コラム:いつから「仕事=就職」になったんだろう?
「お父さんは何の仕事をしているの?」
「お母さんの仕事ってどんなこと?」
そんな質問を子どもにすると、今の時代、多くの家庭では「会社勤めをしているよ」「○○の企業で働いているよ」といった答えが返ってくるかもしれません。でも、昔はちょっと違いました。
かつて日本では、「仕事=家業」 という考えが当たり前でした。魚屋、八百屋、大工、美容室、飲食店、農家、漁師……。地域にはさまざまな職業の人がいて、子どもたちは親の仕事を手伝いながら、自然と「働くこと」を学んでいきました。
しかし、いつからか「仕事=就職」という考え方が一般的になりました。特に戦後の高度経済成長期以降、「いい大学を出て、安定した企業に就職することが成功の道」という価値観が強まりました。結果として、働き方の多様性は次第に失われ、仕事は「家や地域と切り離されたもの」となっていったのです。
「就職することが仕事」ではない。
人生100年時代と言われる今、40年間企業に雇用されることだけが「働く」というわけではありません。むしろ、雇用に縛られずに自分らしい働き方を選ぶ時代が来ています。副業、フリーランス、短時間正社員(シューニ)、パラレルワーク……。今、求められているのは、「どこに勤めるか」ではなく、「何をするか」。
地域に根ざした働き方を選ぶ人が増えれば、核家族化によって薄れてしまった「家業」の価値や、「仕事と家庭のつながり」も、再び見直されるかもしれません。
私たちが今、子どもたちに伝えるべきなのは、「仕事=会社に勤めること」ではなく、「自分の人生をどうデザインするか」という視点なのではないでしょうか。
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