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夢が叶った!長女と2人だけで一泊旅行へ

どうしても行きたい!
でも、日帰りでは難しいところだし…。

何日も迷った末に、思い切って夫に頼んでみた。

「私、一泊旅行をしてもいいかな?」


二女のゆうが生まれてから25年間、私が二女から離れて宿泊をしたことは一度もない。
あえて言えば、19年前に息子を産んだときに宿泊したくらいだ、病院に。

家族旅行や二女の学校時代の修学旅行、入院中の付き添いなどで、宿泊したことはあるが、それらはすべて二女と一緒だ。
もちろん夫は、何度も仕事やレジャーで宿泊をしている。


長女や息子、友達との日帰り旅行は何度もしてきたが、泊を伴うとなるとやっぱり躊躇する。
夫はしっかり二女をみてくれるが、ちょっとしたさじ加減のようなところがわからないという。

「悪いけど、泊まりは、俺が自信無いわ。」

と、夫が申し訳なさそうに言うので、どんなに用事が遠方であろうと、私は何としてもその日のうちに帰った。
それが無理なら、行くことを諦めるしかなかった。

それが当たり前だったので、あまり不自由に感じることもなくこれまで過ごしてきた。



しかし今回は、

「夢やったんやろ?ずっと頑張ったから行けるんだし、いいよ、行っておいで。俺も頑張ってゆうをみるわ。」

と夫が快諾してくれた。

心配だけど、これもお互いの成長のための一歩かもしれない、と思い、夫の気持ちに甘えて、旅行に行かせてもらうことに決めた。


ひとりで行くのは心細いし寂しいので、結婚したばかりの長女を誘う。本当は、こんな機会がもしも私に与えられたなら、長女を誘おうと心に決めていた。

二つ返事で、「おぉ、お母さんすごいやん!一緒に行くよ!」と長女も言ってくれた。


ずっと目標だった授賞式。

この2年間、何度も何度も作品を作り、挑戦して落選した。
届かない「入賞」のお知らせ。
空っぽの郵便受けに、勝手にひどく落ち込んだ日もあった。
たまたま小さな賞をもらっても、コロナで授賞式が中止になってしまい、これまでは悔しい想いもしてきた。

でも、今回はやっと開催される。
遠く離れた非日常の中へ、どうしても行ってみたい。


しかも、長女と2人だけで、初めて一泊旅行ができる。
実はそれが、長年の私の夢だった。


結婚した長女とのふたり旅は、彼女がうちにいた頃とは違った距離感が新鮮で、くすぐったく感じられた。
新幹線の長い時間は、おしゃべりタイム。横並びなのが、思いのほか話しやすい。

新婚生活のこと、旦那様のこと、結婚式や新婚旅行のこと、彼女がはまっているお菓子作りのこと、仕事のこと。
未来のこと。

普段はパタパタしてゆっくり聞けていなかったことを、クスクス笑いながらいっぱい聞かせてもらった。



二女の着替えや清拭せいしきをすべて済ませておいて、午後3時ごろに自宅を出発したので、目的地到着は夜の9時を過ぎていた。

静かな港町だ。
ホテルに荷物を置いたら、長女と2人で近くのコンビニへ行く。
薄着で外へ出ると、もう、夜はしっかり寒かった。

「このアイス、お芋の味やって!食べよかな。」
「美味しそう!お母さんも同じのにするわ。」

寒くてもアイスがいい!

夜のコンビニなんて、いつぶりだろう。
時間を気にする必要もなく店内をくるくるまわれるのが楽しい。珍しいわけでもない品物にわくわくした。

「母さんが買うからさぁ、欲しいもの、かごにジャンジャン入れてね。」
「いいの?ははは、もう寝るだけだから、あとは水だけでいいよ。」

アイスと水、それに炭酸水も買う。
なんだろう、そんなシュワシュワしたい気分。

部屋でアイスを食べ、順番にお風呂に入ると、何にもしなくていい時間がやってきた。
びっくりするほど暇だった。
手持ち無沙汰すぎる。

いつもなら、1分も止まらずに動き回っている時間だ。
落ち着かないまま、見るわけでもないテレビをつけてベッドに転がる。 

いつもなら、日付が変わる頃に、やっと二女の世話が終わる。
お風呂から出てすぐに眠れたらどんなにいいだろうと普段は思うのに、いざとなるとやっぱり寝付けない。


夫にLINEすると
「安心しな。ゆう、寝たぞ!」と返信。

やるじゃないか、できた娘だ!
ほっとしたら、急に睡魔に襲われた。



真夜中、突然、隣のベッドの長女が大きな声を出した。

「わぁ〜!おいしそう〜!」

寝言か!
ふふふ、何の夢を見ているんだろう。
ひとりで大笑いしてしまった。

幸せな夢みたいで、母は嬉しい。
長女の横で寝るのは、彼女が小学校低学年以来かな。
こんな時間までもらえて、幸せだなぁと思った。


翌日は、授賞式でほとんどの時間を使ったので、観光はあまりできなかった。
それでも、自分の暮らす街を出ることがあまりない私には、見る物すべてが興味深くておもしろかった。

大都会の駅では、長女の後ろをピッタリと付いて歩く。ひとりなら、私は迷子になっていただろう。
おのぼりさん丸出しで、電車や駅すらも写真に収めていると、長女がやれやれという顔で笑う。
それが無性に嬉しかった。


夜遅く自宅に帰ると、二女は元気な顔でにこにこしていた。
夫は疲れ切った顔で、私に謝ってくる。

「ごめん、ゆうさぁ、昨夜から今日の夕方5時まで、18時間くらい連続で寝たんやわ。今夜はたぶん寝ないと思う。」

そうか、母が不在中、二女は寝ることでお父さんを助けていたのか!
ゆうはやっぱり偉いぞ!

それでも、夫は慣れない家事や二女の世話に、一日中てんてこ舞いだったらしい。

「ありがと!寝てきて!あとは私にお任せを!」

ということで、その夜、私は二女の徹夜に付き合いました。
back numberさまの歌を聴きながら・・・。



長女との一泊旅行、私にとっても、夫や二女、家族にとっても、大きな経験と自信になりました。
次は息子とも、2人で一泊旅行に行きたいなぁ。




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