古楽荘ダイアリー vol.10(後編): 聖地ニューヨーク
ふぅ。今日もジャズ喫茶「古楽荘」は無事に営業終了。
饒舌に語り尽くしてきた私のアメリカ横断の旅も、ひとまずここまで。わざわざこれだけの労力をかけて得たものを整理するならば、自分で写真を撮るようになったとか、ひとりで旅と取材を完結させるために英語を必死に勉強したとか、言ってしまえばそれくらいのこと。ただ、たったそれだけのことが人生の糧になることも確かなのです。
この一連の流れの中ですでに語ったことではありますが、オジさんなので繰り返しになることをお許しください。ボリス・ヴィアンが言うように、人生で大切なことは2つだけ。可愛い女の子との恋愛に、デューク・エリントンの音楽。そして体験は、知識を凌駕する。
ひとりの大人として独立したときから私のコアを司ってきた言葉が今も自分を支えています。人間なんて大した変わらない。核となる部分があればそれでいいと思うし、同時にだからこそ機微のサイズ感で変化することも可能だと思うのです。小さく強く、私なりにジャズ鳴る景色を求めてこれからも旅を続けようと思います。
つい筆を置く気分になっておりましたが、今日は有名で伝統的なマンハッタンの3軒をご紹介です。
パブリックシアターのライブスペース Joe's Pub

ラッキーなニューヨーク滞在初日でした。何故ならこの日の主役、インド系アメリカ人1世でこの街を拠点にするシンガーソングライター, アシュニの公演があまりにも素晴らしかったから。彼女のルーツであるインドのオリエンタルな音像が、摩天楼に溶け込むようにジャズやR&Bへと様変わりしていくマジックを、目の前で観ているようでした。イースト・ミーツ・ウエスト。それが若い世代ならではのモダンな形で表現されていることがなにより素晴らしかったと思います。
ブルーノートのNYC本店

ネオ・ソウルのシンガーと身勝手に認識していたビラルのイメージはいとも簡単に崩れ去りました。彼は紛れもなくリアル・ソウルのシンガーです。そう断言できるほどにエネルギッシュでタフがギグをこの日に堪能することができました。本場ニューヨークのブルーノートは東京店の高級サロン感とは打って変わって音楽に集中せざるを得ないほどギュウギュウのシーティング。居心地の良さは全くなし。それでもまったく苦痛に感じなかったのは、単に音楽が素晴らしかったから。それでいい。それだけでいい。
圧巻のビーコン・シアターで観たカマシの宇宙

ニューヨーク最後の夜をスペシャルなものにしたいと願っていたら、カマシ・ワシントンの新作ツアーの初日と重なり、申し分ない豪華な夜となりました。会場となったビーコン・シアターの威厳に満ちた歴史ある佇まいと、宇宙をジャズで旅するカマシの神々しさが見事に融合。プロフェッショナル・リスナーを自負する自分が、キャリアの頂点を極めた感もありました(笑)。有終の美。でも終わりじゃない。むしろただのはじまり。まだこれから何度でも、こうやって歴史的瞬間の証人になったような気分を味わえるよう、音楽に対して常に能動的でありたいと思います。
ニューヨークの景色あれこれ② そして、
残るニューヨークの景色を洗いざらい。これまた繰り返しになりますが、目的地に辿り着いたならばそこは通過点になる。実際のところこのあと私はヨーロッパへも旅をしますが、その前にこの旅を経てはじめたジャズレコードのコラージュを今後このnoteで記していこうと思います。ジャズって難しいとかよくわからないとか言われますが、そんな敷居を下げる意味でも視覚から楽しめるジャズの触れ方を自分なりに模索しているのです。興味のある方は引き続きどうぞ。







古楽荘の『スケッチ・オブ・ブルー』、『JAZZNERD』『コラブル・代官山』
僭越ながら秋田のジャズ喫茶「古楽荘」は紹介制のため店舗詳細を公開できませんが、この旅の記録は書籍やWeb、YouTubeでも確認できます。お時間のあるときは是非!そしてご縁あれば秋田の本店でお会いしましょう。
それと秋田のジャズニュースといえば、現在ヤマキウ南倉庫のBook Store Pellonpääさんでポップアップ展『JAZZNERD in AKita』が開催中。期間は3月29日(日)まで。東京の独立系出版社コラクソーがアメリカでキャプチャーした“ジャズ鳴る景色”の写真展示に、ジャズレコードのコラージュと見どころ満載。3月28日(土)と29日(日)の両日は在廊予定です。
また3月は忙しく3月16日(月)より代官山 蔦屋書店にてコラージュ・ポップアップ展『コラブル・代官山』が開催中。3月20日(金)から21(日)までの3連休は12:00-18:00でインストアDJも。詳細こちらよりご確認くださいませ。
ではではまたまた。I'll be seeing you…
