#102「つけめん 大盛り」【博打打ちアマジの朝食】
……朝食は「朝、人を良くする」と書く。
むしむしとして、ジメジメして、暑い。すっきりとはいかない朝に、支度をする。
私は食べる量が多いのだろうかと、目覚めに後悔する事も少なくない。確かに連休中は、かなりきっちり頂いたし、田舎の家族も、両家とも食べさせたい、飲ませたいという気持ちが伝わり、無下にできない。
……鏡に映る少し出た腹に、私は節制する覚悟を決めた。

普段は並ばないが、並んでも食べようとと思ったのだ。どこもかしこも列になっているのだ、あまり変わらないだろう。
どうしても普通盛りに出来なかったのは、私にとっては普通が大盛りなのであろう。仕事が始まれば、私は基本的に食べないので、一食このくらいがちょうどいいと思う。事前に食券を渡せていたので、席に着いたら、すぐに提供された。有難い。お店によってはここからまた待つ。
麺だけを数本すする。冷たくはないが、しっかり締めてあり、プリプリとした食感の細いちぢれ麺で嬉しい。なんとなく戻ってきた、そう感じる。
汁に潜らせて、思いっきりすすりはじめる。こんな暑い日は、このくらいの温度感が有難い。元々強めのスープのコクに、すっきりと酸味と辛味がバランス良い。じんわり汗をかいていくのがわかる。
最初に半分は、一気につけては、思い切りすするを繰り返していたが、残り半分かと思うと、寂しい気もするので、少し汁に漬けてから持ち上げる。
メンマも細く柔らかい。主張がすくないのに、ちゃんと存在感があっていい。単調になりがちな麺にリズムが生まれる。チャーシューもこのくらいの量でいいだろう。多少の肉感があるから、また麺が欲しくなる。
麺が終わってしまい、一口お冷でリセットして汁を飲み始める。私は割らない。そのままでいい。先ほどまで麺を経由してでしか感じられなかった、味の強さが逆にすっきりする。ゆず唐辛子が辛く、目が覚めるようだ。頭にも汗が浮いてきたのを感じる。
丼のそこからナルトが顔をだしてきて、あぁ、ごめんごめん忘れていた、と思い箸でつまみ上げて口に入れる。噛み締めるたび、弱々しいけど、ちゃんと旨みがして、美味しい。最後にグイッとのみほして、箸を置いた。
……朝食は「朝、人を良くする」と書く。
食べ過ぎではないだろう。今日はこの一食がメインだ。これでも足りないくらいだ。あとは夜帰ってから食べすぎないように、飲みすぎないようにだけ気をつければいいのだ。
