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仕事の設計⑥【エピローグ】

エピローグ 

人に優しい仕組みを、次の世代へ


あの会社では、本当にいろいろあった。やっかみ。嫉妬。いじめ。教えない文化。人間関係が、一番しんどかった。
システムを作るより、人との関係を作る方が、何倍も難しかった。
三年後。私は会社を辞めた。でも、不思議と後悔はなかった。
私はレベルアップしていた。システムの作り方だけじゃない。人の見方。会社の見方。仕組みの作り方。全部学んだ。
だから今の会社へ来て思う。何が起きても、動じなくなった。あの会社があったから、今の私がいる。

毎晩、カセットテープを作っていた時代があった。


歌とお話と手紙を、60分に吹き込んだ。
一人で待っている子供が、何度でも一緒に歌えるように。
「おかあさんといっしょ」を、丸暗記して。
でっかい字で、全部ひらがなで書いた手紙も入れた。
徐々に漢字が増えていった。子供が成長するたびに、手紙も変わっていった。
そのテープと手紙が最近出てきた。すっかり忘れていた。(笑)
いつか、子供に見せようと思っている。

この本を書きながら、一つの約束を思い出した。


面接のとき、一人の人と交わした約束だった。「子育てしやすい環境を一緒に作りましょう。」
その人は在宅勤務ができるようになり、子どもを連れて会議へ参加できる会社になった。
最後まで守れて、よかったと思っている。
お礼は言われていないが。(笑)
女が子育てしながら働くことは、後ろ髪が抜けるほど引っ張られる。
せめて、母親同士はいがみ合ってはならない。それだけは、ずっと思っていた。

この歳になると、見えるものが少し変わってきた。


会社は、8時間一緒に過ごす場所だ。
寝ている時間を除くと、24時間のうちほぼ一緒にいることになる。
家族ではない。でも、だからこそ大人の役割が必要ではないだろうか。
育った環境の違う者同士が、同じ空間に押し込められて8時間過ごすのだから。
アウェイの人を大切にするのは、先人の務めだと思っている。
新卒の新入社員には、厳しく、優しく、仕事の楽しさも教えてあげないといけない。
体調不良に気づけるくらいの、最低限のコミュニケーションがなければ、良い仕組みはできない。
パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラ。
やたらハラスメントが多い社会だ。
でも、相手の立場に立てない人間が、良いシステムを作れるとは思えない。
当たり前の違いを認めることが、仕事設計の出発点になる。

63歳の私が、Pythonで機械学習を作れた。


AIの力を借りて。できるんです。自分の能力以上のことが。
だから怖くない。むしろ、ワクワクしている。
AIやDXを反対する人には、ちゃんと理由がある。
「仕事がなくなる」だけではない。
誰が、何に困って、いつ困るのか。何が嫌なのか。
その一つひとつを、あきらめずに向き合ってほしい。
誰一人として、疎外感や嫌悪感で仕事をしないように。
仕事は、楽しくするものだから。

この本を読んだ後に、


担当者に一言だけ聞いてみてください。
「何が困っていますか?」と。
そこから、全部始まります。
人に優しい仕組みが、次の世代へつながることを願っています。


                       心結 結ら(ここ ゆら)

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