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【積読書記録】スモール・ワールズ

BLから出会った一穂ミチ。「あの本、読みました?」で紹介されていたので、短編集から一般文芸の方も読んでみようと本を購入した。

今回の書は一穂ミチ著「スモール・ワールズ」。6編からなる短編集だ。
妊娠を望みながら浮気疑惑のある夫と生活している主人公が、姪の同級生の男子高校生と交流する「ネオンテトラ」
離婚することになって実家に帰ってきた「えらく体格の良い」姉と事情があって転校したばかりの弟である主人公、その同級生の女子高校生の交流を描いた「魔王の帰還」
とある赤ちゃんのいる家族、とりわけ両親と祖母を取り巻く環境について描いた「ピクニック」
殺人犯の男性と、被害者遺族の女性の往復書簡をまとめた「花うた」
中年高校教師と久しぶりにやってきた彼の子どもとの交流を描いた「愛を適量」
主人公が高校時代の後輩から久しぶりに連絡をもらったが、父親の葬儀に参加するように誘われる「式日」

一穂ミチは2024年第171回直木三十五賞を「ツミデミック」で受賞している。今回の「スモール・ワールズ」でも、文章の妙ももちろんだが、それだけでなくエンタメ性や驚きを含んだ内容だった。

「あの本、読みました?」で本人が出演した時には、話ぶりから「楽しくて可愛い関西のおばちゃん」という雰囲気があり、いっぺんに著者のことが大好きになった。なんというか、サービス精神が旺盛で、番組の中でも、語る中身や言葉選びを楽しくなるように工夫してくれていると思った。
そんな著者の人柄が一番現れているのが「魔王の帰還」だ。主人公の姉の「真央」は規格外の体格の女性として描かれている。主人公の内心のツッコミが輝いている。コミカルだ。

今回の短編たちは、最後に驚く事実が残されていたり、1編1編のストーリーの中で、雰囲気がガラッと変わるのが面白い。こういうところが、さすが「直木賞を取った一穂ミチ」と納得させられる展開だった。

全て面白かったけれど、私が特に面白かったのは「ネオンテトラ」と「魔王の帰還」だ。「魔王の帰還」前述の通りコミカルで読みやすかったから。そして、「ネオンテトラ」が面白かったのは、まだこの「スモール・ワールズ」の世界観に慣れていなかったことにあると思う。偉そうに語っていたが、私はまだ一穂ミチ作品にあまり耐性がない。BL作品の「ふったらどしゃぶり」「ナイトガーデン」ぐらいしか読めていないので、本当に耐性がない。(二つが割と悲しいところからスタートだったような気がするが、読んだの10年前だからなあ・・・)
一般文芸をもっと読んだ後に、「イエスかノーか半分か」を読んだら、どんな印象を持つのか。その時の自分が楽しみだ。

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