変わる街、変わらない風
久しぶりに、かつて住んでいたまち、垂水へ。
駅前には図書館が区役所から飛び出して、大きくそびえていた。
木とコンクリートのすてきなデザイン。
いまは自習スペースが予約できたり、
キッズのフロアが分かれていたりととても過ごしやすそう。
神戸市内の図書館の本をwebで予約して、
何度もここで借りた日々が、ふいに蘇る。
様変わりしたのは商店街。
大好きだった廉売市場は跡形もなく、少し立ち尽くしてしまった。
垂水商店街の東南は高層マンションに変身。
お世話になったたまご屋さんや乾物屋さんはどこにいったのだろう。
商店街のなかは八百屋さんがたくさんできていた。
でも「ひるあみ」の魚屋さんがどこにもない。
魚は、もう売れにくい時代なのだろうか、なんて勝手に思ってしまう。
でもね、一本筋を変えると
よく通った揚げ物屋さんや美味しい魚屋さんは健在。
人気店はそのままで、胸の奥がふっとゆるんだ。
そんな中、垂水で一番好きな厄神さんは何も変わらずそこにあって、
きょうもまた誰もいない、静かな時間が流れていた。

石の階段、とんど焼きの穴、美しいお社、そして大きな木々。
「お久しぶりです。元気にしています」
厄神さんにご挨拶。
目には見えないけれど、ちゃんと守ってくれる、そんな安心感がある。
緑が風に揺れている。
ここだけは、ずっと変わらない気がした。
信じられる何かが、そこにあった。

