするところもある。
「おはよう」や「こんにちは」さえも、言えない環境になっている。
極めつけは、地域の防犯メールに流れてくる**「不審者情報」**。
例えば、こんな事例が報告されることがある。
【不審者情報】
夕刻、小学生女子に「暗くなるから早くお家に帰りなさいよ」という声かけ事案が発生。
…これは本当に「不審者」なのか?
それとも、ただの「子どもを気にかける大人」なのか?
一方で、鉄道会社や企業では「声かけ運動」を推進している。
駅や電車内で困っている人がいたら「声をかけましょう」と奨励し、
接客業でも「積極的にお客様にお声がけを」と指導される。
それなのに、子どもに対する声かけだけは「不審者扱い」される。
この矛盾した状況は、誰のためになっているのだろうか?
子どもを守ることは大切だ。
でも、社会全体が子どもに関わることを避け始めたら、どうなるだろう?
2. 子どもを見守る“地域の目”が消えていく
昔は、親以外にも子どもを見守る「地域の目」があった。
✅ 学校帰りの子どもたちを、近所のおばあちゃんが見守っていた
✅ 近所の大人が、「危ないよ!」と注意するのが普通だった
✅ 商店街の人たちが、子どもたちに声をかけ、成長を見守っていた
しかし、今では「他人の子どもに関わるな」という空気が強まり、
子どもたちが孤立している。
たとえ子どもが危険なことをしていても、「関わるとトラブルになる」と考えて見て見ぬふりをする。
地域全体が「子どもに関わらない」社会になりつつある。
3. 「子どもを受け入れる社会」を作るために
では、どうすれば子どもを“社会の一員”として取り戻せるのか?
✅ 「子どもは迷惑」ではなく、「社会の宝」という意識を育てる
✅ 地域ぐるみで子どもを見守る仕組みを作る(スクールゾーンの強化、防犯パトロールなど)
✅ 親以外の大人も、子どもに関わることが自然な環境を作る(習い事や地域イベントの活性化)
「子どもは、社会全体で育てるもの。」
これは、昔の価値観ではなく、未来の社会を豊かにするための考え方だ。
もう一度、「子どもを受け入れる社会」を取り戻すことができるだろうか?
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