#154「つけめん 大盛り」【博打打ちアマジの朝食】
……朝食は「朝、人を良くする」と書く。
汗が滲む。暑い。不思議なもので、それでも腹は減る。最近は、今月くらいからか、少し時間のズレた生活になってしまい反省している。夜寝るのが遅くなったのが原因だ。起きる時間が少し遅くなると、家を出る時間も少し遅くなる。とはいえ、家を出るとその暑さにまた少し遅くなっていくのがわかる。
地下街は冷房が利き気持ちがいい。さっきまでは冷たいもの、もしくは涼しげなものをと思っていたが、これなら温かいものでもいいなと思い始める。しかしまぁいざ食べれば汗だくだろうから、と改札を出た時に決めた青葉に向かった。

並ぶ事なく、券を買ったらすんなり席につけた。ワイシャツ姿のサラリーマンのおじさんだらけで、後から来た女性が1人、なんとなく働く男の昼飯の様相を呈している。みんながつけめんで、大盛りかそうじゃないかのものしか頼んでいないようでもあった。その気持ちがよくわかる天候だ。
待っている人にも次々と、つけ汁と麺が配られる。たまに唐辛子をお願いする人もいる。私はどうしようか、考える間も無く到着した。
麺だけを二本啜って、デフォルトの味を確認して通ぶってみせる。実際は美味しいと言うことくらいしかわからない。
とぷりと、ひとすすり汁につけて、思いっきりすする。うまい。熱々のつけ汁と椀だが、冷たく締められた麺が通過すると、その温度差で麺に脂がまとわりついて、温度と味のコントラストができる。これが美味しい。そしてすきなのだ。太い食べ応えある麺も好きだが、こういうのも大好きだ。
大盛りが相手だ、手加減や息つく暇はない。持ち上げてはすぐにすすり、味わっていく。麺が半分を切ったあたりで、つけ汁は冷たくなってくる。ここからが本番になる。味が纏わりつきにくくなったら、麺を漬けるようにする。その間に細いメンマを食べて、勿体無いがホロホロのチャーシューを噛み締める。
あとふたすすりくらいのところで、一気に満腹感が出てくる。急いで食べたら、ナルトを最後にぱくりとして、つけ汁をゆっくり飲み干す。割ると味が薄まってしまう。酸味と辛味がすっきりとしている気がする。そして胃袋に詰まった麺と麺の間を浸透していくように満たすのを感じた。
……朝食は「朝、人を良くする」と書く。
お腹がいっぱいになっても、気持ち悪くならないくらいならちょうどいいだろう。のれんをくぐると数人が待っていた。
